よくある間違い

まちがいには、よくある「型」があるよ。なぜそう書きたくなるのか、どう確かめれば気づけるのかを見ていこう。

形の取りちがえ

つまずきやすい段階:「おく」

気づくコツ:表で x を2倍・3倍したとき y がどうなるか、x=0 のとき y はいくつかを見ると、どの形でおけるかがわかるよ。

はじめの量がある場面を、比例とおく

こう書いてしまう:はじめに 5 L 入った水そうに毎分 3 L 入れる。y=ax とおいて、x=1 のとき y=8 から a=8

なぜそう書きたくなる?「一定の割合で増える」から、中1の比例 y=ax を思い出してしまう。

どう確かめる?a=8 だと、x=0 のとき y=0 になるけれど、はじめは 5 L 入っている。x=2 では y=16 になって、実際の 11 L とも合わない。x=0 のとき y が 0 でなければ、y=ax+b とおこう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 012/2点から 001/切片と1点から 001/変化の割合 004

場面の a と b を取りちがえる

こう書いてしまう:はじめに 5 L 入った水そうに毎分 3 L 入れるときの式を、y=5x+3 とする

なぜそう書きたくなる?問題文に出てくる順番のまま、はじめの数を a、次の数を b にしてしまう。

どう確かめる?x=0(入れはじめ)を入れると y=3 になって、「はじめに 5 L」と合わない。はじめの量が b、1分あたりの量が a。式は y=3x+5。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 012/2点から 001/切片と1点から 001/変化の割合 004

y=k(x 軸に平行な直線)も1次関数だと思う

こう書いてしまう:y=-3 は、y が x の1次関数であることを表す式

なぜそう書きたくなる?「グラフが直線なら1次関数」「y=… の形なら1次関数」と考えてしまう。

どう確かめる?y=-3 は y=0x-3 と見ると、x の係数 a が 0。1次関数は a≠0 なので、1次関数ではない。x を決めると y はただ1つ(-3)に決まるので、関数ではある。グラフは点 (0, -3) を通り、x 軸に平行な直線だよ。

この間違いが起きやすい問題:方程式とグラフ 011/方程式とグラフ 012

x と y の取りちがえ

つまずきやすい段階:「入れる」

気づくコツ:代入する前に「x は何の量、y は何の量」と言ってみよう。おく の1文にもどると迷わないよ。

点の x 座標と y 座標を逆に代入する

こう書いてしまう:傾き 3 で点 (2, 7) を通る直線。y=3x+b に x=7、y=2 を入れて b=-19

なぜそう書きたくなる?式 y=3x+b の左に y、右に x があるので、点の座標の順番(x, y)と並びが逆に見えて、入れる場所をまちがえる。

どう確かめる?点 (2, 7) は x=2、y=7。y=3x+b に入れると 7=6+b で b=1。求めた式 y=3x+1 に x=2 を入れて、y=7 になるか確かめよう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 007/2点から 009/切片と1点から 008/方程式とグラフ 007

符号のまちがい

つまずきやすい段階:「入れる」

気づくコツ:負の数を代入するときは、かっこをつけて (-3) のように書こう。

負の数を代入するとき、かっこをつけずに符号をまちがえる

こう書いてしまう:傾き 3 で点 (-2, 5) を通る直線。5=3-2+b として b=4

なぜそう書きたくなる?3x の x に -2 を入れるとき、かっこをつけずに「3-2」と書いて、かけ算がひき算に変わってしまう。

どう確かめる?x=-2 は (-2) とかっこをつけて入れる。5=3×(-2)+b=-6+b だから b=11。y=3x+11 に x=-2 を入れると -6+11=5 で合う。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 001/2点から 003/切片と1点から 001/変化の割合 002

負の数をひく計算で、符号をまちがえる

こう書いてしまう:y が -4 から -1 に変わるときの増加量を、-1-(-4)=-5 とする

なぜそう書きたくなる?ひく数の符号を変えずに、-1 と -4 の「-」をそのまま合わせてしまう。

どう確かめる?-1-(-4)=-1+4=3。y は -4 から -1 に上がっている(増えている)ので、増加量は正の数になるはず。数直線で -4 から -1 まで、右へいくつ進むかを数えてもいいよ。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 001/2点から 003/切片と1点から 001/変化の割合 002

a を求める計算のまちがい

つまずきやすい段階:「求める」

気づくコツ:求めた a を、はじめの組に戻して成り立つか確かめよう。

b を求めるときの移項で、符号をまちがえる

こう書いてしまう:2点 (1, 5)、(3, 11) を通る直線。a=3 から 5=3+b、b=5+3=8

なぜそう書きたくなる?移項すると符号が変わることを忘れて、数をそのまま右辺に集めてしまう。

どう確かめる?b=8 だと、y=3x+8 に x=1 を入れて 11 になり、5 と合わない。5=3+b の 3 を移項すると -3 で、b=5-3=2。求めた式に、使った点と使わなかった点の両方を入れて確かめよう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 001/2点から 001/切片と1点から 003/変化の割合 008

y について解くとき、一部の項だけ符号を変える

こう書いてしまう:3x-2y=6 を y について解いて、y=(3/2)x+3

なぜそう書きたくなる?両辺を -2 でわるとき、x の項の符号だけを変えて、数の項をわり忘れたり、符号を変え忘れたりする。

どう確かめる?方程式を成り立たせる点 (2, 0) を、できた式に入れると (3/2)×2+3=6 で 0 にならない。-2y=-3x+6 の両辺を -2 でわると、右辺の2つの項がどちらも変わって y=(3/2)x-3。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 001/2点から 001/切片と1点から 003/変化の割合 008

増加量・変化の割合のまちがい

つまずきやすい段階:「求める」

気づくコツ:(y の増加量)÷(x の増加量)。どちらも「あと-まえ」の順でひき算しよう。

増加量を「まえ-あと」で計算する

こう書いてしまう:y=-2x+5 で x が 1 から 3 に増えるとき、y の増加量は 3-(-1)=4

なぜそう書きたくなる?「大きい数から小さい数をひく」という小学校のひき算のくせで、順番を気にせずにひいてしまう。

どう確かめる?y は 3 から -1 に へっているね。へったのに増加量が正の数なのはおかしい。「あと-まえ」で -1-3=-4。変化の割合は (-4)÷2=-2 で、a=-2 と合う。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 004/2点から 002/変化の割合 001/グラフから式へ 011

変化の割合を、x の増加量÷y の増加量で求める

こう書いてしまう:x が 2 増えると y が 6 増えるから、変化の割合は 2÷6=1/3

なぜそう書きたくなる?わり算の順番を、「先に出てきた数をわる」「小さい数を大きい数でわる」のように、数の順番や大きさで決めてしまう。

どう確かめる?変化の割合は「x が 1 増えるあたり、y がいくつ増えるか」。x が 2 増えて y が 6 増えるなら、x が 1 増えると y は 3 増える。(y の増加量)÷(x の増加量)=6÷2=3。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 004/2点から 002/変化の割合 001/グラフから式へ 011

y の値そのものを、y の増加量にする

こう書いてしまう:y=2x+1 で x が 1 から 4 まで増えるとき、y の増加量は 9

なぜそう書きたくなる?「あと」の y の値を、そのまま増えた量だと思ってしまう。

どう確かめる?x=1 のとき y=3 だから、9 になるまでに増えたのは 9-3=6。x の増加量 3 の 2 倍で、変化の割合 2 と合う。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 004/2点から 002/変化の割合 001/グラフから式へ 011

変域のまちがい

つまずきやすい段階:「使う」

気づくコツ:両はしの値だけでなく、途中でいちばん大きく・小さくなる所がないか、グラフで確かめよう。

変域の外で式を使う

こう書いてしまう:長さ 20 cm で毎分 1/2 cm ずつ短くなるろうそく(y=-(1/2)x+20)の 50分後の長さは -5 cm

なぜそう書きたくなる?式に入れれば答えが出るので、その答えが場面の中でありうるかを考えずに書いてしまう。

どう確かめる?y=0 になるのは x=40。40分で燃えつきるので、この式が使えるのは 0≦x≦40。50分後はもう燃えつきている。長さが負の数になったら、変域の外に出ていないか確かめよう。

この間違いが起きやすい問題:1次関数の場面 008/速さ・動く点 006

傾きが負のとき、y の変域を逆にならべる

こう書いてしまう:y=-2x+3(-1≦x≦2)の y の変域は 5≦y≦-1

なぜそう書きたくなる?x の変域の左はしの値を左に、右はしの値を右に、そのまま書き写してしまう。

どう確かめる?5≦y≦-1 をみたす y はない。x が増えると y はへるので、x=2 のとき y=-1 がいちばん小さく、x=-1 のとき y=5 がいちばん大きい。小さい方から書いて -1≦y≦5。グラフを思いうかべよう。

この間違いが起きやすい問題:1次関数の場面 008/速さ・動く点 006

グラフ・座標の読みちがい

つまずきやすい段階:「図」

気づくコツ:座標は (x, y) の順。まず横(x)、次にたて(y)を読むよ。目もり1つ分がいくつかも確かめよう。

傾きと切片を取りちがえる

こう書いてしまう:y=3x+2 の傾きは 2、切片は 3

なぜそう書きたくなる?式の中に出てくる数の順番や、「a、b」という文字の順番で覚えていて、どの数が x とくっついているかを見ていない。

どう確かめる?x=0 を入れてみよう。y=3×0+2=2 だから、切片(x=0 のときの y)は 2。x が 0 から 1 に増えると y は 2 から 5 に 3 増えるから、傾きは 3。x とくっついている数が傾きだよ。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 005/切片と1点から 005/グラフから式へ 001/方程式とグラフ 002

切片を、x 軸との交点で読む

こう書いてしまう:y=2x-4 のグラフは x 軸と点 (2, 0) で交わるから、切片は 2

なぜそう書きたくなる?「軸と交わる所」とだけ覚えていて、x 軸と y 軸のどちらかを区別していない。

どう確かめる?切片は、y 軸(x=0 の線)と交わる点の y 座標。x=0 を入れると y=-4 だから、切片は -4。(2, 0) は、グラフが通る点の1つだよ。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 005/切片と1点から 005/グラフから式へ 001/方程式とグラフ 002

傾きを「上へ 1、右へ a」とかく

こう書いてしまう:y=2x+1 のグラフを、(0, 1) から上へ 1、右へ 2 進んだ点 (2, 2) を通るようにかく

なぜそう書きたくなる?「1 と a」の組だけを覚えていて、横とたてのどちらが 1 なのかを確かめていない。

どう確かめる?かいた点 (2, 2) を式に入れると y=2×2+1=5 で、2 と合わない。傾き 2 は「右へ 1 進むと上へ 2」。(0, 1) から右へ 1、上へ 2 で (1, 3)。横(x)を先に決めて、次にたて(y)を読もう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 005/切片と1点から 005/グラフから式へ 001/方程式とグラフ 002

x=h のグラフも1次関数だと思う

こう書いてしまう:x=2 は、y が x の1次関数であることを表す式

なぜそう書きたくなる?「2元1次方程式のグラフは直線」「1次関数のグラフは直線」から、直線ならみんな1次関数だと考えてしまう。

どう確かめる?x=2 のとき、y は -1 でも 0 でも 4 でもいい。x を決めても y が1つに決まらないので、y は x の関数ではない。グラフは y 軸に平行な直線で、y=ax+b の形には書けないよ。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 005/切片と1点から 005/グラフから式へ 001/方程式とグラフ 002

1次関数のグラフも原点を通ると思う

こう書いてしまう:y=2x+3 のグラフを、原点と点 (1, 5) を結んでかく

なぜそう書きたくなる?中1の比例のグラフが「原点を通る直線」だったので、1次関数のグラフも原点から始まると思ってしまう。

どう確かめる?x=0 を入れると y=3。グラフは原点ではなく (0, 3) を通る。原点を通るのは b=0 のとき(比例)だけ。かいたグラフの上の点を式に入れて確かめよう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 005/切片と1点から 005/グラフから式へ 001/方程式とグラフ 002

単位・量の読みちがい

つまずきやすい段階:「図」

気づくコツ:分と時間、cm と m のように、単位がそろっているか確かめてから式にしよう。

単位をそろえずに式を立てる

こう書いてしまう:時速 12 km で x 分走ったときの道のりを y km として、y=12x

なぜそう書きたくなる?問題文の数をそのまま a にしてしまい、x の単位(分)と速さの単位(時間)がちがうことに気づかない。

どう確かめる?x=60(1時間)を入れると y=720 km になって、時速 12 km と合わない。1分に進むのは 12÷60=0.2 km だから、y=0.2x。式を作る前に、単位をそろえよう。

この間違いが起きやすい問題:1次関数の場面 007

聞かれていることとのずれ

つまずきやすい段階:「確かめる」

気づくコツ:最後に問題文をもう一度読んで、聞かれている量(x か y か、何の量か)で答えよう。

変化の割合と、y の増加量を取りちがえる

こう書いてしまう:y=-3x+1 で、x が 2 増えるときの y の増加量は -3

なぜそう書きたくなる?「1次関数の変化の割合は a」を覚えていて、聞かれているのが増加量なのに、a をそのまま答えてしまう。

どう確かめる?y の増加量=a×(x の増加量)=(-3)×2=-6。x=0 と x=2 で y を求めると 1 と -5 で、増加量は -6。問題文が「変化の割合」と「増加量」のどちらを聞いているかを、もう一度読もう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 008/2点から 012/切片と1点から 009/変化の割合 005

交点の座標を、x だけで答える

こう書いてしまう:y=2x+1 と y=-x+7 の交点は、2x+1=-x+7 を解いて 2

なぜそう書きたくなる?方程式を解いて出てきた数で、問題が終わったと思ってしまう。

どう確かめる?交点は点なので、x 座標と y 座標の両方がいる。x=2 を y=2x+1 に入れて y=5。交点は (2, 5)。もう一方の式 y=-x+7 にも入れて、y=5 になるか確かめよう。

この間違いが起きやすい問題:傾きと1点から 008/2点から 012/切片と1点から 009/変化の割合 005