特集 xって、なに? 第4章 /全9章

はじめの一言:「x は〇〇」

式を書く前に、
たった3秒。
x と y に、名札をつけよう。

名札のつけかたには、型があるよ。この型で書けば、あとで「x って何だっけ?」と迷子にならないんだ。

1. 宣言の型

文字を使う前に、かならず、つぎの2行を書く。ノートのすみでかまわない。

x は ____(単位 __)
y は ____(単位 __)

これを、この特集では「宣言」とよぶことにするよ。宣言に入れるのは、つぎの3つ。(「x = 長さ」のように「=」で書くこともあるけれど、これは数を入れる式ではなく、名前をつけているだけだよ。)

  1. 何の量か(針金の? 水の? あめの?)
  2. どの量か(長さ? 重さ? 個数? 代金?)
  3. 単位は何か(m? g? 個? 円?)

2. 針金の問題で、宣言を書いてみる

針金 1 m の重さは 3 g。この針金 x m の重さを y g とする。

問題文にある言葉を、そのまま写せば宣言になる。「x m」「y g」の部分が、単位だよ。

3. 足りない宣言を、直してみよう

つぎの宣言は、どこが足りないかな。

予想針金の問題で、x の宣言として、いちばん足りているのはどれ?

宣言の「足りない」には、パターンがあるよ。

書き方 足りないところ
x は数 何の量か、まったくわからない
x は長さ 何の長さか(針金? 水そうの深さ?)、単位は?
x は針金(m) 長さなのか、重さなのか(m は長さの単位だけれど、はっきり書こう)
x は 5 これは宣言ではなく、数を入れただけ

4. 2つの関数が出てきたとき

1つの問題に関数が2つ出てくることがある。たとえば、「A さんは分速 60 m、B さんは分速 80 m で歩く」。このとき、x と y をそのまま使い回すと、迷子になりやすい。

のように、文字を変えて、宣言を書く。同じ問題の中では、1つの文字に、2つの意味を持たせてはいけない。

発見「1つの文字に、1つの意味」。宣言を書けば、それが守れているかを、自分で確かめられる。

5. 宣言を書くと、何がいいのか

宣言は、あとの自分への「メモ」でもあるんだ。

やってみよう

つぎの問題文から、x と y の宣言を書いてみよう。

  1. 「毎分 50 m の速さで x 分間歩くと、y m 進む。」
  2. 「面積が 24 cm² の長方形で、たての長さを x cm、横の長さを y cm とする。」
  3. 「ばねに x g のおもりをつるすと、ばねは y cm のびる。」
答え

1. x は歩いた時間(単位 分)、y は進んだ道のり(単位 m)。
2. x は長方形のたての長さ(単位 cm)、y は長方形の横の長さ(単位 cm)。
3. x はつるしたおもりの重さ(単位 g)、y はばねののび(単位 cm)。

まとめ

  • 文字を使う前に、「x は〇〇(単位 △△)」と宣言する。
  • 宣言には、何の量か・どの量か・単位の3つを入れる。
  • 1つの文字に、1つの意味。関数が2つなら、文字を変える。

どう考えた?

「x は長さ」だけでは、宣言として足りないのはなぜだろう。何を足せばいいか、考えて書いてみよう。

説明の例を見る

何の長さか(針金の長さなのか、水そうの深さなのか)が決まらないし、単位(m か cm か)もわからない。「x は針金の長さ(単位 m)」と、何の量か・単位まで書く。

数学ではどう考える?
  • 宣言は「定義」の書き方:数学で文字を使うときは、その文字が何を表すのかを、最初に定義する(「x を〇〇とする」「〇〇を x とおく」)。この習慣は、中2の連立方程式、中3の2次方程式、高校の数学まで、ずっと使う。
  • 変域:宣言のあとに、x が取りうる値の範囲を考えると、場面にもっと合った式になる(たとえば針金の長さは 0 以上)。この範囲を、変域という。

この章で、できるようになったこと

  • x と y の宣言(何の量か・単位は何か)を書ける
  • 足りない宣言を、見つけて直せる

前の単元・次の単元

  1. 前に学ぶ単元文字の式
  2. いまの単元比例と反比例(中1)
  3. 次に学ぶ単元1次関数

関連する単元

分野のつながりは ④関数 のページで見られるよ。