特集 xって、なに? 第1章 /全9章
名札:x は「アルファベット」じゃない
針金 1 m の重さは 3 g。
この針金 x m の重さを y g として、
y を x の式で表そう。
この問題文の中に、x が何なのか、もう書いてあるのに気づいた? 「x m」と書いてあるから、x は……。
1. 問題文の中に、x の正体は書いてある
問題文をもう一度、ゆっくり読んでみよう。
針金 1 m の重さは 3 g。この針金 x m の重さを y g として、y を x の式で表そう。
「x m」と書いてあるね。この x は、針金の長さ(m)のこと。「y g」の y は、針金の重さ(g)のことだ。
発見問題文の中で、x と y が「何の量か」は、もう決まっている。
x と y は、「何でもない文字」ではない。文章題では、ふつう何かの量を表している。
予想「1 個 50 円のあめを x 個買うと、代金は y 円」。この問題で、x は何を表している?
2. 名札をつける
持ち物に名札をつけるところを想像してみよう。
- 「針金の長さ(m)」の名札 → 短く x
- 「針金の重さ(g)」の名札 → 短く y
毎回「針金の長さ(m)」と書くのは長いから、短い名前をつけるんだ。x は、量の名前を短くした「あだ名(略称)」。ただし、x は「いろいろな値をとる」数。針金の長さが 1 m のときも 4 m のときも、名札は x のままだよ。だから、x を見たら「これは何の量のあだ名だっけ?」と思い出せればいい。
| 量の名前(本名) | 略称(あだ名) | 単位 |
|---|---|---|
| 針金の長さ | x | m |
| 針金の重さ | y | g |
3. 数だけでは、何もわからない
針金の長さ x と重さ y の表を、1つずつ作っていくよ。「▶ 動かす」を押してね。
- x=1 のとき、y=3。この「1」と「3」は、ただの数字じゃないよ。「1 m」と「3 g」だね。
- x=2 のとき、y=6。「2 m の針金は 6 g」と読める。
- x=3 のとき y=9、x=4 のとき y=12。名札の「長さ」と「重さ」があるから、どの数も意味を持つ。
予想x=4 のとき、y(重さ)は何 g?
x=1、y=3 という数は、「1」と「3」だけを見ても何もわからない。「長さ 1 m で、重さ 3 g」と、名札と単位がついて、はじめて意味を持つんだ。
ポイント数は、名札(何の量か)と単位とセットで読む。x と y は、その名札の略称。
4. 文字は何でもいい。でも、中身は決まっている
じつは、針金の長さを L、重さを W とおいて、W=3L と書いてもいい。式の形も意味も、y=
x と y が使われるのは、「みんなで決めた習慣」にすぎない。大切なのは、文字の形ではなく、名札の中身。
ただし、1つの問題の中で、文字の中身を途中で変えてはいけない。最初に x を「長さ」としたら、最後まで x は「長さ」。
やってみよう
つぎの問題文で、x と y は、それぞれ何の量(単位つき)を表しているかな。
- 「1 個 50 円のあめを x 個買うと、代金は y 円になる。」
- 「からの水そうに、毎分 2 L ずつ水を入れる。x 分後の水の量は y L。」
- 「時速 4 km で x 時間歩くと、y km 進む。」
答え
1. x = あめの個数(個)、y = 代金(円)。
2. x = 水を入れた時間(分)、y = 水の量(L)。
3. x = 歩いた時間(時間)、y = 進んだ道のり(km)。
どれも、問題文の「x 〇〇」「y 〇〇」の形に、名札と単位が書いてあるよ。
まとめ
- x と y は、問題文で決まっている「量の名札(略称)」。
- 数は、名札と単位がついてはじめて意味を持つ。
- 文字は何でもよいが、1つの問題の中では、中身を変えない。
どう考えた?
「x って、アルファベットのエックスじゃないの?」と聞かれたら、あなたはなんと答える? 針金の問題を例にして、説明してみよう。
説明の例を見る
x は、アルファベットの文字だけれど、問題の中では「針金の長さ(m)」のあだ名として使っている。名札のようなもので、何の量かを短く書くために使う。たとえば、x=4 は「長さ 4 m」という意味になる。
数学ではどう考える?
- 変数:いろいろな値をとる文字を変数という。x と y は、どちらも変数だよ。文章題では、変数は「量」を表し、その量が取りうる値の範囲が決まっている(たとえば長さなら 0 以上)。
- 文字の選び方は自由:1つの問題の中で、文字と量の対応が1通りに決まっていれば、どんな文字を使ってもよい。長さを L、重さを W とおいても、数学的には同じ内容を表す。
- なぜ名札が必要か:式 y=
3x だけでは、3 が「1 m あたりの重さ(g)」なのか「1 個あたりの値段(円)」なのかが決まらない。量との対応をはっきり書くことは、数学的な文章(定義)の基本。
この章で、できるようになったこと
- x と y が「何の量の名札か」を、問題文から見つけられる
- 「文字は量の名前の略称」だと説明できる