特集 xって、なに? 第5章 /全9章
式を日本語に翻訳する
y=
声に出して
日本語で読んでみよう。
式は、文章を短くしたものなんだ。名札を戻して読めば、ちゃんと日本語になるよ。これを「翻訳」とよぼう。
1. 比例の式 y=ax を翻訳する
分速 60 m で歩く場面を考えるよ。宣言はこう。
- x = 歩いた時間(単位 分)
- y = 進んだ道のり(単位 m)
式は y=
進んだ道のり(m)= 60 × 歩いた時間(分)
(式の中の x や y は、単位で測った「数」だよ。「道のりの数は、時間の数の 60 倍」と読む。)
日本語に直すと、「道のりは、時間の 60 倍」。もっと言えば、「1 分あたり 60 m 進む」だね。
表で確かめよう。「▶ 動かす」を押してね。
- x=1 のとき y=60。この 60 は「1 分あたりに進む道のり」。式 y=ax の a にあたるのは、この数だよ。
- 時間 x が 2 倍になると、道のり y も 2 倍。y÷x を見ると、いつも 60。
- x=3、4、5 でも、y÷x はずっと 60。a は「x が 1 のときの y」だったね。
予想x=5 のとき、y÷x はいくつ?
発見x=1 のときの y が、a。a は「1 あたりの量」になることが多い。y÷x は、いつも a。
予想y=60x(x は歩いた時間(分)、y は進んだ道のり(m))の 60 は、何を表している?
2. a の正体
式 y=
| 場面 | 式 | a の読み方 |
|---|---|---|
| 分速 60 m で歩く | y= |
1 分あたり 60 m |
| 1 m で 3 g の針金 | y= |
1 m あたり 3 g |
| 1 個 80 円のりんご | y= |
1 個あたり 80 円 |
どれも、a は「x が 1 のときの y」。a は、単位量あたりの大きさになっているよ(小学5年で学んだね)。
3. 反比例の式 y=ax を翻訳する
今度は、面積が 24 cm² の長方形。宣言はこう。
- x = 長方形のたての長さ(単位 cm)
- y = 長方形の横の長さ(単位 cm)
面積は「たて×横」だから、名札を戻すと、
たて(cm)× 横(cm)= 24(cm²)
式で書くと xy=
表で確かめてみよう。
- たて x が 1 cm から 2 cm に2倍になると、横 y は 24 cm から 12 cm の 1/2倍。
- x が 3 倍の 3 cm なら、y は 1/3 倍。
- x が 4、6 のときも、x×y はいつも 24。反比例の a は「かけると一定になる数」だよ。
予想たて x=3 cm のとき、横 y は何 cm?
発見反比例では、x×y が一定。その一定の数が a。式 y=a/x の a は、「かけると a になる」の a。
4. 比例と反比例の、翻訳の仕方をまとめる
| 比例 | 反比例 | |
|---|---|---|
| 式 | y= |
y= |
| 日本語 | y は x の a 倍 | x と y をかけると a |
| 一定になるもの | y÷x が a | x×y が a |
| a の読み方 | x が 1 のときの y(場面では、1 あたりの量になることが多い) | x と y の積(場面では、全体の量などになる) |
| x が 2 倍になると | y も 2 倍 | y は 1/2 倍 |
やってみよう
つぎの式を、名札を戻して、日本語で読んでみよう。
- y=
80x (x = りんごの個数(個)、y = 代金(円)) - y=
12x (x = 人数(人)、y = 1 人あたりの量(個))。12 個のみかんを、x 人で等しく分ける。 - y=
12x (x = 液体の量(L)、y = 液体の重さ(kg))
答え
1. 「代金(円)= 80 × 個数(個)」。1 個あたり 80 円。
2. 「人数(人)× 1 人あたりの量(個)= 12 個」。12 個を x 人で分けると、1 人あたり 12÷x 個。
3. 「重さ(kg)= 1/2 × 量(L)」。1 L あたり 0.5 kg(重さは、量の半分)。
まとめ
- 式は、名札を戻して日本語で読める。
- 比例 y=
ax :「y は x の a 倍」。a は、1 あたりの量になることが多い。 - 反比例 y=
ax :「x と y をかけると a」。
どう考えた?
式 y=3x を、名札(針金の長さと重さ)を使って、日本語の文で読んでみよう。
説明の例を見る
針金の重さ(g)は、針金の長さ(m)の 3 倍。1 m あたり 3 g の針金、ということ。
数学ではどう考える?
- 比例定数 a の意味:y=ax で x=1 とすると y=a。a は「x が 1 のときの y」であり、「x が 1 増えたときの y の増加量」でもある。a が負の数のときは「1 あたりの量」とは言いにくいけれど、この読み方はそのまま使える。この考え方は、中2で学ぶ1次関数(変化の割合)にもつながる。
- 反比例の x=0:y=a/x の x に 0 は入れられない(0 でわれない)。場面で言えば、たて 0 cm の長方形は、面積 24 cm² を作れない。
- y÷x が一定/x×y が一定:y=ax ⇔ y÷x=a(x≠0)、y=a/x ⇔ x×y=a(x≠0)。式の形のちがいを、「一定になる量」のちがいとして言い表せる。
この章で、できるようになったこと
- y=ax を「y は x の a 倍」「a は x が 1 のときの y(場面では1あたりの量になることが多い)」と読める
- y=a/x を「x×y は a」と読める