特集 xって、なに? 第6章 /全9章
同じ式、ちがう世界
y=
針金にも、あめにも、
歩くことにもなる?
式の形が同じでも、x と y の「中身」は場面で変わる。そして、同じ場面でも、x と y を入れかえると、式が変わるんだよ。ふしぎだよね。
1. 同じ式 y=3x 、ちがう3つの世界
式 y=
| 場面 | x の名札 | y の名札 | 3 の読み方 |
|---|---|---|---|
| 針金 | 長さ(m) | 重さ(g) | 1 m あたり 3 g |
| あめ | 個数(個) | 代金(円) | 1 個あたり 3 円 |
| ゆっくり歩く | 時間(分) | 道のり(m) | 1 分あたり 3 m |
式を見ただけでは、どの場面かは決まらない。x と y の中身を決めるのは、問題の場面(と、あなたの宣言)だよ。
発見式の形は同じでも、x と y の中身がちがえば、まったく別の話になる。式だけを見ても、何の話かは決まらない。
2. 同じ場面でも、x と y の役割を入れかえられる
こんどは、同じ針金の場面(1 m で 3 g)で、役割を入れかえてみよう。
(A) x = 長さ(m)、y = 重さ(g)
式は y=
(B) x = 重さ(g)、y = 長さ(m)
同じ針金なのに、表の数の並びがちがう。式はどうなるかな。
予想1 m で 3 g の針金。今度は、x を「重さ(g)」、y を「長さ(m)」とおく。y を x の式で表すと、どれ?
(B) の式は y=
発見同じ針金でも、x と y の役割を入れかえると、式が変わる(y=
3. 比例定数は、逆数になる
(A) と (B) の比例定数を並べてみよう。
| x | y | 式 | a | |
|---|---|---|---|---|
| (A) | 長さ(m) | 重さ(g) | y= |
3 |
| (B) | 重さ(g) | 長さ(m) | y= |
13 |
(A) の a=3 は「1 m あたり 3 g」。(B) の a=13 は「1 g あたり 13 m」。たがいに逆数になっているね。どちらも、同じ針金のことを言っているんだよ。
4. 反比例では、入れかえても同じ形
面積 24 cm² の長方形で、x = たて、y = 横としても、x = 横、y = たてとしても、式は y=
反比例では、入れかえても式の形がかわらない。比例とちがうところだよ。
やってみよう
つぎの問題の、x と y の入れかえを考えよう。
- 1 個 80 円のりんご。x = 個数、y = 代金とすると、式は y=
80x 。では、x = 代金(円)、y = 個数(個)とすると、式はどうなる? - 分速 60 m で歩く。x = 道のり(m)、y = 時間(分)とすると、式はどうなる?
答え
1. 80 円で 1 個、160 円で 2 個。個数は代金を 80 でわったもの。y=
2. 60 m で 1 分、120 m で 2 分。時間は道のりを 60 でわったもの。y=
どちらも、比例定数が、もとの式の比例定数の逆数になっているよ。
まとめ
- 式だけでは、場面は決まらない。x と y の中身は、宣言と場面が決める。
- 比例では、x と y を入れかえても比例。比例定数は逆数になる。
- 反比例では、入れかえても同じ形 y=
ax になる。
どう考えた?
同じ式 y=3x を、「針金」以外の場面で使うなら、どんな場面があるかな。x と y が何を表すか、宣言といっしょに書いてみよう。
説明の例を見る
1 個 3 円のあめ。x = あめの個数(個)、y = 代金(円)。ほかにも、分速 3 m で歩く、x = 時間(分)、y = 道のり(m)など。
数学ではどう考える?
- 逆関数の考え方:y=ax(a≠0)のとき、x=y/a。x と y の役割を入れかえた式は、比例定数が 1/a の比例になる。一般に、「x を決めると y が決まる」関係のうち、y を決めると x も決まるものについて、決める側と決まる側を入れかえた関数を逆関数という(高校で学ぶ)。
- 反比例が入れかえに強い理由:x×y=a は、x と y について対称な式。だから、x と y を入れかえても、同じ形 y=a/x になる。
- 式と場面は別のもの:数学の式は、場面の1つのモデル。同じ式が、まったく別の場面のモデルにもなる。これが、式の「汎用性(どこでも使えること)」。
この章で、できるようになったこと
- 同じ式が、場面によってまったく別の意味になることを説明できる
- x と y の役割を入れかえると、式が変わることを説明できる