特集 xって、なに? 第2章 /全9章

決める側と、決まる側

針金の長さを、
自分で好きに決められるとしたら、
決められないのは、何?

しかくんの x と、ぼくの y。同じ「名札」でも、役割がちがうんだ。しかくんは「決める側」、ぼくは「決まる側」だよ。

1. 自分で決められる量、決まってしまう量

針金を切るとき、長さは自分で決められる。5 m にしてもいいし、2 m にしてもいい。

でも、重さはどうだろう。1 m で 3 g の針金なら、長さを決めれば、重さは勝手に決まってしまう。こちらでは決められない。

この「x を決めると y がただ1つに決まる」関係を、関数というよ。

予想1 m で 3 g の針金。針金の長さを、自分で 7 m に決めた。このとき「決まる」のは何?

2. 表で確かめよう

x を決めると y が決まるようすを、表で見てみよう。「▶ 動かす」を押してね。

x を決めると y が決まる表長さ x(m)012345重さ y(g)03691215
  1. 長さ x を 2 m に決めた。すると、重さ y は 6 g に決まる。決めたのは x、決まったのは y。
  2. x を 5 m に決めると、y は 15 g に決まる。決める数を変えると、決まる数も変わる。
  3. x を 3 m、4 m と決めれば、y は 9 g、12 g。どの x を決めても、y はただ1つに決まる。

予想長さ x を 2 m に決めたとき、y は何 g に決まる?

発見x を決めると、y はただ1つに決まる。決めるのは x、決まるのは y。

3. しかくん(x)とまるくん(y)

小学校では、□ と ○ で書いていたね。

x が動くと、y もいっしょに動く。だから、y は x の「相棒」なんだ。式 y=3x では、x に数を入れると、y の数が1つに決まる。

4. どっちを x にするか

ここは、大事なところだよ。

針金の問題では、「長さ x m の針金の重さ y g」と書いてあった。どちらを x にするかは、問題文が先に決めているんだ。

でも、もし問題が「重さが 45 g の針金は、長さが何 m ?」だったら、どうだろう。ここでは、重さ 45 g が先にわかっていて、長さ x を「求める」。この x は、「こちらが決める量」ではなく、まだわからない数(未知数)として使っているよ。式 y=3x の y に 45 を入れて、x を求めるんだ(第7章でくわしく練習するよ)。

つまり、x には2つの顔がある。

どちらの場合も、x が「針金の長さ(m)」という名札であることは変わらない。比例の関係なら、長さを決めれば重さが決まるし、重さを決めれば長さも決まる。問題文に x と y が書かれていなければ、自分で宣言して決め、最後まで変えない。

5. 反比例でも同じ

面積が 24 cm² の長方形を考えよう。たてを x cm と決めると、横 y cm もただ1つに決まる。たてを 4 cm にしたら、横は 6 cm。たてを 6 cm にしたら、横は 4 cm。

反比例でも、x を決めると y が決まる。決める側と決まる側の考え方は、比例と変わらないよ。

やってみよう

つぎの場面で、「決める側(x)」と「決まる側(y)」を答えよう。

  1. 1 個 80 円のりんごを買う。「何個買うか」を決めて、代金を知りたい。
  2. からの水そうに、毎分 2 L ずつ水を入れる。「何分入れるか」を決めて、水の量を知りたい。
  3. 1 m で 3 g の針金。「重さを 30 g にしたい」ので、必要な長さを知りたい。
答え

1. x = 個数、y = 代金。
2. x = 入れた時間、y = 水の量。
3. 「重さを決めて、長さを知る」場面。重さを x、長さを y とすれば、x が「決める側」で、y は x の 13 倍になる。長さを x のままにして、y=30 を式 y=3x に入れて x を求めるなら、この x は「決める側」ではなく「求める数」(§4 の方程式の見方)。どちらでも、最初に宣言したら、最後まで変えないことが大切だよ。

まとめ

  • x は「こちらが決める量」、y は「x が決まると、ただ1つに決まる量」。
  • このような関係を関数という。
  • どちらを x にするかは、問題文が決めている。書いていなければ自分で宣言して、最後まで変えない。
  • y がわかっていて x を求める場面では、x は「まだわからない数」として使っている。

どう考えた?

「x を決めると、y がただ1つに決まる」とは、どういうことだろう。針金の問題で説明してみよう。

説明の例を見る

針金の長さ x を 2 m に決めたら、重さ y は 6 g に決まる。3 m に決めたら 9 g。どの長さに決めても、重さは1つだけ決まって、「6 g にも 7 g にもなる」ということはない。

数学ではどう考える?
  • 関数の定義:ともなって変わる2つの量 x、y があり、x の値を決めると、それに対応して y の値がただ1つに決まるとき、y は x の関数であるという。
  • 「ただ1つ」の意味:x に対して y が2通り以上あると、関数とはいえない。たとえば「年れい x 才の人の身長 y cm」は、同じ年れいでも身長がいろいろだから、関数ではない。
  • 比例の逆向き:y=ax(a≠0)のとき、x=y/a だから、x も y の関数(比例定数は 1/a)。「y は x に比例する」なら「x は y に比例する」。

この章で、できるようになったこと

  • 「x は決める量、y は決まる量」と区別できる
  • x が「決める側」の見方と「求める数」の見方を区別できる

前の単元・次の単元

  1. 前に学ぶ単元文字の式
  2. いまの単元比例と反比例(中1)
  3. 次に学ぶ単元1次関数

関連する単元

分野のつながりは ④関数 のページで見られるよ。