特集 xって、なに? 第9章 /全9章
迷子にならない3つの問い
x と y を
見たとき、
最初に何を思い出す?
ここまで、ぼくたち x と y の「名札」の話を読んできたね。最後に、いつでも使える3つの問いをまとめよう。式を見たら、まず、この3つを自分に聞いてみてね。
1. 3つの問い
x や y が出てきたら、いつでも、つぎの3つを自分に聞く。
- 何の量?(x と y は、それぞれ何の量の名札だっけ?)
- 単位は?(その数は、m? g? 個? 円?)
- 答えは、何の量?(出した数は、x のほう? y のほう? 単位は?)
この3つの問いは、特集のそれぞれの章に対応しているよ。
| 問い | 対応する章 |
|---|---|
| 何の量? | 第1章 名札、第2章 決める側、第6章 同じ式 |
| 単位は? | 第3章 単位、第4章 はじめの一言 |
| 答えは、何の量? | 第5章 翻訳、第7章 答え方、第8章 グラフ |
発見3つの問いは、どの問題でも使える。式や数を見て迷ったら、計算を始める前に、この3つを自分に聞けばいい。
2. 通しで、やってみよう
つぎの問題を、「名札 → 式 → 代入 → 名札つきの答え」の順で解こう。
面積が 24 cm² の長方形がある。たての長さを x cm、横の長さを y cm とする。x=6 のとき、y は何 cm か。
①宣言(名札)
- x は長方形のたての長さ(単位 cm)
- y は長方形の横の長さ(単位 cm)
②式をおく
面積 24 cm² は「たて×横」だから、xy=
③代入する
x=6(たて 6 cm)を入れる。
y=
④名札つきで答える
y は横の長さ(cm)だから、答えは「横の長さは 4 cm」。
⑤場面に戻して確かめる
たて 6 cm、横 4 cm の長方形の面積は、6×4=
予想「面積 24 cm² の長方形で、たてを x cm、横を y cm とする。x=6 のとき、y は?」迷子にならない順番は、どれ?
3. 比例の問題でも、同じ流れで
もう1つ、比例の問題でも、同じ流れでやってみよう。
分速 60 m で歩く。x = 歩いた時間(分)、y = 進んだ道のり(m)として、420 m 進むには何分かかるか。
- 宣言:x は歩いた時間(分)、y は進んだ道のり(m)。
- 式:y=
60x (1 分あたり 60 m 進む)。 - 代入:420 m は道のり(m)だから y。y=420 を入れて、420=
60x 。 - 求める:x=
420÷60= 。7 - 名札つきで答える:x は歩いた時間(分)だから、「7 分」。
- 確かめる:7 分歩くと、60×7=
420 m。問題と合っている。
4. 特集のまとめ
- x と y は、アルファベットではなく、量の名札。
- 文字を使う前に、「x は〇〇(単位 △△)」と宣言する。
- 式は、名札を戻して日本語に翻訳して読む。
- 答えは、名札と単位つきの文で書く。
- グラフの軸にも、名札と単位を書く。
ポイント迷ったら、「何の量? 単位は? 答えは何の量?」の3つの問い。これさえ思い出せれば、x と y は、もう迷子にならない。
5. 次にやること
この特集の考え方は、問題集の「比例の場面」「反比例の場面」で、そのまま使えるよ。問題を解くとき、まず宣言を書いてみよう。そして、答えを名札つきの文で書いてみよう。
やってみよう
つぎの問題を、名札 → 式 → 代入 → 名札つきの答え、の順で解いてみよう。
- 1 個 120 円のみかん。x = 個数(個)、y = 代金(円)として、代金が 600 円のとき、個数は何個?
- 面積 36 cm² の長方形で、x = たて(cm)、y = 横(cm)。たてが 9 cm のとき、横は何 cm?
答え
1. 式は y=
2. 式は xy=
まとめ
- 3つの問い:何の量? 単位は? 答えは何の量?
- 流れは、名札(宣言)→ 式 → 代入 → 名札つきの答え → 場面で確かめる。
どう考えた?
この特集で学んだことを、友だちに30秒で説明するとしたら、なんと言う? 自分の言葉で書いてみよう。
説明の例を見る
x と y は、アルファベットじゃなくて、何かの量の名前(名札)。使う前に「x は〇〇(単位)」と書いておく。式は名札を戻して読む。答えも、名札と単位をつけて書く。そうすると、何の数かを忘れない。
数学ではどう考える?
- 数学的モデリングの流れ:①場面の量に名前をつける(宣言)→ ②量の関係を式にする(モデル化)→ ③数学の計算をする → ④結果を場面の言葉に戻す(解釈)→ ⑤場面に合うか確かめる(検証)。この特集の流れは、この5段階と同じ。
- 名札の働き:数学的な文章では、文字(変数)の意味を最初に定義する。これを省略すると、式は「何の話か」を失い、検証もできなくなる。
- 次の単元へ:1次関数 y=ax+b でも、x・y の名札を決めてから式を立てる。b の意味(x=0 のときの y)も、名札と単位から考える。
この章で、できるようになったこと
- 迷子にならない手順を、自分の言葉で説明できる
- 場面から、名札・式・答えまで通して書ける