解説 5 /全7
式の求め方
(1, 5) と (3, 11) を通る直線。
式はどう決まる?
1次関数の式は y=
1. 条件はいくつ要る?
1次関数の式を求めるときも、出発点は「y=
予想次のうち、それだけでは1次関数の式が1つに決まらないのはどれ?
「傾きが -2」だけでは、式は決まらない。図で確かめよう。
- 傾きが -2 の直線を何本かかいた(点線)。どれも右へ 1 進むと下へ 2 進む、平行な直線。傾きだけでは、どれか1本に決まらないね。
- 「点 (3, 1) を通る」という条件を足す。この点を通る、傾き -2 の直線をさがそう。
- 点 (3, 1) を通る傾き -2 の直線は、1本だけ。y 軸と点 (0, 7) で交わるので、切片は 7。
予想点 (3, 1) を通る、傾き -2 の直線の切片は?
発見傾きが同じ直線は、平行にいくらでもある。傾きだけでは1本に決まらない。通る点が1つわかると、その中から1本に決まる。
わからない数が a と b の2つあるから、決めるための手がかり(条件)も、ふつう2つ要る。1次関数の式の求め方は、どの2つがわかっているかで、次のように分けられるよ。
| わかっていること | 先に決まる数 | そのあと |
|---|---|---|
| 傾き(変化の割合)と、通る1点 | a | 1点を代入して b |
| 切片と、通る1点 | b | 1点を代入して a |
| 通る2点 | a(変化の割合で)、または a と b(連立方程式で) | 残りを代入して求める |
| グラフ | 切片 b と 傾き a を読む | 読みにくいときは2点を読む |
どの場合も、「y=
問題文では、同じことがいろいろな言い方で書かれているよ。言いかえを知っておくと、どれが a の手がかりで、どれが b の手がかりかを見分けやすい。
| 問題文の言い方 | 意味 |
|---|---|
| 変化の割合が 3/傾きが 3/x が 1 増えると y が 3 増える/直線 y=3x-1 に平行 | a=3 |
| 切片が 2/y 軸と点 (0, 2) で交わる/x=0 のとき y=2 | b=2 |
| x=4 のとき y=0/x 軸と点 (4, 0) で交わる/点 (4, 0) を通る | 1点 (4, 0) を通る(b ではない) |
とくに3行目に気をつけよう。x 軸と交わる点は、y 軸と交わる点(切片)とはちがう。(4, 0) は「通る1点」として代入するんだ。
2. 傾きと1点から
例題1 傾きが -2 で、点 (3, 1) を通る直線の式を求めよう。
- おく:求める直線の式を y=
ax+ とおく。b - 入れる:傾きが -2 だから a=-2。式は y=
-2x+ になる。点 (3, 1) を通るから、x=3、y=1 を代入して、1=b -2×3+ 。b - 求める:1=
-6+ だから、b=b 1+ 。6= 7 - 式にする:y=
-2x+ 7 - 確かめる:x=3 を入れると y=
-2×3+ 。点 (3, 1) を通っているね。切片 7 は、上の図で見つけた点 (0, 7) と合っている。7= 1
例題2 変化の割合が 3 で、x=2 のとき y=1 である1次関数の式を求めよう。
「変化の割合が 3」は「a=3」と同じことだね。y=
例題3(平行な直線) 直線 y=
平行な直線は傾きが等しいから、a=-1。y=
負の数を代入するときは、かっこをつけて (-3) と書こう。-x に x=-3 を入れると、-(-3)=+3 になる。かっこを忘れると、符号をまちがえやすいよ。
3. 2点から(変化の割合を使う)
例題4 2点 (1, 5)、(3, 11) を通る直線の式を求めよう。
2点がわかっているときは、まず変化の割合で傾き a を求めるのが近道だよ。図で見てみよう。
- 2点 (1, 5) と (3, 11) をとる。
- x が 1 から 3 まで 2 増えると、y は 5 から 11 まで 6 増える。変化の割合は 6÷2=3。これが傾き a。
- 点 (1, 5) から左へ 1 もどると、y は 3 へって 2。y 軸上の点 (0, 2) に着く。切片は 2。
- 点を結ぶと、傾き 3、切片 2 の直線 y=3x+2。
予想この直線の傾き(変化の割合)は?
発見x が 1 から 3 まで 2 増えると、y は 5 から 11 まで 6 増える。変化の割合は 6÷2=3。点 (1, 5) から左へ 1、下へ 3 もどると、切片の点 (0, 2) に着く。
- おく:求める直線の式を y=
ax+ とおく。b - 求める(a):変化の割合は 11-
5 3-1 =62= 。1次関数の変化の割合は a に等しいから、a=3。3 - 入れる:y=
3x+ に、点 (1, 5) の x=1、y=5 を代入して、5=b 3×1+ 。b - 求める(b):b=
5- 3= 2 - 式にする:y=
3x+ 2 - 確かめる:使っていない方の点 (3, 11) を入れよう。y=
3×3+ 。合っている。2= 11
確かめるときは、b を求めるのに使わなかった方の点を入れるのがこつだよ。使った点は、合うように b を決めたのだから、かならず合うんだ。
例題5(負の数・分数) 2点 (-2, 7)、(4, -2) を通る直線の式を求めよう。
- 求める(a):x の増加量は 4-
(-2)= 、y の増加量は -2-6 7= 。変化の割合は -96=-9 -32 。だから a=-3/2。 - 入れる:y=
-32x+ に、x=-2、y=7 を代入して、7=b -32×(-2)+ 。b - 求める(b):-32×(-2)=
3 だから 7=3+ で、b=4。b - 式にする:y=
-32x+ 4 - 確かめる:x=4 を入れると y=
-32×4+ 。点 (4, -2) を通っている。4= -2
増加量はどちらも「あと-まえ」。x と y で、まえ・あとをそろえることが大事だよ。x を「4-(-2)」と計算したなら、y も「(4 のときの y)-(-2 のときの y)」で、-2-
4. 2点から(連立方程式を使う)
例題4の 2点 (1, 5)、(3, 11) を、こんどは連立方程式で求めてみよう。
y=
5=
11=
わからない数が2つで、式も2つ。中2で学んだ連立方程式だね。②-① で b を消すと、
6=
a=3 を①に代入すると、5=
ここで、②-① の計算をよく見てみよう。左辺は 11-
発見連立方程式で②-①をすると、b が消えて「(y の増加量)= a ×(x の増加量)」が出てくる。変化の割合で求める方法と、連立方程式で求める方法は、同じことを別の書き方でしている。
2つの方法は、どちらを使ってもいいよ。
- 変化の割合を使う方法:計算が短い。グラフや場面で「1あたりの量」を考えるときにも使いやすい。
- 連立方程式を使う方法:y=
ax+ に代入するだけで式が立つので、手順がはっきりしている。数が分数や負の数でも、同じ手順で進められる。b
どちらで求めても、最後に2点とも式に入れて確かめよう。
5. 切片と1点から、グラフから
例題6 グラフが y 軸と点 (0, -3) で交わり、点 (2, 5) を通る直線の式を求めよう。
y 軸と交わる点の y 座標が切片だから、b=-3。y=
グラフから式を読むときは、まず切片、次に傾きを読むよ。傾きは、グラフが目もりの交わる点(格子点)をぴったり通る所を2つ見つけて、そのあいだの「横の進み」と「たての進み」から求める。
- まず切片。グラフが y 軸と交わる点は (0, 3)。切片は 3。
- 次に、グラフが格子点(目もりの交わる点)をぴったり通る所をさがす。点 (3, 1) を通っているね。
- 点 (0, 3) から点 (3, 1) まで、右へ 3 進むと下へ 2 進む。傾きは -2/3。
予想この直線の傾きは?
発見切片は 3。点 (0, 3) から点 (3, 1) まで、右へ 3 進むと下へ 2 進む。傾きは -2/3。式は y=-(2/3)x+3。
目もりの読みにくい所で読むと、まちがえやすい。格子点を選ぶのがこつだよ。切片が格子点にないときは、格子点を2つ読んで、例題4・5のように2点から求めよう。
例題7(表から) 1次関数の表の一部が、次のようになっている。式を求め、表の空らんをうめよう。
| x | -1 | 2 | 5 |
|---|---|---|---|
| y | 8 | -1 | ? |
表の2つの列は、2点 (-1, 8)、(2, -1) と同じこと。変化の割合は -1-
確かめに、x が 2 から 5 まで 3 増えるとき、y の増加量は (-3)×3=
求めた式を使って、点が直線の上にあるかを調べることもできるよ。点の座標を式に入れて、等式が成り立てば直線の上、成り立たなければ直線の上にはない。たとえば、y=
代入するときに、x と y を取りちがえないように気をつけよう。点 (-1, 8) の x 座標は -1、y 座標は 8。y=
やってみよう
次の直線の式を求めよう。どれも y=
- 傾きが 4 で、点 (-1, 3) を通る直線
- 2点 (2, 1)、(6, 3) を通る直線
- 切片が -4 で、点 (3, 2) を通る直線
答え:1. 3=
まとめ
- 1次関数の式を求めるときも、y=
ax+ とおくところから始める。わからない数は a と b の2つなので、条件も2つ要る。b - 傾きと1点:a を入れてから、1点を代入して b を求める。
- 切片と1点:b を入れてから、1点を代入して a を求める。
- 2点:変化の割合で a を求めてから b を求める。または、2点を代入した連立方程式を解く。
- グラフ:切片と、格子点を使って傾きを読む。
- 最後に、使わなかった点や条件を式に入れて確かめる。
どう考えた?
2点を通る直線の式を求めるとき、「変化の割合を使う方法」と「連立方程式を使う方法」は、どこが同じで、どこがちがうかな。
説明の例を見る
どちらも、y=ax+b とおいて、2点の条件から a と b を決めている。連立方程式で2つの式をひくと b が消えて「y の増加量=a×x の増加量」になるので、a を求める計算は変化の割合の計算と同じ。ちがうのは書き方で、変化の割合の方法は a を先に直接求め、連立方程式の方法は2つの式を立ててから解く。
数学ではどう考える?
- 2点で1本に決まる:x 座標のちがう2点 (p, s)、(q, t) を通る直線は、ただ1本ある。式でいうと、a=(t-s)÷(q-p)、b=s-ap と、a と b がただ1つに決まる。ただし、s=t(2点の y 座標が同じ)のときは a=0 になり、直線は x 軸に平行な y=s で、1次関数ではない(解説6の y=k)。
- x 座標が同じ2点:(2, 1) と (2, 5) のように x 座標が同じ2点を通る直線は、y 軸に平行な直線 x=2 になる。この直線は1次関数のグラフではないので、y=ax+b の形では表せない(連立方程式も解けない)。解説6で、この直線をくわしく見るよ。
- 1点だけでは決まらない:点 (3, 1) を通る直線は、傾きを変えればいくらでもある。y=ax+b に x=3、y=1 を入れた 1=
3a+ は、a と b の組がたくさんある式(2元1次方程式)なんだ。b - 傾きだけでも決まらない:傾きが同じ直線は、切片 b がいくらでも選べる。条件が2つそろって、はじめて1本に決まる。
次は、2x+y=5 のような「方程式」とグラフのつながりを見ていこう。連立方程式の解が、グラフのどこに見えるかがわかるよ。
この解説で、できるようになったこと
- 傾きと通る1点から、1次関数の式を求められる
- 通る2点から、変化の割合を使って・連立方程式を使って、式を求められる
- 2つの求め方を比べて、場面に合う方を選べる