解説 4 /全7

1次関数のグラフ

y=2x+3 のグラフは、
y=2x のグラフとどんな関係?

中1では、比例 y=ax のグラフが原点を通る直線になることを学んだね。1次関数 y=ax+b のグラフは、どんな形になるかな。b は、グラフのどこに現れるんだろう。

1. 点をとって調べる

1次関数 y=2x+3 のグラフを調べよう。y=ax+b で a=2、b=3 の場合だね。比例 y=2x の値といっしょに表にしてみるよ。

x -3 -2 -1 0 1 2
2x -6 -4 -2 0 2 4
2x+3 -3 -1 1 3 5 7

どの x でも、2x+3 の値は 2x の値より 3 大きいね。では、グラフではどうなるかな。予想してから、図を動かしてみよう。

予想y=2x+3 のグラフは、y=2x のグラフをどう動かしたもの?

y=2x のグラフを上に 3 だけ動かすxyy=2xy=2x+3+3-4-3-2-1123-8-6-4-2246810O
  1. まず、y=2x のグラフ(点線)。原点を通る直線だね。x=-2、-1、0、1 の点をとったよ。
  2. それぞれの点を、上に 3 ずつ動かす。x が同じで y が 3 大きい点、つまり y=2x+3 の点(白い点)になる。
  3. 白い点をつなぐと、y=2x と平行な直線になる。これが y=2x+3 のグラフ。

予想白い点をつなぐと、どんな線になる?

発見y=2x+3 のグラフは、y=2x のグラフを、y 軸の正の方向に 3 だけ平行移動した直線。

y=2x のグラフ上のどの点も、y 座標を 3 だけ大きくすると、y=2x+3 のグラフ上の点になる。すべての点が同じだけ上にずれるので、まっすぐな線は、まっすぐなまま平行に動くんだ。

このことは、どんな1次関数でもいえるよ。

ポイント1次関数 y=ax+b のグラフは、比例 y=ax のグラフを、y 軸の正の方向に b だけ平行移動した直線。

b が負の数なら、下に動かすことになる。たとえば y=2x-4 のグラフは、y=2x のグラフを下に 4 だけ平行移動した直線だよ。「y 軸の正の方向に -4 だけ平行移動する」と言ってもいい。

2. 傾きと切片

グラフの上で、a と b がどこに見えるかを確かめよう。

b は、y 軸との交点に現れる。 y=ax+b に x=0 を入れると、y=a×0+b で y=b。だから、グラフはかならず点 (0, b) を通る。この点は y 軸の上にあるね。y=ax+b のグラフが y 軸と交わる点の y 座標 b を、グラフの切片というよ。

a は、直線の傾きぐあいに現れる。 解説3で、1次関数の変化の割合はいつも a だと学んだね。グラフでいうと、「右へ 1 進むと、上へ a 進む」。右へ 2 進めば上へ 2a、右へ 3 進めば上へ 3a。どこで調べても同じ割合で上がるから、グラフはまっすぐな線になる。この a を、直線の傾きというよ。

a が負の数のグラフで、切片と傾きを1歩ずつ確かめてみよう。

y=-2x+3 のグラフの切片と傾きxy+1-2+1-2-3-2-11234-5-4-3-2-112345O(3, -3)
  1. x=0 のとき y=3。グラフは y 軸上の点 (0, 3) を通る。この 3 が切片。
  2. x が 0 から 1 に増えると、y は 3 から 1 へ。右へ 1 進むと、下へ 2 進む。
  3. x が 2 から 3 に増えるときも、y は -1 から -3 へ。ここでも右へ 1 進むと下へ 2。どこでも同じだけ下がる。
  4. 点 (0, 3) を通り、右へ 1 進むと下へ 2 進む、右下がりの直線。点 (3, -3) も通る。傾きは -2。

予想x が 2 から 3 に増えるとき、y はどう変わる?

発見y=-2x+3 のグラフは、点 (0, 3) を通り、右へ 1 進むと下へ 2 進む直線。切片は 3、傾きは -2。

ポイント1次関数 y=ax+b のグラフは、傾きが a、切片が b の直線。

ここで、3つの言葉が同じ数 a を指していることを確かめておこう。

見る所 呼び方 y=2x+3 では
式 x の係数 a 2
表 変化の割合 2
グラフ 傾き 2

式・表・グラフのどこから見ても、a は「x が 1 増えるときの y の増え方」なんだ。

3. 傾きで決まること

傾き a を見ると、直線のようすがわかるよ。「右へ 1 進むと上へ a」を思い出して、予想してみよう。

予想次の直線のうち、いちばん急な右下がりの直線はどれ?

b の符号も、グラフの位置に現れる。b>0 なら y 軸と原点より上で交わり、b<0 なら原点より下で交わる。b=0 なら原点を通る(比例)。だから、グラフを見れば a と b の符号がわかるよ。たとえば、右下がりで、y 軸と原点より上で交わる直線なら、a<0、b>0 だね。反対に、式を見れば、かく前にグラフのおおよその形が予想できる。y=-3x-2 なら、右下がりで、y 軸と原点より下の (0, -2) で交わる直線だ。

傾きが同じで切片がちがう直線をならべると、平行な直線が何本もできるよ。

傾きが 1/2 で、切片がちがう3本の直線y=(1/2)x+3、y=(1/2)x、y=(1/2)x-2 のグラフ。3本とも傾きが 1/2 で平行。y 軸と交わる点が (0, 3)、(0, 0)、(0, -2) とちがう。xyy=(1/2)x+3y=(1/2)xy=(1/2)x-2-4-3-2-11234-4-3-2-1123456O

3本とも傾きは 1/2 で、y 軸と交わる所(切片)だけがちがう。どれも y=12x のグラフを上下に平行移動したものだね。反対に、切片が同じで傾きがちがう直線は、みんな y 軸上の同じ点 (0, b) を通って、ちがう向きにのびていく。

4. グラフのかき方

1次関数のグラフは直線だから、通る点が2つわかればかける。いちばん使いやすいのは、切片と傾きを使う方法だよ。

  1. 切片 b から、点 (0, b) をとる。
  2. そこから、傾き a を使って、右へ 1 進んで上へ a 進んだ点をとる(a が負なら下へ)。a が分数なら、分母の数だけ右へ進むと、座標が整数の点が見つかる。
  3. 2つの点を通る直線をひく。

例題1 y=23x+1 のグラフをかこう。

y=ax+b とくらべると、傾き a=2/3、切片 b=1。傾きが分数のときは、「右へ 1 進むと上へ 2/3」だと、目もりの上に点がとれない。そこで、「右へ 3 進むと上へ 2」と考えるよ。

y=(2/3)x+1 のグラフのかき方xy+3+2-4-3-212345-3-2-11234O(3, 3)
  1. 切片は 1。まず、y 軸上の点 (0, 1) をとる。
  2. 傾きは 2/3。右へ 1 だと上へ 2/3 で目もりにのらないので、右へ 3 進んで、上へ 2 進む。
  3. 着いた点は (3, 3)。
  4. 2点を結んだ直線が y=(2/3)x+1 のグラフ。反対向きに左へ 3、下へ 2 進んだ点 (-3, -1) も通っているね。

予想(0, 1) から右へ 3、上へ 2 進んだ点は?

発見点 (0, 1) から、右へ 3、上へ 2 進んだ点 (3, 3) を通る。2点を結ぶと、y=(2/3)x+1 のグラフになる。

かけたら、もう1点で確かめよう。点 (0, 1) から左へ 3、下へ 2 進んだ点 (-3, -1) も、グラフの上にあるはずだね。式に x=-3 を入れると y=23×(-3)+1=-1。合っている。

例題2 y=-3x+5 のグラフをかこう。

切片は 5 だから、点 (0, 5) をとる。傾きは -3 だから、そこから右へ 1、下へ 3 進んで点 (1, 2)。さらに右へ 1、下へ 3 で点 (2, -1)。3点が一直線に並んでいれば、正しくかけているよ。

例題3 y=-12x-2 のグラフをかこう。

切片は -2 だから、点 (0, -2) をとる。傾きは -1/2。分母が 2 なので「右へ 2 進むと、下へ 1」と考えて、点 (2, -3) をとる。反対向きに「左へ 2 進むと、上へ 1」で点 (-2, -1) も通る。傾きが負の分数のときは、右へ進むなら下へ、左へ進むなら上へ、と向きをそろえよう。

かくときに、よく起きるまちがいが2つあるよ。

かいたグラフが正しいか迷ったら、グラフの上の点を1つ選んで、その座標を式に入れてみよう。等式が成り立てば正しくかけている。

切片が大きすぎたり分数だったりして y 軸の上にとりにくいときは、x に計算しやすい数を2つ入れて、2点をとってもいい。たとえば y=12x+52 なら、x=1 のとき y=3、x=-1 のとき y=2 で、点 (1, 3) と (-1, 2) を結べばいい。

やってみよう

次の1次関数の傾きと切片を言って、グラフが通る点を2つ見つけよう。方眼紙にかいてみてもいいよ。

  1. y=-x+4
  2. y=32x-2
  3. y=4x

答え:1. 傾き -1、切片 4。点 (0, 4) から右へ 1、下へ 1 で (1, 3)。2. 傾き 3/2、切片 -2。点 (0, -2) から右へ 2、上へ 3 で (2, 1)。3. 傾き 4、切片 0(比例)。原点から右へ 1、上へ 4 で (1, 4)。

5. 変域のあるグラフ

場面の1次関数では、x の変域が決まっていることが多い。そのときのグラフは、直線の一部分(線分)になるよ。

例題4 y=2x+1(-1≦x<2)のグラフと、y の変域を考えよう。

x=-1 のとき y=2×(-1)+1=-1、x=2 のとき y=2×2+1=5。グラフは、点 (-1, -1) から点 (2, 5) までの線分になる。x=-1 はふくむので、はしの点は ●(ぬりつぶす)。x=2 はふくまないので、はしの点は ○(ぬかない)。

y=2x+1(-1≦x<2)のグラフ点 (-1, -1) から点 (2, 5) までの線分。x=-1 の はしは ●(ふくむ)、x=2 の はしは ○(ふくまない)。xy(-1, -1)(2, 5)-4-3-2-11234-2-1123456O

傾きが正なので、x が増えると y も増える。だから、y の変域は x の変域の両はしの値で決まって、-1≦y<5。y=5 はふくまないことに気をつけよう。

傾きが負のときは、注意がいるよ。y=-2x+3(-1≦x≦2)なら、x=-1 のとき y=-2×(-1)+3=5、x=2 のとき y=-2×2+3=-1。x が増えると y はへるので、x の左はしで y がいちばん大きく、右はしでいちばん小さくなる。y の変域は -1≦y≦5。「x=-1 のときの値が左、x=2 のときの値が右」と機械的にならべて「5≦y≦-1」と書かないように、小さい方から書こう。グラフを思いうかべると、まちがえにくいよ。

1次関数のグラフはまっすぐなので、y がいちばん大きく(小さく)なるのは、かならず変域の両はしだよ(そのはしを変域にふくむとき。例題4のように x=2 をふくまないときは、y は 5 に近づくけれど 5 にはならない)。中3で学ぶ y=x2 のグラフは曲がっているので、途中でいちばん小さくなることがある。この点も、1次関数のよい性質なんだ。

まとめ

  • 1次関数 y=ax+b のグラフは、y=ax のグラフを y 軸の正の方向に b だけ平行移動した直線。
  • b を切片という。グラフは点 (0, b) で y 軸と交わる。
  • a を傾きという。右へ 1 進むと上へ a 進む。傾き=変化の割合=x の係数 a。
  • a>0 なら右上がり、a<0 なら右下がり。a が同じで b がちがう直線は平行(b も同じなら同じ直線)。
  • グラフは、切片の点から傾きを使ってもう1点をとり、2点を結んでかく。

どう考えた?

y=-2x+3 のグラフのかき方を、「切片」と「傾き」という言葉を使って説明してみよう。

説明の例を見る

切片が 3 なので、まず y 軸の上の点 (0, 3) をとる。傾きが -2 なので、そこから右へ 1 進んで下へ 2 進んだ点 (1, 1) をとる。この2点を通る直線をひく。確かめとして、さらに右へ 1、下へ 2 進んだ点 (2, -1) も直線の上にあるか見る。

数学ではどう考える?
  • グラフが直線になるわけ:y=ax+b のグラフ上の2点を P、Q とすると、P から Q までの「たての増え方÷横の増え方」は、変化の割合なので、どの2点を選んでもいつも a。3点 P、Q、R をとると、P から Q へ向かう向きと、Q から R へ向かう向きが同じになるので、3点は一直線に並ぶ。どの点をとっても同じなので、グラフ全体が1本の直線になる。
  • ちがう見方:y=2x+3=2(x+3/2) なので、y=2x+3 のグラフは y=2x のグラフを x 軸の負の方向に 3/2 だけ平行移動したものともいえる。直線は、ある方向への平行移動を別の方向の平行移動で言いかえられる。この単元では、b がそのまま見える「y 軸の方向に b」の見方を使うよ。
  • 1次関数のグラフにならない直線:1次関数のグラフは、傾き a≠0 なので、x 軸に平行にはならない。また、どの x にも y がただ1つ決まるので、y 軸に平行にもならない。x 軸や y 軸に平行な直線は、解説6で見る y=k、x=h のグラフだよ。
  • 傾きと切片の書き方:y=(2/3)x+1 のように分数の傾きを書くときは、x を分子に書いて y=2x/3+1 としても同じ意味。

次は、グラフや条件から1次関数の式を求める方法を見ていこう。わからない a と b を、何で決めるかがポイントだよ。

この解説で、できるようになったこと

  • 1次関数のグラフが直線になり、傾きが a、切片が b であることを説明できる
  • 切片と傾きを使ってグラフをかける
  • グラフの傾きと切片を読んで、式を求められる

問題で確かめよう

前の単元・次の単元

  1. 前に学ぶ単元比例と反比例、1次方程式
  2. いまの単元1次関数(中2)
  3. 次に学ぶ単元関数 y=ax²

関連する単元

分野のつながりは ④関数 のページで見られるよ。