解説 6 /全7

方程式とグラフ

2x+y=5 を成り立たせる (x, y) は、
グラフのどこに並ぶ?

中2の連立方程式で、2x+y=5 のような「文字が2つある1次方程式」を学んだね。この方程式の解は1組ではなかった。解をぜんぶ点にしてみたら、何が見えるかな。

1. 方程式の解を点にする

x と y の2つの文字をふくむ1次方程式を、2元1次方程式というよ(「元」は、方程式にふくまれる、わからない数(文字)の種類のこと。x と y の2種類だから「2元」)。2x+y=5 は2元1次方程式だね。

この方程式を成り立たせる x と y の値の組(解)は、たくさんある。たとえば、

x を決めるごとに y が1つ決まるね。整数でなくても、x=0.5 のとき y=4 のように、解はいくらでもある。これらの解 (x, y) を、座標平面の点にしてみよう。点をとる前に、予想してね。

予想2x+y=5 の解 (x, y) を、座標平面の点にしていくと、どう並ぶ?

2x+y=5 の解を座標とする点xy-3-2-112345-2-112345678O(0, 5)(1, 3)(2, 1)(3, -1)(-1, 7)
  1. 解 (0, 5) と (1, 3) を点にする。
  2. 解 (2, 1)、(3, -1)、(-1, 7) も点にする。一直線に並んでいるように見えるね。
  3. x=0.5 のとき y=4、x=1.5 のとき y=2。整数でない解(白い点)も、同じ線の上に並ぶ。
  4. 解をぜんぶ点にすると、すきまなく並んで1本の直線になる。これが方程式 2x+y=5 のグラフ。

予想解をぜんぶ点にすると、どうなる?

発見2元1次方程式 2x+y=5 の解を座標とする点は、1本の直線の上に並ぶ。この直線を、方程式 2x+y=5 のグラフという。

方程式のグラフとは、「その方程式を成り立たせる (x, y) を座標とする点を、ぜんぶ集めたもの」のことだよ。反対に、グラフの上の点の座標は、どれも方程式を成り立たせる。

2. y について解くと1次関数

どうして直線になるのかな。2x+y=5 を y について解いてみよう。2x を右辺に移項すると、

y=-2x+5

これは、傾き -2、切片 5 の1次関数の式だね。方程式 2x+y=5 のグラフは、1次関数 y=-2x+5 のグラフと同じ直線なんだ。「x を決めると y がただ1つ決まる」という見方をすると、2元1次方程式は、y の係数が 0 でないとき、y を x の関数として表している式とみることができる。

ポイント2元1次方程式は、y の係数が 0 でないとき、y について解くと1次関数の式(x の係数も 0 なら y=k の式)になる。そのグラフは直線。

例題1 方程式 3x-2y=6 のグラフの傾きと切片を求めよう。

y について解くよ。3x を移項して -2y=-3x+6、両辺を -2 でわって、

y=32x-3

傾きは 3/2、切片は -3。両辺を -2 でわるとき、右辺の2つの項の両方をわることに気をつけよう。-3x を -2 でわると 32x、6 を -2 でわると -3 だね。

グラフを速くかくには、x 軸・y 軸との交点を使う方法もあるよ。方程式に x=0 を入れると y 軸との交点、y=0 を入れると x 軸との交点がわかる。

3x-2y=6 のグラフを、軸との交点でかくxy-2-112345-5-4-3-2-11234O(0, -3)(2, 0)
  1. x=0 を入れると、-2y=6 で y=-3。y 軸との交点は (0, -3)。
  2. y=0 を入れると、3x=6 で x=2。x 軸との交点は (2, 0)。
  3. 2点を結ぶと、方程式 3x-2y=6 のグラフ。傾きは 3/2、切片は -3 になっているね。

予想3x-2y=6 に y=0 を入れると、x は?

発見3x-2y=6 に x=0 を入れると y=-3、y=0 を入れると x=2。2点 (0, -3)、(2, 0) を結ぶと、方程式のグラフになる。

y について解かなくても、2点がすぐに見つかる。係数が大きくて y について解くと分数になるときに便利だよ。

グラフの上の点の座標を求めるときも、方程式に入れればいい。3x-2y=6 のグラフ上で x 座標が 4 の点なら、3×4-2y=6 から -2y=-6、y=3 で、点 (4, 3)。y について解いた式 y=32x-3 に x=4 を入れても、y=32×4-3=3 で同じになるね。

y について解くときは、符号に気をつけよう。3x-2y=6 の 3x を右辺に移項すると -3x。そのあと両辺を -2 でわるので、-3x は 32x に、6 は -3 になる。「y=(3/2)x+3」や「y=-(3/2)x-3」としてしまうのは、どちらか一方の符号だけを変えたときに起きるまちがいだよ。できた式に、見つけた点 (2, 0) を入れて確かめると気づける。

3. y=k と x=h のグラフ

2元1次方程式で、x の係数や y の係数が 0 のときを考えよう。

x の係数が 0 のとき:たとえば 0x+2y=6、つまり 2y=6 で y=3。x がどんな値でも y=3 だから、グラフは点 (-2, 3)、(0, 3)、(4, 3) … を通る、x 軸に平行な直線になる。

x を決めると、y は 3 にただ1つ決まる。だから y は x の関数ではある。でも、y=0x+3 と見ると a=0 なので、1次関数ではないよ(1次関数は a≠0)。

y の係数が 0 のとき:たとえば 2x+0y=4、つまり 2x=4 で x=2。こんどは y がどんな値でも、x は 2。グラフはどんな形になるかな。

y=3 と x=2 のグラフxyy=3x=2-3-2-112345-3-2-112345O(2, 4)(2, -1)
  1. y=3 のグラフ。x がどんな値でも y は 3。点 (0, 3) を通り、x 軸に平行な直線。
  2. x=2 を成り立たせる点をとる。(2, -1)、(2, 0)、(2, 4)…。x はいつも 2 で、y はいろいろな値になる。
  3. 点を集めると、点 (2, 0) を通り、y 軸に平行な直線。これが x=2 のグラフ。

予想x=2 を成り立たせる点を、ぜんぶ集めると?

発見x=2 のグラフは、点 (2, 0) を通り、y 軸に平行な直線。y=3 のグラフは、点 (0, 3) を通り、x 軸に平行な直線。

では、x=2 は、y を x の関数として表しているかな。「x を決めると y がただ1つ決まる」かどうかを考えて、予想してみよう。

予想方程式 x=2 について、正しいのはどれ?

x=2 のグラフの上には、(2, -1)、(2, 0)、(2, 4) … と、x=2 に対して y の値がいくつもある。「x を決めると y がただ1つ決まる」になっていないね。だから、y は x の関数ではない。

ポイント方程式 y=k のグラフは点 (0, k) を通り x 軸に平行な直線、方程式 x=h のグラフは点 (h, 0) を通り y 軸に平行な直線。x=h は、y を x の式で表せないので、1次関数ではない。

反対に、2点から直線の式を求めてみよう。式を求めるときは、いつものように y=ax+b とおくところから始めるよ。

2点 (-2, -4)、(5, -4) を通る直線なら、y=ax+b とおいて2点の座標を入れると、-4=-2a+b(①)と -4=5a+b(②)。②-① をすると 0=7a で、a=0。①に入れて b=-4。式は y=0x-4、つまり y=-4。y 座標がどちらも -4 だから、グラフを見ても y=-4 だとわかるね。a=0 なので、1次関数ではない。

2点 (-3, 1)、(-3, 5) を通る直線ではどうなるかな。y=ax+b とおいて2点の座標を入れると、1=-3a+b と 5=-3a+b。右辺はまったく同じ式なのに、左辺は 1 と 5。どんな a と b を選んでも、2つの式が両方とも成り立つことはない。つまり、この直線は y=ax+b の形では表せないんだ。この直線の上の点は、どれも x 座標が -3 なので、式は x=-3。変化の割合を求めようとしても、x の増加量が 0 になって、わり算ができない。これも、x=h の直線が y=ax+b で表せないことを示しているよ。

まとめると、2元1次方程式のグラフは、いつも直線になる。そのうち、y について解けるもの(y の係数が 0 でないもの)は y を x の関数とみることができ、x の係数も 0 でなければ1次関数になる。x=h の形のものは、直線ではあるけれど関数を表してはいない。

4. 連立方程式の解と交点

2つの2元1次方程式を組にしたものが、連立方程式だったね。

x+y=5 …①

2x-y=1 …②

①のグラフも②のグラフも直線。2本の直線をかいてみよう。

x+y=5 と 2x-y=1 のグラフの交点xyx+y=52x-y=1-2-112345-3-2-11234567O(2, 3)
  1. x+y=5 を y について解くと y=-x+5。傾き -1、切片 5 の直線。
  2. 2x-y=1 を y について解くと y=2x-1。傾き 2、切片 -1 の直線。
  3. 2本の直線は、点 (2, 3) で交わる。x=2、y=3 は、どちらの方程式も成り立たせる。

予想2本の直線の交点の座標は?

発見2本の直線は、点 (2, 3) で交わる。連立方程式 x+y=5、2x-y=1 の解は x=2、y=3。交点の座標と、連立方程式の解は同じ。

なぜ同じになるのかな。①のグラフの上の点は、①を成り立たせる (x, y) だった。②のグラフの上の点は、②を成り立たせる (x, y)。2本の直線の交点は、両方のグラフの上にあるから、①と②の両方を成り立たせる。これが連立方程式の解なんだ。

ポイント2直線の交点の座標は、2つの直線の式を組にした連立方程式の解。

例題2 2直線 y=2x+1 と y=-x+7 の交点の座標を求めよう。

交点は (2, 5)。y=… の形の式が2つあるときは、y どうしを等しいとおく代入法が速いよ。

例題3(加減法で) 2直線 3x+2y=7、x-2y=5 の交点の座標を求めよう。

ax+by=c の形のままなら、加減法が速いよ。2つの式をたすと、2y と -2y が消えて 4x=12、x=3。x=3 を x-2y=5 に入れると 3-2y=5、-2y=2、y=-1。交点は (3, -1)。確かめると、3×3+2×(-1)=7、3-2×(-1)=5 で、どちらの式も成り立つね。

例題4(軸に平行な直線との交点) 直線 y=2x-3 と直線 y=5 の交点を求めよう。

y=5 のグラフの上の点は、どれも y 座標が 5。だから交点は、y=2x-3 で y=5 になる点だね。5=2x-3 から 2x=8、x=4。交点は (4, 5)。同じように、直線 x=-1 との交点なら、x=-1 を入れて y=2×(-1)-3=-5 で、(-1, -5)。軸に平行な直線との交点は、わかっている方の座標を代入するだけで求められるよ。

例題5(グラフでは読めない交点) 2直線 y=x+1 と y=-2x+3 の交点を求めよう。

x+1=-2x+3 から 3x=2、x=23。y は y=23+1=53。交点は (2/3, 5/3)。

グラフをかいて交点を読もうとしても、2/3 や 5/3 は目もりの上にないので、正確には読めない。グラフは「どのあたりで交わるか」を見るのに向いていて、正確な座標は連立方程式で計算する。図と式の、それぞれのよさだよ。

やってみよう

自分で解いてから、下の答えを見てね。

  1. 方程式 x-3y=6 を y について解いて、グラフの傾きと切片を求めよう。
  2. 直線 y=3 と直線 y=-2x+7 の交点を求めよう。
  3. 直線 y=x+2 と直線 2x+y=11 の交点を求めよう。

答え:1. -3y=-x+6 の両辺を -3 でわって y=13x-2。傾き 1/3、切片 -2。2. 3=-2x+7 から x=2。交点は (2, 3)。3. y=x+2 を 2x+y=11 に代入して 2x+(x+2)=11、3x=9、x=3。y=3+2=5。交点は (3, 5)。確かめ:2×3+5=11。

まとめ

  • 2元1次方程式の解を座標とする点は、1本の直線の上に並ぶ。この直線を方程式のグラフという。
  • y の係数が 0 でなければ、y について解くと y=(x の式)になり、y を x の関数とみることができる。x の係数も 0 でなければ1次関数。
  • y=k のグラフは x 軸に平行な直線、x=h のグラフは y 軸に平行な直線。x=h は1次関数ではない(関数でもない)。
  • 2直線の交点の座標は、2つの式を組にした連立方程式の解。

どう考えた?

連立方程式の解が、2本の直線の交点の座標になるのはなぜかな。「グラフの上の点」という言葉を使って説明してみよう。

説明の例を見る

方程式のグラフの上の点の座標は、その方程式を成り立たせる x と y の組になっている。2本の直線の交点は、2本のグラフの両方の上にある点なので、その座標は2つの方程式の両方を成り立たせる。2つの方程式を両方とも成り立たせる x と y の組が連立方程式の解なので、交点の座標は連立方程式の解になる。

数学ではどう考える?
  • 2元1次方程式のグラフはいつも直線:y=ax+b の a・b と区別するため、方程式の係数を p・q・r として、px+qy=r(p と q の少なくとも一方は 0 でない)と書くよ。q≠0 なら y=-(p/q)x+r/q と変形できて、傾き -p/q、切片 r/q の直線。q=0 なら x=r/p で、y 軸に平行な直線。
  • 関数を表す式とみる:q≠0 のとき、x を決めると y がただ1つ決まるので、px+qy=r は y を x の関数として表す式とみることができる。さらに p≠0 なら1次関数、p=0 なら y=k(1次関数ではない関数)。q=0 のとき(x=h)は、1つの x に y がいくらでも対応するので、y は x の関数ではない。
  • 交点がない・交点が決まらない場合:y=2x+1 と y=2x-3 のように傾きが同じで切片がちがう2直線は平行で、交わらない。このとき連立方程式には解がない(計算すると 0x=-4 のようになる)。また、2x+y=5 と 4x+2y=10 は同じ直線を表すので、交点が1つに決まらず、解は無数にある。中学の連立方程式では、解がただ1組になる場合を扱うことが多いよ。

次は、いよいよ身のまわりの場面を1次関数で考えよう。料金プランの比較や、2人が出会う時刻も、交点を使えば求められるよ。

この解説で、できるようになったこと

  • 2元1次方程式を y について解いて、グラフの傾きと切片を求められる
  • y=k・x=h のグラフが、軸に平行な直線になることを説明できる
  • 2直線の交点の座標を、連立方程式を解いて求められる

問題で確かめよう

前の単元・次の単元

  1. 前に学ぶ単元比例と反比例、1次方程式
  2. いまの単元1次関数(中2)
  3. 次に学ぶ単元関数 y=ax²

関連する単元

分野のつながりは ④関数 のページで見られるよ。