解説 6 /全8
反比例:y=a/x とおく
面積が 12 cm² の長方形。
横の長さを2倍にしたら、縦の長さはどうなる?
比例では、x が2倍になると y も2倍になったね。長方形の面積を変えないまま、横をのばしたら、縦はどうなるかな?
1. 面積が決まった長方形
面積がいつも 12 cm² になる長方形を、いろいろ作ってみよう。横の長さを x cm、縦の長さを y cm とするよ。
横が 1 cm なら、縦は 12 cm。横の長さを決めると、縦の長さがただ1つに決まるから、y は x の関数だね。横を2倍、3倍にしたら縦はどうなるか、予想しながら表にしていこう。
- 横 1 cm なら縦 12 cm。横を 2 cm に2倍にすると、縦は 6 cm。1/2倍になったね。
- 横が 2 cm から 6 cm に3倍になると、縦は 6 cm から 2 cm。1/3倍になる。
- 横が 3、4、12 cm なら、縦は 4、3、1 cm。どの長方形も、横×縦=12 になっている。
予想横を 1 cm から 2 cm に2倍にすると、縦は何 cm になる?
予想横が 2 cm から 6 cm に3倍になると、縦は何 cm?
発見x が2倍、3倍になると、y は 1/2倍、1/3倍になる。どの組でも、x×y はいつも 12。
横の長さを2倍にすると、縦の長さは 1/2倍になる。これが冒頭の問いの答えだよ。面積は変わらないから、横がのびた分だけ、縦がちぢむんだ。
今度は、表をたてに見て、x×y を計算してみよう。
| x | 1 | 2 | 3 | 4 | 6 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| y | 12 | 6 | 4 | 3 | 2 | 1 |
| x×y | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
どの列でも、x×y は 12。長方形の面積は 横×縦 だから、面積のきまりどおりの結果だね。じつは、この「x×y がいつも同じ数になる」ことが、反比例のいちばん大事な性質なんだ。
x×y=12 を、y について表すと、y=12÷x。わり算は分数で書くから、
y=
面積が 12 cm² でなく、20 cm² でも 7 cm² でも、式の形は同じで、分子の数が変わるだけ。そこで、この数を a とおいて、
y=
と書く。これが反比例の式だよ。
ポイントy が x の関数で、y=
反比例の比例定数 a は、x×y の値になっている。長方形の例では、a=12 は面積だね。比例の a が「y÷x」だったのと、くらべてみよう。
場面の中の反比例では、a は「全体の量」になっていることが多いよ。
- 面積 12 cm² の長方形の、横 x cm と縦 y cm → a=12(面積)
- 1200 m の道のりを歩くときの、分速 x m とかかる時間 y 分 → a=1200(道のり)
- 60 個のあめを x 人で同じ数ずつ分けるときの、1人分 y 個 → a=60(あめの全部の数)
比例の a が「1あたりの量」になることが多かったのと、くらべてみてね。全体の量が決まっていて、それを「いくつ分」に分けると「1つ分」が決まる。これが反比例の場面の形なんだ。
2. x が負の数のとき、x=0 のとき
中学校では、反比例も負の数まで広げるよ。y=
- x が正の数のところは、小学校と同じ。6÷1=6、6÷2=3、6÷3=2。
- x=-2 なら、6÷(-2)=-3。x が負の数のときは、y も負の数。x が -1 から -2 に2倍になると、y は -6 から -3 に 1/2倍。
- x=0 のときは、6÷0 になってしまう。0 でわる計算はできないので、y はない(× の印)。反比例では、x=0 は考えないんだ。
予想y=6/x で、x=-2 のとき、y はいくつ?
発見x が負の数になっても、x×y はいつも 6 で、x が2倍になると y は 1/2倍になる。x=0 のときの y はない。
x=-2 のとき、y=
x=0 のときは、y の値がない。y=
もう1つ、y も 0 にはならない。y=0 だとすると、x×0=0 で、6 にならないからだ。このことは、次の解説7でグラフを見るときに大切になるよ。
x が分数や小数のときも、同じように y が求められる。
- x=1/2 のとき、y=
6÷12= 12 - x=0.1 のとき、y=
6÷0.1= 60
x が正の数のまま 0 に近づくほど、y はどんどん大きくなる。x が負の数のまま 0 に近づくときは、y は負の数で、その絶対値がどんどん大きくなる(x=-0.1 のとき y=-60)。どちらの場合も、x がぴったり 0 になることはないんだ。
3. 比例定数が負の数のとき
a が負の数の反比例も考えてみよう。y=
x が負の数のとき
| x | -4 | -3 | -2 | -1 |
|---|---|---|---|---|
| y | 3 | 4 | 6 | 12 |
x が正の数のとき
| x | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| y | -12 | -6 | -4 | -3 |
x が正の数なら y は負の数、x が負の数なら y は正の数。符号が反対になるね。どの列でも、x×y は -12 になっているよ。
ここで、「x が増えると、y はどうなるか」を考えてみよう。
予想y=-6/x で、x が 1 から 3 に増えると、y はどうなる?
y=
小学校では、反比例を「一方が増えると、もう一方が減る関係」と覚えた人もいるかもしれない。でも、それが言えるのは、
- 比例定数 a が正の数で、
- x が正の数だけ(または、負の数だけ)の範囲で考えるとき
なんだ。a が負の数なら、x の符号が同じ範囲では、x が増えると y も増える。
ただし、a が正の数でも負の数でも、x が 0 をまたぐと話が変わる。たとえば y=
ポイント反比例かどうかを決めるのは「増えるか、減るか」ではなく、「x×y が一定か」(y=
4. 比例と反比例を見分ける
「x が増えると y が減る」だけでは、反比例とはいえない。次の問いで確かめてみよう。
予想次のうち、y が x に反比例するのはどれ?
3つの場面を、式で表してみよう。
- 道のりと速さと時間:速さ×時間=道のり だから、x×y=18。y=
18x と表せるので、反比例。速さを2倍にすると、かかる時間は 1/2倍になるね。 - ペンの代金:y=
80x 。y÷x がいつも 80 だから、比例。 - 残りのカード:x+y=20 で、y=
20- 。x が増えると y は減るけれど、x×y は 2×18=36、4×16=64 とばらばら。だから反比例ではない。比例でもないよ。x
比例と反比例を、表にまとめておこう。
| 比例 | 反比例 | |
|---|---|---|
| 式 | y= |
y= |
| いつも同じになるもの | y÷x(=a) | x×y(=a) |
| x が2倍、3倍になると | y は2倍、3倍 | y は 1/2倍、1/3倍 |
| x=0 のとき | y=0 | y の値はない |
表を見て見分けるときは、y÷x と x×y の両方を計算してみるのがいちばん確かだよ。どちらかが、どの列でも同じ数になっていれば、その関係だとわかる。
やってみよう
次の表で、y は x に比例する? 反比例する? どちらでもない? y÷x と x×y を計算して調べよう。
(ア)
| x | 1 | 2 | 4 | 8 |
|---|---|---|---|---|
| y | 16 | 8 | 4 | 2 |
(イ)
| x | -2 | -1 | 1 | 2 |
|---|---|---|---|---|
| y | 6 | 3 | -3 | -6 |
(ウ)
| x | 1 | 2 | 3 | 4 |
|---|---|---|---|---|
| y | 5 | 4 | 3 | 2 |
答え
(ア)x×y がどれも 16 だから反比例。式は y=16/x。
(イ)y÷x がどれも -3 だから比例。式は y=-3x。x が増えると y は減るけれど、比例だね。
(ウ)y÷x も x×y もばらばらだから、どちらでもない。x が増えると y は減るけれど、反比例ではないよ(y=6-x)。
5. y=a/x とおいて、式を求める
反比例の問題も、「y=
例題1 負の数の反比例
y は x に反比例し、x=4 のとき y=-6 です。x=-3 のときの y の値を求めなさい。
- おく:x と y は問題文のとおり。y は x に反比例するから、y=
ax とおく。 - 入れる:x=4、y=-6 を代入すると、-6=
a4 。 - 求める:両辺に 4 をかけて、a=
-6×4= 。反比例では a=x×y だから、はじめから x と y をかけて求めてもいいよ。-24 - 式にする:y=
-24x 。 - 使う:x=-3 を代入すると、y=
-24-3= 。8 - 確かめる:x×y を計算すると、(-3)×8=
-24 。はじめの組の 4×(-6)=-24 と同じになったね。
答え y=8
「-24÷(-3)」の符号をまちがえて -8 にしやすいので、注意しよう。負の数÷負の数は正の数だよ。この例題は、問題集の 反比例の式 001 にあるよ。
例題2 速さと時間
家から図書館まで、分速 60 m で歩くと 20 分かかります。同じ道を分速 80 m で歩くと、何分かかりますか。
- 図:わかっている組は「分速 60 m → 20 分」、求めるのは「分速 80 m → ? 分」。
- おく:歩く速さを分速 x m、かかる時間を y 分とする。道のりが同じだから、速さ×時間 はいつも同じ。y は x に反比例するので、y=
ax とおく。 - 入れる:x=60、y=20 を代入すると、20=
a60 。 - 求める:両辺に 60 をかけて、a=
20×60= 。a は、家から図書館までの道のり 1200 m だね。1200 - 式にする:y=
1200x 。 - 使う:x=80 を代入すると、y=
120080= 。15 - 確かめる:80×15=
1200 で、道のりと合う。速く歩くほど時間が短くなるので、20 分より短い 15 分は、大きさもおかしくない。
答え 15 分
例題3 y から x を求める
y は x に反比例し、x=-3 のとき y=4 です。y=-2 となる x の値を求めなさい。
- おく:y は x に反比例するから、y=
ax とおく。 - 入れる:x=-3、y=4 を代入すると、4=
a-3 。 - 求める:両辺に -3 をかけて、a=
4×(-3)= 。-12 - 式にする:y=
-12x 。 - 使う:y=-2 を代入すると、-2=
-12x 。x は 0 ではないので、両辺に x をかけてよい。-2x=-12 を解いて、x=6。 - 確かめる:x×y を計算すると、6×(-2)=
-12 。比例定数と同じだね。
答え x=6
「使う」は、x×y=a を使って、x×(-2)=-12 から x=6 と求めることもできるよ。
まとめ
- y が x の関数で、y=
ax (a は 0 でない定数)で表されるとき、y は x に反比例するという。a を比例定数という。 - 反比例では、x×y がいつも a になる。x が2倍、3倍になると、y は 1/2倍、1/3倍になる。
- x=0 は考えない(0 でわれない)。また、y が 0 になることもない。
- 「x が増えると y は減る」のは、a が正の数で、x の符号が同じ範囲のときだけ。
- 反比例の式は、y=
ax とおき、1組の x・y を入れて a を求める(a=x×y)。
どう考えた?
比例と反比例を、表を見て見分ける方法を説明してみよう。
説明の例を見る
表の x と y で、y÷x と x×y を計算してみる。どの列でも y÷x が同じ数になれば比例で、その数が比例定数。どの列でも x×y が同じ数になれば反比例で、その数が比例定数。「x が増えると y が減る」だけでは、反比例とはいえない(y=20-x のように、どちらでもない関係もある)。
数学ではどう考える?
- 反比例の定義:y が x の関数で、y=
ax (a は 0 でない定数)と表されるとき、y は x に反比例するという。x の変域には 0 をふくめない。 - 1/n倍になる理由:x を n 倍(n は 0 でない数)した nx を入れると、y=a÷(nx)=(1/n)×(a÷x)。もとの y の 1/n倍になる。n が負の数でも同じで、x を -2 倍すると、y は -1/2 倍になる。
- x×y が一定:y=
ax の両辺に x をかけると xy=a。反対に、x が 0 でないどの組でも xy が同じ数 a なら、y=ax と表せる。 - 逆向きに見ると:xy=a を x について解くと x=
ay 。だから、y が x に反比例するとき、x も y に反比例し、比例定数は同じ a のまま。比例のとき(比例定数が 1/a に変わった)とのちがいだね。 - 比例との関係:y=
ax は、y=a×(1/x) とも書ける。つまり、反比例は「y が、x の逆数 1/x に比例する」関係だともいえるよ。
次は、反比例 y=
この解説で、できるようになったこと
- 反比例の式 y=a/x と比例定数の意味を説明できる
- 表から x×y を調べて、反比例かどうかを判断できる
- 1組の x・y から反比例の式を求められる