解説 4 /全8
座標:点の場所を2つの数で
数直線では、1つの数で場所を表した。
平面の上の場所は、どう表す?
比例の x と y の組を「点」にして並べると、グラフができるよ。そのために、平面の上の場所を数で表す方法を知っておこう。これが「座標」だよ。
1. 1つの数では、平面の場所は決まらない
正負の数で使った数直線を思い出そう。数直線の上なら、「3」と言えば、0 から右へ 3 の場所が1つに決まる。「-2」なら、0 から左へ 2 の場所だね。数直線の上の場所は、1つの数で表せた。
では、ノートのような平面の上ではどうだろう。「基準の点から右へ 3」とだけ言われても、その点の上のほうかもしれないし、下のほうかもしれない。右へ 3 の所を通るたての線の上なら、どこでも当てはまってしまうね。
平面の上の場所を1つに決めるには、「横にどれだけ」と「たてにどれだけ」の2つの数が必要なんだ。
教室の座席を思いうかべてみよう。「前から3列目で、窓から2番目の席」と言えば、席が1つに決まる。「3列目」だけでは、どの席かわからないね。これと同じで、平面の上の点も、2つの数の組で表すよ。
地図でも同じ考え方が使われている。地球の上の場所は、北や南へどれだけかを表す「緯度」と、東や西へどれだけかを表す「経度」の2つの数で表せる。カーナビやスマートフォンの地図が現在地を示せるのも、場所を2つの数の組として扱っているからだよ。
2. x軸・y軸・原点
横と、たての2本の数直線を、0 の所で直角に交わらせよう。
- 横の数直線を x軸(横軸)という。右が正の向き。
- たての数直線を y軸(縦軸)という。上が正の向き。
- 2本の軸が交わる点を 原点 といい、O で表す。
x軸と y軸を決めた平面を、座標平面 というよ。この平面の上で、原点から点 P まで動いてみよう。
- 出発は、x軸と y軸が交わる点。この点を原点といって、O で表すよ。
- まず、横(x軸にそって)に動く。右へ 3。これが x 座標の 3 だよ。
- 次に、たて(y軸にそって)に動く。下へ 2 だから -2。この点が P(3, -2) だよ。
- 今度は Q(-4, 3)。原点にもどって、x 座標が -4 だから左へ 4。
- y 座標が 3 だから上へ 3。ここが Q(-4, 3)。負の数は、左や下の向きを表しているんだね。
予想右へ 3 進んだあと、下へ 2 進んだ点の座標は?
発見平面の上の点の場所は、原点から「横にどれだけ」と「たてにどれだけ」の2つの数の組で表せる。右と上は正の数、左と下は負の数で表す。
点 P は、原点から右へ 3、下へ 2 の所にあったね。このとき、
- 3 を点 P の x 座標、-2 を点 P の y 座標 という。
- 2つを組にした (3, -2) を点 P の 座標 といい、P(3, -2) と書く。
ポイントx 座標と y 座標の組 (x 座標, y 座標) を、その点の座標という。点 P の座標が (3, -2) であることを、P(3, -2) と書く。
点 Q(-4, 3) は、原点から左へ 4、上へ 3 の所だった。x 座標の -4 の「-」は、「左へ」という向きを表しているんだ。数直線の負の数と同じ考え方だね。
原点 O の座標は、横にもたてにも動かないから (0, 0) だよ。
3. 点をとる・点の座標を読む
座標から点をとるときは、次の順に進もう。
- 原点から、x 座標の数だけ横に進む(正の数なら右、負の数なら左)。
- そこから、y 座標の数だけたてに進む(正の数なら上、負の数なら下)。
- 着いた所に点をかく。
反対に、かいてある点の座標を読むときは、点から x軸と y軸へ、それぞれ垂直に線をひく。x軸に届いた所の目もりが x 座標、y軸に届いた所の目もりが y 座標だよ。
点がどこにあるかは、x 座標と y 座標の符号を見るだけでも、だいたいわかる。次の問いで予想してから、図を動かしてみよう。
予想x 座標が正の数で、y 座標が負の数の点は、どこにある?
- A(2, 4):原点から右へ 2、上へ 4。点から軸へ点線をひくと、x軸の 2、y軸の 4 に届くね。
- B(-3, 2):左へ 3、上へ 2。x 座標が負の数の点は、y軸より左にあるよ。
- C(-3, -2):左へ 3、下へ 2。x 座標も y 座標も負の数の点は、左下にあるね。B とは、x軸をはさんで向かい合う位置だよ。
- D(4, 0):右へ 4、上にも下にも動かない。y 座標が 0 の点は、x軸の上にあるよ。
- E(0, -4):横には動かず、下へ 4。x 座標が 0 の点は、y軸の上にあるよ。
予想点 D(4, 0) は、どこにある?
発見x 座標が負の数の点は y軸より左、y 座標が負の数の点は x軸より下にある。y 座標が 0 の点は x軸の上、x 座標が 0 の点は y軸の上にある。
座標平面は、2本の軸で4つの部分に分かれる。それぞれの部分の点の、x 座標と y 座標の符号をまとめておこう。
| 場所 | x 座標 | y 座標 | 例 |
|---|---|---|---|
| 右上 | 正の数 | 正の数 | A(2, 4) |
| 左上 | 負の数 | 正の数 | B(-3, 2) |
| 左下 | 負の数 | 負の数 | C(-3, -2) |
| 右下 | 正の数 | 負の数 | P(3, -2) |
軸の上にある点は、4つの部分のどこにも入らない。D(4, 0) は x軸の上、E(0, -4) は y軸の上だね。「0 はどこに進む?」と迷ったら、「その向きには動かない」と考えよう。
やってみよう
次の点は、右上・左上・左下・右下のどこにあるかな。軸の上にある点は、x軸の上か y軸の上かを答えよう。
- (5, -1)
- (-2, -6)
- (0, 3)
- (-4, 0)
- (-1, 7)
答え
1. 右下(x 座標が正の数、y 座標が負の数)
2. 左下(どちらも負の数)
3. y軸の上(x 座標が 0)
4. x軸の上(y 座標が 0)
5. 左上(x 座標が負の数、y 座標が正の数)
4. 順番をまちがえない
座標は、いつも (x 座標, y 座標) の順、つまり (横, たて) の順に書く。
(2, 5) と (5, 2) は、同じ2つの数を使っているけれど、ちがう点だよ。(2, 5) は右へ 2、上へ 5。(5, 2) は右へ 5、上へ 2。場所がまったくちがうね。
「横が先」というのは、みんなで決めた約束なんだ。2つの数を組にするとき、どちらを先に書くかをそろえておかないと、同じ (2, 5) を見ても、人によってちがう場所を思いうかべてしまう。約束をそろえるから、座標で場所を伝え合えるんだよ。
約束だから、反対の順に決めることもできたはずだね。それでも、x を横の軸にとって、その x を先に書くのには、使いやすいわけがあるよ。解説1で、「x の値を決めると、y の値がただ1つ決まる」のが関数だったね。先に決めるのが x、それにつれて決まるのが y。関数のグラフをかくときは、先に決める x を先に、それで決まる y を後に書く。こうしておくと、表の上の行(x)と下の行(y)を、そのままの順で組にするだけで点がとれるんだ。このあとの例題1で、実際にやってみよう。
もう1つ気をつけたいのが、目もり1つ分の大きさ。この解説のここまでの図では、目もり1つ分が 1 だった。でも、グラフによっては、y軸の目もり1つ分が 2 や 3、4、5 のこともある(解説2の針金のグラフは 4、このあとの例題1のグラフは 2。解説5・8 のグラフにも出てくるよ)。点を読む前に、軸にかいてある数を見て、目もり1つ分がいくつかを確かめよう。
迷ったら、「横に歩いてから、エレベーターでたてに動く」と考えてみて。まず横(x)、次にたて(y)の順番だよ。
5. 比例の式から、点をとる
座標を使うと、比例の x と y の組を、平面の上の点として表せる。ここでも出発点は「y=
例題1 式を求めて、点をとる
y は x に比例し、x=1 のとき y=-2 です。x が -2、-1、0、1、2 のときの x と y の組を、座標平面の上に点で表しなさい。
- おく:y は x に比例するから、y=
ax とおく。 - 入れる:x=1、y=-2 を代入すると、-2=
a×1 。 - 求める:a=
-2 。x=1 のときの y が、そのまま a になるね。 - 式にする:y=
-2x 。 - 使う:x に -2、-1、0、1、2 を入れて、y を求める。
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 |
|---|---|---|---|---|---|
| y | 4 | 2 | 0 | -2 | -4 |
たとえば x=-2 のときは、y=
- 表の x=-2、y=4 の組を点にすると、(-2, 4)。左へ 2、上へ 4 の点だよ。
- (-1, 2) と (0, 0) もとる。(0, 0) は原点だね。
- (1, -2) と (2, -4) もとる。5つの点が、左上から右下へ並んだ。
- 5つの点は、1本のまっすぐな線の上にあるように見える。本当にそうなるのかは、次の解説5で確かめよう。
予想5つの点は、どのように並んでいる?
- 確かめる:原点以外の4つの点で、y÷x を計算すると、どれも -2 になる。たとえば (-2, 4) なら 4÷(-2)=
-2 。比例定数と同じだね。
5つの点は、まっすぐに並んでいるように見えるね。点の数をもっとふやすとどうなるかは、次の解説5で確かめよう。
例題2 点が式に合うかを調べる
3つの点 (3, -6)、(-4, 8)、(5, -12) のうち、x 座標と y 座標の組が、式 y=-2x に合う点はどれですか。
- 使う:それぞれの点の x 座標を y=
-2x に入れて、y を計算する。- (3, -6):y=
-2×3= 。y 座標と同じだから、合う。-6 - (-4, 8):y=
-2×(-4)= 。y 座標と同じだから、合う。8 - (5, -12):y=
-2×5= 。y 座標の -12 とちがうから、合わない。-10
- (3, -6):y=
- 確かめる:y÷x でも調べられる。(-6)÷3=
-2 、8÷(-4)=-2 は比例定数と同じ。(-12)÷5=-2.4 はちがう。
答え (3, -6) と (-4, 8)
式に合う点を全部集めたものが、その式のグラフになる。グラフは「式に合う x と y の組の集まり」を目に見えるようにしたものなんだ。
例題3 点の座標から比例定数を求める
点 (4, 6) は、y が x に比例する関係の、x と y の組を表しています。この関係で、x 座標が -2 である点の座標を求めなさい。
- おく:y は x に比例するから、y=
ax とおく。 - 入れる:点 (4, 6) の x 座標 4 を x に、y 座標 6 を y に代入すると、6=
a×4 。座標の前の数が x、後ろの数が y だよ。 - 求める:4a=
6 。両辺を 4 でわって、a=6÷4= 。32 - 式にする:y=
32x 。 - 使う:x=-2 を代入すると、y=
32×(-2)= 。点の座標は (-2, -3)。-3 - 確かめる:(-3)÷(-2)=
32 で、比例定数と同じ。a が正の数だから、x 座標が負の数なら y 座標も負の数で、点は左下にある。場所も合っているね。
答え (-2, -3)
座標の組を式に入れるときに、x と y を逆にすると、4=
まとめ
- 横の数直線を x軸、たての数直線を y軸、2本の軸が交わる点を原点 O という。
- 平面の上の点は、(x 座標, y 座標) の2つの数の組で表す。これをその点の座標という。
- 座標は (横, たて) の順。(2, 5) と (5, 2) はちがう点。
- x 座標が 0 の点は y軸の上、y 座標が 0 の点は x軸の上。原点は (0, 0)。
どう考えた?
点 (-2, 3) の場所を、座標をまだ知らない人に、言葉で説明してみよう。
説明の例を見る
原点(2本の軸が交わる点)から、まず横に、左へ 2 進む。そこから、たてに、上へ 3 進んだ所が点 (-2, 3)。x 座標の -2 は「左へ 2」、y 座標の 3 は「上へ 3」を表している。
数学ではどう考える?
- 順序のある組:座標 (a, b) は、「どちらが先か」に意味がある2つの数の組(順序対)だよ。(a, b) と (c, d) が同じ点になるのは、a=c かつ b=d のときだけ。
- 平面のすべての点に、座標がただ1つ:座標平面の上のどの点にも、座標がただ1つ決まる。反対に、どんな数の組 (a, b) にも、点がただ1つ決まる。点と数の組が、1対1に対応しているんだ。
- 向かい合う点:点 (a, b) と、x軸について向かい合う点は (a, -b)、y軸について向かい合う点は (-a, b)、原点について向かい合う点は (-a, -b)。たとえば B(-3, 2) と C(-3, -2) は、x軸について向かい合っている。
- 4つの部分の名前:軸で分けた4つの部分には、右上から左回りに「第1象限」「第2象限」「第3象限」「第4象限」という名前もある(高校でよく使う名前だよ)。
- 座標のはじまり:平面の上の点を数の組で表し、図形を式で調べる考え方は、17世紀のフランスのデカルトやフェルマーが広めたといわれている。
次は、比例 y=
この解説で、できるようになったこと
- x軸・y軸・原点・座標の意味を説明できる
- 座標が与えられた点をとり、点の座標を読める
- x 座標と y 座標の順番をまちがえずに書ける