解説 5 /全8

比例のグラフ

y=2x の点を、どんどん細かくとっていくと、
どんな形が見えてくる?

解説4では、y=-2x の5つの点が、まっすぐ並んでいるように見えたね。点のあいだにも、点はあるのかな? 点をふやしていって、確かめてみよう。

1. 点をふやしていく

比例 y=2x で、x が -3 から 3 までの整数のときの y を求めると、次の表になる。

x -3 -2 -1 0 1 2 3
y -6 -4 -2 0 2 4 6

表の x と y を組にして、座標平面の上に点をとっていこう。そのあと、x=0.5 や x=1.5 のような、整数のあいだの x でも点をとってみるよ。

y=2x の点をふやしていくxyy=2x+1+2-3-2-1123-6-4-2246O
  1. x が -3 から 3 までの整数のとき、表の組を点にしたよ。7つの点がまっすぐ並んでいるね。
  2. x=0.5、1.5、2.5、-0.5……のときの点(白い点)もとった。やっぱり同じ線の上に並ぶ。
  3. もっと細かく、すきまなく点をとっていくと、点がつながって、原点を通る1本の直線になる。これが y=2x のグラフだよ。
  4. x が 1 増えると、y は 2 増える。グラフのどこで調べても同じだから、かたむきが変わらない、まっすぐな線になるんだ。

予想もっと細かく、すきまなく点をとっていくと、どうなる?

発見比例 y=2x のグラフは、原点を通る1本の直線になる。

x は整数だけでなく、0.5 でも、1.25 でも、どんな数でもとれる。そのたびに y=2x で y が決まり、点が1つできる。点のあいだを、さらに点がうめていくので、最後はすきまのない1本の線になるんだ。この線が、y=2x のグラフだよ。

では、どうして曲がらずに、まっすぐなのかな。

表を横に見ると、x が 1 増えるごとに、y はいつも 2 ずつ増えている。x が 0.5 増えれば、y は 1 増える。グラフのどこで調べても、「右へ 1 進むと、上へ 2 上がる」という同じ割合で進んでいく。進む割合がずっと変わらないから、向きが変わらず、まっすぐな線になるんだ。

そして、x=0 のとき y=2×0=0 だから、グラフは必ず原点 (0, 0) を通る。

ポイント比例 y=ax のグラフは、原点を通る直線である。

小学6年でも、比例のグラフは「0 の点を通る直線」だったね。そのときは x も y も 0 以上の部分(右上)だけだった。中学校では、x が負の数の部分まで、原点をこえて直線がのびていく。

2. a の符号とグラフの向き

a がいろいろな数のとき、グラフはどう変わるかな。y=2x のグラフに、ほかの比例のグラフを1本ずつ重ねていくよ。

a の符号と大きさによる、比例のグラフのちがいxyy=2xy=(1/2)xy=-2xy=-(1/2)x-3-2-1123-6-4-2246O
  1. y=2x のグラフ。x が 1 増えると y は 2 増える。左下から右上へのぼる直線で、これを「右上がり」というよ。
  2. y=(1/2)x のグラフ(点線)。x が 1 増えると y は 1/2 増える。同じ右上がりでも、a が小さいので、かたむきはゆるやか。
  3. y=-2x のグラフ。x が 1 増えると y は 2 減る。左上から右下へ下がる直線で、これを「右下がり」というよ。
  4. y=-(1/2)x のグラフ(点線)。ゆるやかな右下がり。a の符号でかたむきの向きが、a の絶対値でかたむきの急さが決まるね。

予想y=-2x のグラフは、どうなると思う?

発見a が正の数なら右上がり、a が負の数なら右下がりの直線になる。a の絶対値が大きいほど、かたむきは急になる。

y=ax では、x が 1 増えると、y は a だけ変わる。

たとえば y=-2x では、x が 1 増えると、y は 2 減る(「-2 増える」と言ってもいいね)。

式 a グラフ x が増えると
y=2x 正の数 右上がり(急) y は増える
y=12x 正の数 右上がり(ゆるやか) y は増える
y=-2x 負の数 右下がり(急) y は減る
y=-12x 負の数 右下がり(ゆるやか) y は減る

かたむきの急さは、a の絶対値で決まる。y=2x と y=-2x は、向きは反対だけれど、急さは同じ。どちらも、右へ 1 進むと、たてに 2 動くからね。y=(1/2)x は、右へ 1 進んでも、たてに 1/2 しか動かないので、ゆるやかになる。

とくに、a=1 の y=x は、(1, 1)、(2, 2)、(-3, -3) のように、x 座標と y 座標が同じ点を通る直線になる。a=-1 の y=-x は、(1, -1)、(-2, 2) のように、x 座標と y 座標の符号が反対の点を通る。a が 1 より大きいと y=x より急に、0 と 1 の間だと y=x よりゆるやかになるよ。

この「かたむき」は、中学2年の1次関数で「傾き」という名前で、くわしく学ぶよ。

反対に、グラフが直線でも、原点を通らなければ比例のグラフではない。たとえば、x=0 のとき y=1 になる直線は、原点 (0, 0) を通らないので、y=ax の形では表せない。このような直線は、中学2年で y=ax+b として学ぶよ。

3. 比例のグラフをかく

比例のグラフは原点を通る直線だから、原点ともう1つの点がわかれば、定規で直線をひいてかける。もう1つの点は、x 座標も y 座標も整数になる点(目もりの交わる点)を選ぶと、正確にかけるよ。

例題1 式を求めて、グラフをかく

y は x に比例し、x=6 のとき y=4 です。この関係のグラフをかきなさい。

y=(2/3)x のグラフのかき方原点 O と点 (3, 2) を通る直線をひく。点 (-3, -2) も同じ直線の上にある。xyy=(2/3)x(-3, -2)-4-3-2-11234-4-3-2-11234O(3, 2)

a が分数のときは、分母の数(やその倍数)を x に選ぶと、y が整数になって、点をとりやすいよ。

原点に近すぎる点を選ぶと、定規を当てたときに少しずれただけで、線の向きが大きく変わってしまう。原点からなるべくはなれた点を選ぶと、正確な直線がひけるよ。

やってみよう

次の比例のグラフをかくとき、原点のほかに、どの点を通ればいいかな。x 座標も y 座標も整数になる点を1つ見つけよう。

  1. y=-4x
  2. y=34x
  3. y=-52x
答えの例

1. x=1 のとき y=-4 だから、点 (1, -4)。
2. 分母の 4 を x に入れると y=3 だから、点 (4, 3)。
3. 分母の 2 を x に入れると y=-5 だから、点 (2, -5)。x=-2 を入れた点 (-2, 5) でもいいよ。

では、グラフの上にある点を見分けられるかな。

予想y=-3x のグラフが通る点はどれ?

点がグラフの上にあるかどうかは、x 座標を式に入れて、y 座標と同じになるかで調べられる。y=-3x に x=1 を入れると y=-3×1=-3。だから (1, -3) はグラフの上にあるね。

4. グラフから式を読む

今度は反対に、グラフから式を求めよう。ここでも出発点は「y=ax とおく」だよ。

例題2 原点を通る直線の式

下のグラフは、原点を通る直線です。このグラフの式を求めなさい。

原点を通る直線から式を読むxy?+2-3-5-4-3-212345-5-4-3-2-112345O(2, -3)(-2, 3)
  1. 直線が、目もりの交わる点を通っているところをさがす。(2, -3) を通っているね。
  2. 原点から右へ 2 進むと、下へ 3 下がる。x が 2 増えると y は 3 減る。だから、y÷x=(-3)÷2=-3/2。
  3. 式が y=-(3/2)x なら、x=-2 のとき y=3。グラフも (-2, 3) を通っている。式とグラフが合ったね。

予想y=-(3/2)x で、x=-2 のときの y は?

答え y=-32x

グラフから点を読むときは、目もりの交わる点を、線がぴったり通っている所を選ぼう。目もりのあいだの点を「だいたい 1.4 くらい」と読むと、正しい a が求められない。

もう1つ気をつけたいのが、目もり1つ分の大きさ。y軸の目もり1つ分が 2 のグラフで、点 (3, 4) を「上へ目もり2つだから (3, 2)」と読んでしまうと、a は 4/3 ではなく 2/3 になってしまう。点を読む前に、軸の数を見て、目もり1つ分がいくつかを確かめよう。この例題は、問題集の グラフから式へ 001 で、7つの段階を1つずつ開きながら解けるよ。

5. 変域のあるグラフ

場面の中の比例では、x がとれる値に限りがあることが多い。そのとき、グラフは直線の一部になるよ。

例題3 水そうに水を入れる

深さ 12 cm の水そうに、からの状態から水を入れます。水の深さは1分間に 3 cm ずつ上がります。水を入れはじめてから x 分後の水の深さを y cm とするとき、y を x の式で表しなさい。また、x の変域と y の変域を求めなさい。

答え y=3x、x の変域 0≦x≦4、y の変域 0≦y≦12

変域のある比例のグラフ(y=3x、0≦x≦4)原点 (0, 0) から点 (4, 12) までの線分。両はしの ● は、その点をふくむことを表す。x=4 より先はグラフがない。x(分)y(cm)y=3x123453691215O(4, 12)

グラフは、原点から点 (4, 12) までの線分になる。両はしの ● は、「その点をふくむ」という印だよ。もし x の変域が 0<x≦4 のように 0 をふくまないなら、原点のところは ○ にする。x=4 より先は、水があふれてしまうので、グラフをかかない。

このように、表・式・グラフは、同じ関係を3つの形で表したものなんだ。比例定数 a は、表では「y÷x」、式では「x の前の数」、グラフでは「右へ 1 進んだときに、たてに動く量」として、3つのどこにも顔を出しているよ。

まとめ

  • 比例 y=ax のグラフは、原点を通る直線である。
  • a>0 なら右上がり(x が増えると y も増える)、a<0 なら右下がり(x が増えると y は減る)。a の絶対値が大きいほど、かたむきは急。
  • グラフは、原点ともう1つの点(x 座標・y 座標が整数の点)を通る直線としてかく。
  • グラフから式を求めるときは、y=ax とおき、目もりの交わる点の座標を代入して a を求める。

どう考えた?

y=3x と y=-3x のグラフは、どこが同じで、どこがちがうかな。説明してみよう。

説明の例を見る

同じところ:どちらも原点を通る直線で、a の絶対値が 3 で同じなので、かたむきの急さも同じ。ちがうところ:y=3x は a が正の数なので右上がり(x が増えると y も増える)、y=-3x は a が負の数なので右下がり(x が増えると y は減る)。2本の直線は、y軸を折り目にして折ると重なる。

数学ではどう考える?
  • まっすぐになる理由:グラフの上の2つの点 (p, ap) と (q, aq)(p≠q)をとると、たての変化は aq-ap=a(q-p)。横の変化 q-p でわると、いつも a になる。どの2点をとっても「横の変化とたての変化の割合」が同じ a なので、すべての点が1本の直線の上に並ぶ。
  • 原点を通る直線は、みな比例のグラフか:原点を通る直線のうち、y軸(たての直線)は、x=0 に y がたくさん対応するので、関数のグラフではない。x軸は y=0(a=0)なので、比例とはいわない。それ以外の、原点を通る直線は、どれも y=ax(a≠0)のグラフになっている。
  • x が n 倍のとき:比例の「x が n 倍なら y も n 倍」は、グラフでは「点 (x, y) が直線の上にあれば、点 (nx, ny) も同じ直線の上にある」ということ。n が正の数なら原点から同じ側に、n が負の数なら原点をはさんだ反対側に、その点があるよ。
  • 次の単元へ:中学2年では、y=ax+b のグラフを学ぶ。それは、y=ax のグラフを、たてに b だけずらした直線になる。比例は、b=0 のときの特別な場合だよ。

次は、反比例 y=ax を学ぶよ。比例とは、x と y の変わり方が、どうちがうかな。

この解説で、できるようになったこと

  • 比例のグラフが原点を通る直線になる理由を説明できる
  • a の符号と大きさから、グラフのようすを予想できる
  • グラフが通る点から、比例の式を求められる

問題で確かめよう

前の単元・次の単元

  1. 前に学ぶ単元文字の式 準備中
  2. いまの単元比例と反比例(中1)
  3. 次に学ぶ単元1次関数

関連する単元

分野のつながりは ④関数 のページで見られるよ。