解説 7 /全8
反比例のグラフ
y=6/x の点をつないでいくと、どんな形になる?
グラフは、原点を通る?
比例のグラフは、原点を通る直線だったね。反比例のグラフも、まっすぐになるのかな? x=0 のときの y はなかったけれど、グラフではどうなるんだろう。
1. 点をとって、つないでみる
y=
| x | 1 | 1.5 | 2 | 3 | 4 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| y | 6 | 4 | 3 | 2 | 1.5 | 1 |
表の x と y を組にして、座標平面に点をとっていくよ。x が負の数のときの点も、あとでとってみよう。
- x が正の数で、y が整数になる組 (1, 6)、(2, 3)、(3, 2)、(6, 1) を点にしたよ。まっすぐには並んでいないね。
- (1.5, 4)、(4, 1.5)、(1.2, 5)、(5, 1.2) もとった(白い点)。点と点のあいだにも、点をとっていくよ。
- 点をすきまなくとると、なめらかな曲線になる。x が大きくなるほど x軸に、x が 0 に近づくほど y軸に近づいていくね。
- x が負の数のときは、(-1, -6)、(-2, -3) のように y も負の数。左下にも同じ形の曲線ができる。この2つの曲線で、1つのグラフだよ。
予想点をすきまなくとっていくと、どんな線になる?
予想x が負の数のとき、y=6/x の点はどこにある?
発見反比例 y=
点をすきまなくとると、角のないなめらかな曲線になる。このような、2つの部分に分かれた曲線を双曲線というよ。2つの曲線は別々のグラフではなく、2つ合わせて y=
では、どうして比例のようにまっすぐにならないのかな。x が 1 ずつ増えるときの、y の変わり方を見てみよう。
- x が 1 から 2 になると、y は 6 から 3 へ、3 減る。
- x が 2 から 3 になると、y は 3 から 2 へ、1 減る。
- x が 3 から 4 になると、y は 2 から 1.5 へ、0.5 減る。
比例では、x が 1 増えると y はいつも同じだけ変わったから、直線になった。反比例では、x が 1 増えたときの y の変わり方が、場所によってちがう。x が正の数の範囲では、y の変わり方がだんだん小さくなっていく。最初は急に下がり、だんだんゆるやかになるから、曲がった線になるんだ(x が負の数の範囲では反対に、x が 0 に近づくほど、y の変わり方がだんだん大きくなるよ)。
ポイント反比例 y=
2. 軸にどこまで近づく?
グラフの右のはしを見ると、曲線は x軸にどんどん近づいていた。上のはしでは、y軸に近づいていた。このまま進むと、いつか軸にぶつかるのかな。x をもっと大きくしたり、0 に近づけたりして、調べてみよう。
- x が 1 から 10 に10倍になると、y は 6 から 0.6 に 1/10倍。
- x=100 なら y=0.06。x を 1000、10000 と大きくしても、y は 0.006、0.0006……と、0 に近づくだけで 0 にはならない。
- 反対に、x を 0.1、0.01 と 0 に近づけると、y は 60、600 とどんどん大きくなる。でも、x=0 にはならない(0 ではわれない)。
予想x をどんどん大きくしていくと、y はいつか 0 になる?
予想x を 0.1、0.01 と 0 に近づけていくと、y はどうなる?
発見x を大きくすると、y は 0 に近づくけれど、0 にはならない。x を正の数のまま 0 に近づけると、y はどんどん大きくなるけれど、x は 0 にはならない。
解説6で見たように、y=
- x=0 のときの y はない(0 ではわれない)。だから、グラフは y軸(x 座標が 0 の点の集まり)と交わらない。
- y が 0 になることはない(x×y はいつも 6 だから)。だから、グラフは x軸(y 座標が 0 の点の集まり)と交わらない。
グラフは、x軸にも y軸にも、限りなく近づいていく。でも、決して交わらないし、軸の上にのることもないんだ。
図の中では、曲線は四角いわくのところで切れて見える。でも、それはかいた範囲が決まっているからで、グラフそのものは、わくの外へもずっと続いているよ。
反比例のグラフをかくときは、次のことに気をつけよう。
- 点をいくつもとって、定規を使わず、なめらかな曲線でつなぐ(折れ線にしない)。
- 軸に近づけていくけれど、軸にふれさせない。
- 右上の曲線と左下の曲線を、原点を通ってつながない。
- かく範囲のはしまで、曲線をのばす(途中で止めない)。
点をとるときは、y が整数になる x を選ぶと正確にかけるよ。y=
やってみよう
y=
答えの例
4 をわりきれる x を選ぶと、x が -4、-2、-1、1、2、4 のとき、y は 1、2、4、-4、-2、-1。
a=-4 は負の数なので、x が負の数のとき y は正の数(左上)、x が正の数のとき y は負の数(右下)。グラフは左上と右下の2つの曲線になるよ。
3. a の符号とグラフの位置
a が負の数のとき、グラフはどこにできるかな。y=
- y=6/x(a=6 で正の数)のグラフは、右上と左下の2つの曲線。
- y=-6/x(a=-6 で負の数)のグラフは、左上と右下。x が正の数なら y は負の数、x が負の数なら y は正の数になるからだね。
- (2, 3) と (-2, -3) は、どちらも y=6/x の上。原点をはさんで反対側の、同じ距離にある。グラフは、原点のまわりに半回転させるとぴったり重なる形なんだ。
予想y=-6/x のグラフは、どこにある?
発見a が正の数なら、グラフは右上と左下。a が負の数なら、グラフは左上と右下。どちらも、原点について反対側に同じ形がある。
グラフの場所は、x と y の符号で決まる。
- y=
6x :x が正の数なら y も正の数(右上)、x が負の数なら y も負の数(左下)。 - y=
-6x :x が正の数なら y は負の数(右下)、x が負の数なら y は正の数(左上)。
x が増えるときの y の変わり方も、グラフを見ると確かめられる。ただし、曲線の1つの部分の中で見ることが大切だよ。
| 式 | a | x が正の数の範囲で、x が増えると | x が負の数の範囲で、x が増えると |
|---|---|---|---|
| y= |
正の数 | y は減る | y は減る |
| y= |
負の数 | y は増える | y は増える |
y=
a の絶対値が大きくなると、曲線は原点から遠ざかる。たとえば y=
4. グラフから式を求める
グラフが通る点がわかれば、反比例の式を求められる。ここでも出発点は「y=
予想y=-8/x のグラフが通る点はどれ?
点が y=
例題1 グラフが通る点から式を求める
反比例のグラフが、点 (3, -4) を通っています。このグラフの式を求めなさい。また、このグラフの上にあって、x 座標が -6 である点の y 座標を求めなさい。
- おく:グラフの横の軸を x 軸、たての軸を y 軸とする。反比例のグラフだから、y=
ax とおく。 - 入れる:x=3、y=-4 を代入すると、-4=
a3 。 - 求める:両辺に 3 をかけて、a=
-4×3= 。-12 - 式にする:y=
-12x 。 - 使う:x=-6 を代入すると、y=
-12-6= 。2 - 確かめる:x×y を計算すると、(-6)×2=
-12 で、比例定数と同じ。a が負の数だからグラフは左上と右下にあり、点 (3, -4) は右下、点 (-6, 2) は左上。場所も合っているね。
答え y=
例題2 座標が整数になる点を数える
y は x に反比例し、そのグラフは点 (2, 4) を通ります。このグラフの上の点のうち、x 座標と y 座標がどちらも整数である点は、いくつありますか。
- おく:y は x に反比例するから、y=
ax とおく。 - 入れる:x=2、y=4 を代入すると、4=
a2 。 - 求める:両辺に 2 をかけて、a=
4×2= 。8 - 式にする:y=
8x 。 - 使う:x が整数で、y も整数になるのは、8 が x でわりきれるとき。x=1、2、4、8 と、負の数の x=-1、-2、-4、-8。点は (1, 8)、(2, 4)、(4, 2)、(8, 1)、(-1, -8)、(-2, -4)、(-4, -2)、(-8, -1) の8つ。
- 確かめる:どの点も、x×y=8 になっている。x=0 はもともと考えないので、数に入れない。負の数の点をわすれていないかも確かめよう。
答え 8 個
右上の4つの点と、左下の4つの点は、原点をはさんで向かい合っている。たとえば (2, 4) と (-2, -4) だね。グラフの形が、原点について反対側に同じ形になっているからだよ。
例題3 場面の中の反比例のグラフ
面積が 12 cm² の長方形の、横の長さを x cm、縦の長さを y cm とします。y を x の式で表し、グラフがどの部分にどんな形でできるかを説明しなさい。
- おく:横の長さを x cm、縦の長さを y cm とする。横×縦=面積 がいつも 12 だから、y は x に反比例する。y=
ax とおく。 - 入れる:横 1 cm なら縦 12 cm だから、x=1、y=12 を代入して 12=
a1 。 - 求める:a=
12×1= 。12 - 式にする:y=
12x 。 - 使う:長さは正の数だから、x の変域は x>0。グラフは、y=
12x の右上の曲線だけになる。左下の曲線(x が負の数の部分)は、長方形の場面では使わない。 - 確かめる:たとえば (2, 6)、(3, 4)、(4, 3) は、どれも x×y=12 で、面積 12 cm² の長方形を表している((3, 4) と (4, 3) は、横と縦を入れかえた長方形だね)。横をどんどん長くすると、縦は 0 に近づくけれど、0 にはならない。グラフが x軸にふれないことと合っているね。
答え y=
式だけで考えると x が負の数の部分もあるけれど、場面にもどると、使うのはその一部だけ。これは、解説1で学んだ「変域」の考え方だよ。変域のある場面は、解説8でくわしく使うよ。
5. 比例のグラフとくらべる
比例と反比例のグラフを、表にまとめておこう。
| 比例 y= |
反比例 y= |
|
|---|---|---|
| 形 | 直線 | 2つのなめらかな曲線(双曲線) |
| 原点 | 通る | 通らない |
| x軸・y軸 | 原点で交わる | 近づくけれど、交わらない |
| a>0 のとき | 右上がり(右上と左下を通る) | 右上と左下 |
| a<0 のとき | 右下がり(左上と右下を通る) | 左上と右下 |
| かき方 | 原点ともう1点を通る直線 | 点をいくつもとって、なめらかにつなぐ |
a の符号でグラフの場所が決まるところは、比例も反比例も同じだね。どちらも、a が正の数なら右上と左下、a が負の数なら左上と右下にグラフがある。
場面の中の反比例では、x が正の数だけのことが多い(長さ・速さ・人数など)。そのときは、グラフも右上の曲線の一部だけになるよ。変域のあるグラフは、解説8で使うよ。
まとめ
- 反比例 y=
ax のグラフは、2つのなめらかな曲線(双曲線)になる。 - グラフは x軸・y軸に限りなく近づくが、交わらない。原点も通らない。
- a>0 なら右上と左下、a<0 なら左上と右下にグラフがある。
- グラフが通る点の座標を y=
ax に入れると、a が求められる(a=x 座標×y 座標)。
どう考えた?
y=6/x のグラフが、x軸と交わらないのはなぜかな。説明してみよう。
説明の例を見る
x軸と交わるとすると、その点の y 座標は 0 になる。でも、y=6/x では x×y がいつも 6 だから、y が 0 だと x×y=0 になってしまい、6 にならない。だから y は 0 にならず、グラフは x軸と交わらない。同じように、x=0 のときの y はない(0 でわれない)から、y軸とも交わらない。
数学ではどう考える?
- 双曲線:反比例のグラフのような曲線を、数学では双曲線という。2つの部分に分かれているけれど、全体で1つの曲線と考える。円すいを平面で切った切り口にも現れる曲線だよ。
- 漸近線:グラフが限りなく近づいていく直線(ここでは x軸と y軸)を、高校では漸近線とよぶ。「近づくけれど、交わらない」線だね。
- 原点について対称:点 (p, q) がグラフの上にあれば pq=a。すると (-p)×(-q)=pq=a だから、点 (-p, -q) もグラフの上にある。だから、グラフを原点のまわりに半回転させると、ぴったり重なる。
- 直線 y=x について対称:点 (p, q) がグラフの上にあれば、qp=a だから、x と y を入れかえた点 (q, p) もグラフの上にある。たとえば (2, 3) と (3, 2) だね。反比例では、x と y の役わりを入れかえても、同じ式になるからなんだ。
- なめらかであること:x の値をどんなに細かくとっても、そのたびに y が1つ決まり、その間にとびはない(x=0 をのぞく)。中学では「点をふやすと、なめらかにつながる」と確かめるけれど、このことをきちんと示すには、高校以上の数学を使うよ。
次は、比例と反比例を、歯車・速さ・水そう・てこなどの場面で使ってみよう。比例と反比例のグラフが交わる点も求めるよ。
この解説で、できるようになったこと
- 反比例のグラフが双曲線になることを、点をとって確かめられる
- グラフが x軸・y軸と交わらない理由を説明できる
- グラフが通る点から、反比例の式を求められる