解説 3 /全7
y=ax² のグラフ
y=x² のグラフは、
どんな形になる?
比例のグラフは、原点を通る直線だったね。x が2倍で y が4倍になる関数では、グラフはどんな形になるかな?
1. 点をとってみよう
まず、いちばん基本の y=
表を見ると、おもしろいことに気づくね。x=3 と x=-3 のとき、y はどちらも 9。x=2 と x=-2 も、どちらも 4。符号がちがう x でも、y が同じになっている。3²=9、(-3)²=9 だからだね。
もう1つ。y はどれも 0 以上で、負の数がない。x² は、正の数を2乗しても負の数を2乗しても正の数になり、0 なら 0 だからだよ。
表の x・y の組を座標とする点を、座標平面にとっていこう。点と点のあいだにも、x=0.5 や x=1.5 のときの点がある。点をどんどんふやしていくと、どんな形になるかな。
- x=0、1、2、3 の点をとる。(0, 0)、(1, 1)、(2, 4)、(3, 9)。
- x=-1、-2、-3 の点もとる。(-1, 1)、(-2, 4)、(-3, 9)。右の点と同じ高さで、y 軸をはさんで向かい合う位置だね。
- x=0.5、1.5、2.5 と、その負の数の点もとる。0.5²=0.25、1.5²=2.25、2.5²=6.25。点がすき間をうめていく。
- 点をかぎりなくふやしていくと、なめらかな曲線になる。これが y=x² のグラフだよ。
予想x=0.5 のとき、y=x² の y はいくつ?
予想点をどんどんふやしていくと、どんな形になると思う?
発見点をかぎりなくふやしていくと、y=x² のグラフは、原点を通り、y 軸をはさんで左右が同じ形の、なめらかな曲線になる。
x=0.5 の点 (0.5, 0.25) は、(0, 0) と (1, 1) を結んだ直線よりも下にある。x=1.5 の点 (1.5, 2.25) も、(1, 1) と (2, 4) を結んだ直線より下にある。だから、表の点を直線で結んだ折れ線にはならないんだ。原点のあたりも、とがらずに丸くなっているよ。
2. 放物線・軸・頂点
y=x² のグラフのような曲線を、放物線 というよ。ボールをななめ上に投げたときの道すじが、空気の影響を考えなければこの形になることから、「物を放る(投げる)線」と名づけられたんだ。噴水の水や、バスケットボールのシュートの道すじを思いうかべてみよう。
放物線には、名前のついた所がある。
- 軸:放物線は、ある直線を折り目にして折ると、左右がぴったり重なる。この直線を放物線の軸という。y=ax² のグラフの軸は、y 軸だよ。
- 頂点:放物線と軸が交わる点を、放物線の頂点という。y=ax² のグラフの頂点は、原点だよ。
「y 軸について対称」とは、点 (3, 9) がグラフの上にあれば、y 軸をはさんで反対側の点 (-3, 9) もグラフの上にある、ということ。x の符号を反対にしても y が変わらないから、グラフは y 軸について対称になるんだ。
グラフをかくときは、次のことに気をつけよう。
- 点と点を直線で結ばず、なめらかな曲線でつなぐ。
- 原点のところで、V の字のようにとがらせない。
- 放物線は、かいた範囲の外へもどこまでものびていく。はしで線を止めたり、上を閉じたりしない。
グラフをかく手順も、まとめておこう。
- 式から表をつくる。x は -3 から 3 くらいまで、負の数も入れる。
- 表の点を座標平面にとる。y 軸をはさんで、同じ高さの点がペアでならぶはず。ならばなければ、計算を見直そう。
- 原点を頂点にして、なめらかな曲線でつなぐ。原点の近くはゆるやかに、原点から遠ざかるほど急にする。
x が 0 から遠ざかるほどグラフが急になるのは、x が1増えるごとの y の増え方が、1、3、5、7、… と大きくなっていくからだよ(解説5 でくわしく学ぶよ)。
3. a の値とグラフの形
こんどは、a の値を変えてみよう。a が変わると、放物線の形はどう変わるかな。図を見る前に、予想してみよう。
予想y=
y=
- y=
x2 (a=1)のグラフ。x=2 のとき y=4。 - y=
2x2 (a=2)。同じ x で y が2倍になるので、x=2 のとき y=8。y 軸に近い、細い放物線になる。 - y=
12x2 (a=1/2)。y が半分になるので、x=2 のとき y=2。開き方が大きい、太い放物線になる。
予想y=
発見a が大きいほど、グラフの開き方は小さくなり(y 軸に近い細い形)、a が 0 に近い正の数ほど、開き方は大きくなる(太い形)。
同じ x=2 で見ると、y=
比例のグラフ y=
では、a が負の数ならどうなるだろう。y=
- y=
x2 の上の点 (2, 4) を見よう。 - y=
-x2 では、x=2 のとき y=-(2²)=-4。点 (2, -4) は、(2, 4) と x 軸について対称な位置にある。 - どの x でも、y=-x² の y は y=x² の y と符号が反対。だから y=-x² のグラフは、y=x² のグラフを x 軸で折り返した、下に開いた放物線になる。
予想y=
予想y=
発見y=-x² のグラフは、y=x² のグラフを x 軸で折り返した形で、下に開いた放物線になる。y=ax² と y=-ax² のグラフは、x 軸について対称。
同じ x に対して、y=-x² の y は、y=x² の y と符号が反対。だから、どの点も x 軸について反対側にうつる。y=2x² と y=-2x²、y=(1/2)x² と y=-(1/2)x² も、それぞれ x 軸について対称だよ。
a が負の数のとき、x がどんな数でも y は 0 以下。グラフは、原点をのぞいて x 軸の下にある。開き方は、a の絶対値で決まるよ。y=-2x² は、y=-x² より細い。y=-(1/2)x² は、y=-x² より太い。
4. y=ax² のグラフの特徴
ここまでのことを、まとめておこう。
| a>0 のとき | a<0 のとき | |
|---|---|---|
| 開く向き | 上に開く | 下に開く |
| y の値 | 0 以上(x=0 で最小値 0) | 0 以下(x=0 で最大値 0) |
| x が増えると | x<0 では y は減り、x>0 では y は増える | x<0 では y は増え、x>0 では y は減る |
| 開き方 | a の絶対値が大きいほど小さい | a の絶対値が大きいほど小さい |
どちらのときも、原点を通り(頂点は原点)、y 軸について対称な放物線だよ。
グラフから式を求めるときも、出発点は「y=
例題1 原点を頂点とし、y 軸を軸とする放物線が、点 (3, -18) を通っています。この放物線の式を求めなさい。また、この放物線が点 (-1, -2) を通るかどうか調べなさい。
- おく:原点を頂点とし、y 軸を軸とする放物線だから、y=
ax2 とおく。 - 入れる:x=3、y=-18 を代入して、-18=
a×32 、つまり -18=9a 。 - 求める:両辺を 9 でわって、a=
-18÷9= 。-2 - 式にする:y=
-2x2 - 使う:x=-1 を代入すると、y=
-2×(-1)2= 。y=-2 になるので、点 (-1, -2) を通る。-2×1= -2 - 確かめる:a=-2 は負の数なので、グラフは下に開く。点 (3, -18) は x 軸の下にあるから、下に開く放物線と合っているね。y 軸について対称だから、点 (-3, -18) も通るはず。-2×(-3)2=
-18 で、確かに通るよ。
答え y=
例題2 関数 y=ax² のグラフが、点 (-2, 2) を通るとき、a の値を求めなさい。また、このグラフの上で、x 座標が 4 の点の y 座標を求めなさい。
- おく:y=
ax2 とおく。 - 入れる:x=-2、y=2 を代入して、2=
a×(-2)2 、つまり 2=4a 。 - 求める:a=
2÷4= 12 - 式にする:y=
12x2 - 使う:x=4 を代入して、y=
12×42= 。8 - 確かめる:a が正の数なので上に開く。点 (-2, 2) は x 軸の上にあるので合っている。y 軸について対称だから、点 (2, 2) も通るはず。12×22=
2 で、確かに通るね。
答え a=1/2、y 座標は 8
グラフから通る点を読むときは、x 座標も y 座標も整数の点(格子点)を選ぶと、a を正確に求められるよ。目もり1つ分がいくつかも、先に確かめておこう。
グラフから式を求めるときに、よくあるまちがいも見ておこう。
- 点の座標を (y, x) の順に読んでしまう。座標は (x, y) の順。まず横、次にたてを読もう。
- 下に開いているのに、a を正の数にしてしまう。求めた a の符号が、グラフの開く向きと合っているかを確かめよう。
- 原点 (0, 0) を代入して a を求めようとする。0=
a×02 はどんな a でも成り立つので、a は決まらない。原点ではない点を使おう。
やってみよう
次の4つの関数のグラフについて答えよう。答えは下にあるよ。
ア y=
- (1) 上に開くグラフはどれ?
- (2) 開き方がいちばん小さいグラフはどれ?(2つある)
- (3) x 軸について対称なグラフの組はどれ?
答え
- (1) アとウ(a が正の数)
- (2) アとエ(a の絶対値が 3 で、いちばん大きい)
- (3) アとエ(a が 3 と -3 で、符号だけが反対)
まとめ
- y=ax² のグラフは、原点を通り、y 軸について対称な曲線で、放物線 という。軸は y 軸、頂点は原点。
- a>0 なら上に開き、a<0 なら下に開く。
- a の絶対値が大きいほど、開き方は小さい。
- y=ax² と y=-ax² のグラフは、x 軸について対称。
どう考えた?
y=x² のグラフが y 軸について対称になるのはなぜかな。表や式を使って説明してみよう。
説明の例を見る
x=3 のとき y=9、x=-3 のときも y=9 のように、符号だけがちがう2つの x を入れると、y は同じになる。どんな数でも、その数を2乗しても、符号を反対にした数を2乗しても、同じ値になるからだ。だから、ある点がグラフの上にあれば、y 軸について対称な点もグラフの上にあり、グラフは y 軸について対称になる。
数学ではどう考える?
数学では、次のように考えるよ。
- y=ax² のグラフが y 軸について対称な理由:a×(-p)²=a×p² なので、点 (p, q) がグラフの上にあれば、点 (-p, q) もグラフの上にある。
- y=ax² と y=-ax² が x 軸について対称な理由:同じ x に対して、y の値が ax² と -ax² で、符号だけが反対。だから、点 (p, q) と点 (p, -q) が対応する。
- a>0 のとき、x≠0 なら x²>0 なので ax²>0。y=0 になるのは x=0 のときだけ。だから、グラフは原点をのぞいて x 軸より上にあり、原点がいちばん低い点(頂点)になる。
- 開き方と a:同じ x で、a の絶対値が大きいほど y の絶対値が大きい。y=2x² の点は、y=x² の点をたてに2倍にのばした位置にある。
- 高校では、頂点が原点でない放物線(たとえば y=(x-1)²+3)も学ぶよ。これは、y=x² のグラフを、右へ 1、上へ 3 だけ平行に動かした形なんだ。軸・頂点・対称という見方は、そこでも使われるよ。
次は、x の変域が決まっているとき、y がどこからどこまで動くかを考えよう。
この解説で、できるようになったこと
- y=ax² のグラフが放物線になることを、点をとって確かめられる
- a の符号と大きさから、グラフの開き方を説明できる
- y=ax² と y=-ax² のグラフが x 軸について対称であることを説明できる