解説 4 /全7
変域
x が -2 から 3 まで動くとき、
y=x² は、どこからどこまで動く?
1次関数では、x の変域の両はしの y を計算すれば、y の変域が決まったね。y=x² でも、同じやり方でいいのかな?
1. 両はしだけで考えると…
関数 y=
両はしの y を計算してみると、
- x=-2 のとき y=
(-2)2= 4 - x=3 のとき y=
32= 9
だから、y の変域は 4≦y≦9……と考えたくなるね。本当にそうかな。x を -2 から 3 まで少しずつ動かして、y がどう変わるかを見てみよう。黄色の点が、グラフの上を動いていくよ。x 軸にそってぬった帯が、x の変域だよ。
- x=-2 から出発。x=-1 では y=1。x が 0 に近づくと、y は小さくなっていく。
- x=0 で y=0。ここがいちばん下!
- x=1 で y=1。ここからは、x が大きくなると y も大きくなる。
- x=2 で y=4。
- x=3 で y=9。ここがいちばん上。
- x が -2 から 3 まで動くと、y は 0 から 9 まで動く。y 軸にそってぬった帯が、y の変域 0≦y≦9。両はしの 4 と 9 だけでは決まらないね。
予想x を -2 から 3 まで動かすとき、y がいちばん小さくなるのは?
発見x が -2 から 3 まで動くとき、y はいったん小さくなって x=0 で 0 になり、そのあと大きくなる。y の変域は 4≦y≦9 ではなく、0≦y≦9。
表でも確かめてみよう。x の変域の中の整数で y を計算すると、次のようになる。
| x | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| y | 4 | 1 | 0 | 1 | 4 | 9 |
x=-2 から x=0 までは、x が 0 に近づくので y は小さくなっていく。x=0 で y=0 がいちばん小さい。そこからは y が大きくなって、x=3 で y=9 がいちばん大きい。とちゅうの x=-1 では y=1、x=1 でも y=1 で、4 より小さい値もとっているね。だから「4≦y≦9」はまちがいなんだ。
2. x の変域に 0 をふくむとき
1次関数とくらべてみよう。1次関数 y=
グラフで考えると、y=x² ではそうならない理由がよくわかるよ。y=x² のグラフは、原点がいちばん下の点(頂点)だった。x の変域に 0 をふくむと、グラフのいちばん下の点が、x の変域の中に入ってしまう。だから、y の最小値は両はしではなく、x=0 のときの 0 になるんだ。
y の最大値は、両はしのうち、0 から遠い方で決まる。-2 と 3 では、3 の方が 0 から遠い(絶対値が大きい)ので、x=3 のときの y=9 が最大値だよ。グラフは y 軸について対称だから、0 から遠いほど y が大きくなるんだね。
ポイントy=ax²(a>0)で、x の変域に 0 をふくむとき、y の最小値は 0。最大値は、x の変域の両はしのうち、絶対値が大きい方の y。
変域を求めるときは、いつもグラフをかいてみよう。計算だけでは、0 の所を見落としやすい。グラフは、ていねいでなくてもいい。原点が頂点で、上に開いているか下に開いているかがわかる、だいたいの形で十分だよ。その上に x の変域の両はしをしるして、グラフのどの部分を使うのかを太くなぞろう。なぞった部分の、いちばん下といちばん上を読めば、y の変域になる。
y の変域は、次の順で求めるとまちがえにくいよ。
- 式を求める(y=
ax2 とおいて a を決める)。 - だいたいのグラフをかき、x の変域の部分をなぞる。
- x の変域に 0 をふくむかを確かめる。
- 両はしの y と、0 をふくむなら x=0 のときの y=0 をならべて、いちばん小さい値といちばん大きい値を選ぶ。
- 小さい方から「□≦y≦□」と書く。
3. x の変域に 0 をふくまないとき
x の変域に 0 をふくまないときは、両はしの y だけで決まる。
- 1≦x≦3 のとき:x=1 で y=1、x=3 で y=9。y の変域は 1≦y≦9。
- -3≦x≦-1 のとき:x=-3 で y=9、x=-1 で y=1。
2つ目は、どう書けばいいかな。
予想x の変域が -3≦x≦-1 のとき、y=
x の変域が負の数の所だけのとき、x が大きくなると y は小さくなる(グラフの左半分は右下がり)。だから、x の変域の左はし(x=-3)で y が最大、右はし(x=-1)で y が最小になる。y の変域は、小さい方から書いて 1≦y≦9 だよ。「x の左はしの y を左に書く」のではなく、「y の小さい方を左に書く」んだ。9≦y≦1 と書くと、「9 以上で 1 以下」という、ありえない範囲になってしまうね。
4. a が負の数のとき
a が負の数なら、グラフは下に開く放物線。こんどは頂点の原点が、いちばん上の点になるね。y=
- x=-4 では y=-8。x=-2 では y=-2。x が 0 に近づくと、y は大きくなっていく。
- x=0 で y=0。ここがいちばん上!
- x=2 で y=-2。0 から、また小さくなった。
- y は -8 から 0 まで動く。y の変域は -8≦y≦0。いちばん大きい値は、両はしではなく x=0 のときの 0 だね。
予想x を -4 から 2 まで動かすとき、y がいちばん大きくなるのは?
発見a<0 で x の変域に 0 をふくむときは、y の最大値が 0 になる。y=-(1/2)x² で -4≦x≦2 なら、y の変域は -8≦y≦0。
両はしは、x=-4 で y=
a<0 で x の変域に 0 をふくまないときは、両はしで決まる。たとえば同じ y=
ここまでの4つの場合を、表にまとめておこう。
| x の変域に 0 をふくむ | x の変域に 0 をふくまない | |
|---|---|---|
| a>0(上に開く) | 最小値は 0。最大値は、0 から遠い方のはしの y | 両はしの y で決まる |
| a<0(下に開く) | 最大値は 0。最小値は、0 から遠い方のはしの y | 両はしの y で決まる |
やってみよう
y=
- (1) 1≦x≦2
- (2) -3≦x≦1
- (3) -2≦x≦-1
答え
- (1) 2≦y≦8
- (2) 0≦y≦18(x=0 をふくむ。0 から遠いのは -3 で、y=18)
- (3) 2≦y≦8(x=-2 で y=8、x=-1 で y=2。小さい方から書く)
5. 例題:7つの段階で
例題1 y は x の2乗に比例し、x=2 のとき y=8 です。x の変域が -1≦x≦3 のとき、y の変域を求めなさい。
- おく:y は x の2乗に比例するから、y=
ax2 とおく。 - 入れる:8=
a×22 、つまり 8=4a 。 - 求める:a=
8÷4= 2 - 式にする:y=
2x2 - 使う:両はしの y を求める。x=-1 のとき y=
2×(-1)2= 、x=3 のとき y=2 2×32= 。x の変域に 0 をふくむので、x=0 のときの y=0 が最小値。最大値は、0 から遠い x=3 のときの 18。18 - 確かめる:グラフをかくと、上に開いた放物線の、x=-1 から x=3 までの部分。いちばん下は原点、いちばん上は x=3 の点。合っているね。
答え 0≦y≦18
例題2 関数 y=ax² で、x の変域が -2≦x≦4 のとき、y の変域は 0≦y≦8 です。a の値を求めなさい。
y の変域から、反対に a を求める問題だよ。
- おく:y=
ax2 とおく。y の最小値が 0 で、y は正の値もとるから、a>0(上に開く)だね。 - 入れる:a>0 だから、y が最大になるのは、x の変域の両はしのうち、0 から遠い x=4 のとき。そのとき y=8 だから、8=
a×42 、つまり 8=16a 。 - 求める:a=
8÷16= 12 - 式にする:y=
12x2 - 確かめる:x=-2 のとき y=
12×(-2)2= 、x=4 のとき y=2 12×42= 、x=0 のとき y=0。y の変域は 0≦y≦8 になって、問題と合っているね。8
答え a=1/2
ここで、x=-2 の方に y=8 を入れて 8=
もし x の変域が -4≦x≦2 で、y の変域が同じ 0≦y≦8 だったら、どうなるかな。こんどは 0 から遠いのは -4 の方。だから x=-4 のとき y=8 で、8=
例題3 高さ 45 m の所から、ボールを静かに落とします。落ちはじめてから x 秒間に落ちる距離を y m とすると、y はおよそ 5x² と表されます。ボールが地面に着くまでの、x の変域と y の変域を求めなさい。
場面の問題では、変域は問題文から決まるよ。
- おく:時間を x 秒、落ちた距離を y m として、およそ y=
5x2 (問題文で式がわかっている)。 - 使う:落ちる距離 y は、0 m から 45 m まで。地面に着く時間は、y=45 を入れて 45=
5x2 、x2=9 、x=3、-3。 - 確かめる:x は時間なので x≧0。x=3 を選ぶ。落とした瞬間の x=0 から、地面に着くおよそ x=3 まで。式が「およそ」なので、時間も「およそ3秒」だね。
答え x の変域 およそ 0≦x≦3、y の変域 0≦y≦45
場面の変域は、「時間は負の数にならない」「地面より下には落ちない」ことから決まるんだ。場面では、x の変域をまず決めて、それから y の変域を考えるよ。
まとめ
- y=ax² の y の変域は、グラフをかいて考える。
- x の変域に 0 をふくむとき、a>0 なら y の最小値は 0、a<0 なら y の最大値は 0。
- x の変域に 0 をふくまないときは、両はしの y で決まる。y の変域は、小さい方から書く。
- y の変域から a を求めるときは、どちらの x で最大(最小)になるかを、グラフで確かめてから代入する。
どう考えた?
y=x² で、x の変域が -2≦x≦3 のときの y の変域を「4≦y≦9」と答えた友だちがいる。どこをどう直せばいいか、友だちに説明してみよう。
説明の例を見る
4 と 9 は、x の変域の両はし(x=-2 と x=3)の y の値だね。でも、x が -2 から 3 まで動くとき、とちゅうで x=0 を通る。x=0 のとき y=0 で、これがいちばん小さい値。グラフをかくと、放物線のいちばん下の原点が、x の変域の中に入っているのがわかる。だから、y の変域は 0≦y≦9 になる。
数学ではどう考える?
数学では、次のように考えるよ。
- a>0 のとき、y=ax² は、x≦0 の範囲では x が増えると y は減り、x≧0 の範囲では x が増えると y は増える。どちらの範囲でも、x の絶対値が大きいほど y は大きい。
- だから、a>0 で x の変域が p≦x≦q(p<q)のとき、次のようになる。0≦p なら、y の変域は ap²≦y≦aq²。q≦0 なら、aq²≦y≦ap²。p<0<q なら、最小値は 0、最大値は ap² と aq² の大きい方(p と q で、絶対値が大きい方)。a<0 のときは、大きい・小さいがすべて逆になる。
- x の変域のはしに < があるときは、y の変域のはしがふくまれるかどうかにも気をつけよう。たとえば y=x² で -3<x≦2 なら、x=-3 はふくまれないので、y=9 にはならない(9 にいくらでも近づくけれど、9 にはならない)。x=2 のとき y=4、x=0 のとき y=0 だから、y の変域は 0≦y<9 になる。
次は、y=ax² の「増え方」を、変化の割合で調べよう。
この解説で、できるようになったこと
- x の変域から y の変域を、グラフを使って求められる
- x の変域に 0 をふくむとき、y の変域の求め方が変わる理由を説明できる
- y の変域から a の値を求められる