大石浩之の数学ノート · 数

この記事の単元:正負の数(①数)

ゴルフのスコア計算、−3と+2を足すと?

· 8分で読める · 中学生向け

中学生2人が、ゴルフ場を映したテレビを見ながらノートと鉛筆でスコアの計算を考える架空の学習場面。
記事内容をもとに生成したイメージです。実在の人物・大会会場・競技記録を描いたものではありません。

Q. ゴルフのスコアで、−3と+2を足すとどうなる?

同じ選手の重ならない区間のパーとの差なら、(−3)+(+2)=−1です。数直線で−3から右へ2目盛り進むと−1。全体でパーの合計より1打少ないという意味です。打数そのものが負になるわけではありません。

ゴルフの画面に「−3」、次の区間の成績に「+2」。足すとプラスになるのか、まだマイナスなのか。まず「何の数か」をそろえると、表示の意味まで自分で説明できます。この記事では、パーとの差を足す場面に絞って考えます。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。私は、数学の答えを現実の言葉に戻せることに面白さがあると考えています。ゴルフの経験や用語の知識がなくても大丈夫です。以下の選手・打数・パーは、計算を学ぶための架空の設定です。

1. ゴルフの0は「打っていない」ではない

ゴルフのパーとの差0は、対象となるホールの基準打数と同じ打数だった、という意味です。打数が0だったという意味ではありません。基準より打数が多ければ正、少なければ負で表します。

日本ゴルフ協会(JGA)の「スコアカード[各項目の説明]」は、バーディをパーより1打少ない場合、ボギーを1打多い場合として説明しています。2026年9月26日に確認しました。パー4の架空のホールなら、3打は−1、4打は0、5打は+1となります。

ここで意外なのは、同じ「4打」でも差の符号が変わることです。パー3なら+1、パー4なら0、パー5なら−1です。打数だけを見ても、パーとの差は決まりません。「差=打数−パー」と、引く順番を決めてから読みます。

負の数が良いか悪いかも、数だけでは決まりません。打数の少なさを競う場面では、同じ条件ならパーを下回る成績が有利です。数学の−は「悪い」という評価ではなく、決めた基準より小さいことを表す符号です。

JGAが2026年7月6日に公表した開催概要では、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)のゴルフ競技は9月30日〜10月3日。会場は春日井カントリークラブ東コースです。1日18ホール、4日間72ホールのストロークプレーと記載されています。2026年9月26日に原文を確認しました。

大会の表示を見る前に、まず基準を一つ決める練習をしよう。0の意味が気になるときは、正負の数の教材「0」で、何もない0と基準としての0を考えられます。

時計にも基準からの差があります。日本と英国の時差を数直線で計算する記事では、UTCを0として、日付をまたぐ海外配信の開始時刻まで確かめます。

2. −3から、右に2目盛り進む

前の区間のパーとの差が−3、続く別の区間の差が+2だったとします。二つは重ならない区間です。全体の差を求めるので、−3と+2を足します。答えを見る前に、−3から0へ戻り切るかを予想してみよう。

1目盛りを1打の差とした数直線。0から左へ3進んだ−3を出発点とし、+2を足して右へ2目盛り動くと−1に着く。0まではあと1目盛り残る。
点は累計の場所、矢印は加える差による動き。右ほど数が大きくなります。

数直線の1目盛りを1打の差とします。出発点は−3。+2を足す動きは右へ2目盛りです。−3から−2、−2から−1へ進みます。0まで行くには3目盛り必要なので、2目盛りでは1目盛り足りません。

(−3)+(+2)=−1

答えの−1をゴルフの言葉に戻すと、「二つの区間全体で、パーの合計より1打少ない」です。−3という打数でプレーしたわけではありません。前の区間で基準より3打少なかった分のうち、次の区間の2打多かった分を合わせると、1打少ない分が残ります。

式の括弧は、足す数のまとまりを見せています。−3の−は負の数を示す符号。二つの括弧の間の+は足し算の記号。+2の+は正の数を示す符号です。同じ形の記号でも、「どの数か」と「何をするか」を分けて読みます。

「足したのだからプラスになる」とは限りません。正の数を足したので、−3より大きい−1になりますが、まだ0より小さいままです。「大きくなった」と「正になった」は違います。数直線を歩く教材でも、出発点と動きを分けて確かめられます。

数直線は数の計算を理解するためのモデルです。実際の選手が右や左へ歩いた距離ではなく、球の飛んだ距離でもありません。図の横方向はパーとの差、単位は打です。ゴルフ場の地図として読むことはできません。

3. 打数に戻して、−1を検算する

パーとの差を足した結果は、元の打数を合計してからパーの合計を引いても確かめられます。ここでは架空の前半9ホールをパー36で33打、後半9ホールをパー36で38打とします。大会の実際のコース設定や選手の記録ではありません。

架空の18ホールの検算表。前半はパー36に対して33打で差−3。後半はパー36に対して38打で差+2。合計はパー72に対して71打で差−1となる。
差を足す道と、打数・パーを別々に合計する道が、同じ−1につながります。

前半は33−36=−3。後半は38−36=+2です。打数の合計は33+38=71打、パーの合計は36+36=72打。全体の差は71−72=−1となり、数直線で求めた答えと一致します。今回は整数だけなので、丸める必要はありません。

差を足してよい理由も、この表から読めます。前半と後半それぞれの「実際に数えた打数」から「基準の打数」を引いています。その差を足すことは、全体の打数から全体の基準を引くことと同じです。区間を重ねず、抜かさず集めるのが条件です。

前半と後半のパーが同じ36だから足せる、というわけでもありません。基準の打数が異なる区間でも、それぞれのパーからの差なら合計できます。ただし、打数の合計から引くときは、その二つの区間のパーを合計します。別のコースのパーを持ち込まないようにしよう。

検算では、答えだけでなく単位も確認します。71は打数の合計、72は基準打数の合計、−1はその差です。同じ「打」という単位でも役割が違うため、ノートの列名を残しておくと取り違えを見つけられます。

逆に、すでに18ホール全体を表す−1へ、後半の+2をもう一度足すと、後半を二重に数えてしまいます。足し算そのものが正しくても、使う数字の範囲を間違えると、求めたい合計にはなりません。表の「前半」「後半」「合計」という見出しまで読む必要があります。

違う大きさのお米の袋を比べた1kgあたりの価格の記事でも、数字の基準をそろえました。お米では重さ、今回のゴルフでは対象ホールのパーです。計算する前に「何を基準にした数字か」を書く習慣は、場面が変わっても役に立ちます。

4. スコア表示だけでは分からないこともある

ゴルフのスコアを見るときは、その値が1ホール、1日、競技全体のどれを表しているか確認します。「−3」と「+2」という二つの数だけでは、足してよい組合せかは分かりません。今回の式は、同じ選手の重ならない区間の差を合計する設定です。

画面に累計−3と当日+2が同時に出ていても、その累計に当日の分がすでに含まれている可能性があります。まず欄の説明を読みます。説明が見つからない場合は、その二つを足して新しい累計と断定せず、元のスコア表を確認します。

途中経過では、選手ごとに終えたホール数が違う場合もあります。現在のパーとの差は比較できても、全員が同じ範囲を終えた最終結果ではありません。残りのホールの成績は、この足し算では予測できません。数の大小を比べる練習は、正負の数の大小の教材につながります。

JGAの開催概要では、団体戦は各日3名中2名のベストスコアを合計するとされています。個人の差を足す今回の練習を、そのまま団体全員の単純合計に置き換えることはできません。どの成績を採用するかという競技の条件が別にあるからです。

私はこう考えます。符号だけ読めても、数字を読めたことにはならない。 不動産の金額でも、総額なのか一定の面積あたりなのかで意味が変わります。数字を具体的な量に戻す姿勢を、スポーツの画面でも持ちたいのです。−1なら「どのホール全体で、基準より1打少ないのか」まで戻します。

差の表示は、基準からどれだけ離れたかを短く伝えられるのが良いところです。ただ、私は「マイナスなら良い」とだけ教える説明には迷います。表示を素早く読めても、基準や範囲が抜けるからです。短い説明にする場合も、0の意味だけは省かず残したいと考えます。

スポーツによって差の読み方は変わります。J1の得失点差と総得点を比べる記事では、同じ勝点のときに得失点差の大きい側が上位になる理由を、表と数直線で確かめます。

5. 紙に0を書いて、合計を自分の言葉にする

今日できる確認は、紙に数直線を描き、0の下に「パーとの差」と書くことです。右へ進むほど打数が基準より増える、と決めます。−3の点から右へ2目盛り進んだら、着いた数とその意味を一文で書いてみよう。

書く内容は「出発点は−3」「加える差は+2」「着いた場所は−1」です。続けて「二つの区間を合わせると、パーの合計より1打少ない」と説明します。答えの符号を忘れたときも、0のどちら側に点があるかで確かめられます。

試しに順番を入れ替えて、+2から左へ3目盛り動く図も描けます。到着点は同じ−1です。計算の合計は同じでも、最初の区間の状況は違います。最終的な差だけでは、途中でどんなプレーをしたかまでは分からないことも読み取れます。

実際の表示を使うときは、欄の名前、対象ホール数、パーを先に確認します。計算が止まったら、速く答えることより、どの数を足そうとしているかに戻ろう。競技日程や表示は変更される場合があります。最新の案内は主催者の公表資料で、競技上の扱いは大会の規則や担当者に確認してください。

よくある疑問

ゴルフのマイナスは、打数が負という意味?

負になるのは打数そのものではなく、パーとの差です。架空のパー4のホールを3打で終えた場合、差は3−4=−1。実際の打数は3打です。同じ4打でもパー3なら+1、パー5なら−1になるため、基準も合わせて読みます。差0はパーと同じ打数という意味で、打っていないという意味ではありません。

−3と+2は、どんな場合でも足してよい?

全体の差を求めるなら、同じ選手の重ならない区間の差を足します。前半−3、後半+2なら全体は−1です。ただし、累計の−3に当日の+2がすでに含まれている場合、その二つを足すと二重計算になります。数字の横の欄名を確認し、対象のホールが重なっていないか調べてから計算します。

途中で−3の選手は、+2の選手より必ず上位で終わる?

最終順位までは決まりません。−3は+2より小さい数ですが、途中経過では終えたホール数が違う場合があります。残りのプレーによって差は変わります。画面の値が当日か累計か、何ホール終了時点かを確認して読みます。この記事の足し算はパーとの差の合計を求めるもので、今後の成績を予測する計算ではありません。

参考にした一次資料

資料確認日:2026-09-26。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。