大石浩之の数学ノート · 数
この記事の単元:正負の数(①数)
時差の計算方法、日本と英国の8時間を図で確認

Q. 英国の配信時刻に8時間足せば、日本の時刻になる?
英国の夏時間(BST)中は8時間、標準時(GMT)中は9時間を足します。UTCを0とすると日本は+9、英国は夏+1・冬0。英国から日本へは「日本の差−英国の差」を足し、24時以上なら翌日に直します。2026年は10月25日午前2時BSTに時計を1時間戻します。
「英国で19時から配信」と書かれていたら、日本では何日の何時だろう。8時間を足す、という覚え方は半分だけ正解です。英国には時計を1時間進める夏時間があり、配信の日付によって、日本との差が変わります。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。私は、計算機が出した時刻を自分でも確かめられることに、数学を学ぶ面白さがあると考えています。この記事の配信予定は、すべて学習用の架空の例です。
1. UTCを0にして、日本と英国の8時間を見る
日本と英国の時差は、同じ瞬間の時計表示の差です。基準を協定世界時(UTC)とし、UTCより進んでいる側を正とします。ここで0にするのは「午前0時」ではなく、「UTCとの時差が0時間」という状態です。
情報通信研究機構(NICT)の「日本標準時」は、日本標準時(JST)をUTC(NICT)より9時間進めた時刻と説明しています。UTC(NICT)はNICTが維持する協定世界時です。この記事の時間単位の換算では、日本をUTC+9時間の位置に置きます。
英国政府のGOV.UKによると、英国の夏時間はBritish Summer Time(BST)、時計を戻した後はGreenwich Mean Time(GMT)です。この時刻換算ではGMTをUTCとの差0時間、BSTを+1時間として扱います。両資料を2026年9月27日に確認しました。
夏時間の英国は+1、日本は+9です。英国の点から日本の点へ、右に何目盛りあるか数えよう。+1から+9までは8目盛り。日本の時計表示が8時間進んでいます。
(+9)−(+1)=+8(時間)
9時間と1時間を足さない理由は、二つとも同じUTCを基準にした差だからです。共通して進んでいる1時間を引くと、日本と英国の間の8時間が残ります。基準をそろえてから差を取る計算です。
0の置き方を練習したいときは、正負の数の教材「0」へ。ゴルフで基準打数との差を扱ったスコアの正負を読む記事ともつながります。同じ0でも、何を基準にしたかで意味が変わります。
高さにも0の違いがあります。潮位と標高を2つの0で比べる記事では、同じ海面が120cmとも+20cmとも表せる仮の例を、縦の数直線で確かめます。
2. 英国から日本へは足し、日本から英国へは引く
夏時間の英国から日本への変換では8時間を足し、日本から英国への変換では8時間を引きます。同じ瞬間をどちらの時計で表示するか、という向きの違いです。8時間待ってから配信が日本に届く、という意味ではありません。
2026年9月27日の英国12時BSTを、日本の時計に直してみよう。英国の点+1から日本の点+9へ動くので、変化は+8時間。12+8=20より、日本では同じ9月27日の20時JSTです。正午と午後8時が、同じ瞬間を指します。
反対に、日本の9月27日20時JSTを英国に直すなら、日本の点+9から英国の点+1へ動きます。行き先から出発点を引くと、(+1)−(+9)=−8時間です。20+(−8)=12より、英国では同日の12時BSTになります。
変換先の時刻=元の時刻+(変換先のUTCとの差−元のUTCとの差)
この式は、元の時刻からいったんUTCへ戻し、行き先の差を加える操作を一つにしたものです。英国12時から1時間を引くとUTCの11時。そこへ日本の9時間を足すと20時です。12−1+9=20でも、同じ答えを確かめられます。
図の位置を表す+9と、矢印の動きを表す+8を分けて読もう。日本の位置が+9だからといって、英国の時刻へ毎回9を足すわけではありません。数直線を歩く教材では、出発点と加える数を分けて確認できます。
数直線は、時差の数の関係を表すモデルです。英国と日本の地理的な距離、飛行時間、通信の遅れは表していません。また、この図の右向きは「同じ瞬間の表示を進める向き」です。実際に時間が経過した矢印とは区別します。
3. 24時以上と負の数は、日付も一緒に直す
時差の計算で24時以上になったら24時間を引いて翌日に進め、0時より前になったら24時間を足して前日に戻します。時計の数字だけを直して日付を残すと、別の日の配信になってしまいます。ここでは24時間制を使います。
架空の配信が2026年9月27日19時BSTに始まるとします。日本へは8時間を足すので、19+8=27です。27は途中の計算値で、日本の時計に「27時」と登録するための答えではありません。27−24=3より、開始は9月28日午前3時JSTです。
19時から同日の24時までが5時間。残り3時間を翌日に進む、と分けても確かめられます。5+3=8です。英国では日曜の夜でも、日本では月曜の朝になる例です。「日曜の配信」という言葉だけで日本の日曜夜と決めないようにしよう。
逆向きも試します。日本の9月27日6時JSTは、英国で何時だろう。6−8=−2です。ここでの−2は、日本側の日付である9月27日の0時を基準に、2時間前の位置を示す途中の値です。時計に負の時刻が表示されるわけではありません。
9月27日0時より2時間前は、9月26日22時です。計算なら−2+24=22。答えは英国9月26日22時BSTとなります。22+8=30、30−24=6で、翌日の日本6時へ戻ることも確認できます。
6−8の−は引き算の記号、答え−2の−は負の数を表す符号です。どの0を基準にした負の数なのかが分かれば、日付へ戻せます。記号の役割は同じ「−」の違う仕事でも扱っています。
4. 10月25日は、英国の午前1時台が2回ある
英国では2026年10月25日、午前2時BSTに時計を1時間戻して午前1時GMTにします。GOV.UKは終了日を10月25日、戻す時刻を午前2時としています。終了後、日本との時差は8時間から9時間になります。
標準時の英国はUTCとの差が0、日本は+9なので、(+9)−0=+9時間です。架空の10月25日19時GMTの配信なら、日本では19+9=28、28−24=4より、10月26日午前4時JST。夏時間の19時を直したときより、日本の表示は1時間遅くなります。
意外なのは、切り替え当日に英国の「午前1時30分」が2回あることです。最初の1時30分BSTは日本の9時30分JST。時計を戻した後の1時30分GMTは、日本の10時30分JSTです。同じ日付・同じ数字でも、時刻帯が違えば別の瞬間になります。
日本側の切り替え時刻も確かめられます。英国2時BSTから1時間を引くとUTCの1時、そこへ9時間を足すと日本の10時です。つまり9月27日の確認内容では、10月25日10時JSTが切り替えの境目です。英国の深夜0時から、一律に9時間差へ変わるわけではありません。
この記事では、分を変えずに整数の時間差を加減しています。1時30分の30分はそのままです。秒以下の精度や、別の地域にある30分・45分単位の時差までは扱いません。英国以外の国の夏時間終了日を、この日付から推測することもできません。
5. 自動変換の前に、日付とBST・GMTを見る
海外配信を日本の予定表に入れる前に、主催者の案内から「日付・時刻・時刻帯」の3点を確認します。英国の現地時刻なのか、日本向けに換算済みなのかも見ます。換算済みのJST表示へさらに8時間を足すと、二重の変換になります。
自動変換の良い点は、日付またぎまで表示してくれることです。ただし「英国19時」という情報だけでは、何月何日かが欠けています。検索やAIへ尋ねるときも、「2026年9月27日19時BSTをJSTへ」のように、条件をそろえて渡します。
私はこう考えます。道具に計算を任せても、条件の確認まで丸投げしない。 数学を使う価値は、手計算の速さだけではありません。表示された午前3時を見て、「翌日になっているか」「8時間差を使える日か」と、自分で問い直せることです。
私は、すべての配信に手計算を求めたいわけではありません。どこまで自動変換を信じてよいかは、案内の書き方によって迷います。だからこそ、時刻帯が書かれていない予定は、計算で穴埋めせず、主催者の説明を確かめてから決めたいのです。
今日できる確認は、気になる配信を一つ選び、元の日時と日本の日時を並べて書くことです。その間に「+8時間」または「+9時間」と添えます。逆向きに引いて元の日時へ戻れば、計算と日付を二重に確認できます。
英国の19時は、日本の何時か。答えは、日付とBST・GMTまで読んで初めて決まります。夏時間の例なら翌日3時、標準時の例なら翌日4時。見られる時間か、録画や見逃し配信を選ぶかは、その答えを材料に自分で考えられます。
夏時間の運用や配信予定は変わることがあります。この記事は2026年9月27日に確認した情報に基づく計算の説明です。実際の開始日時が不明な場合は、主催者の公式案内を確認し、主催者へ問い合わせてください。
よくある疑問
日本と英国の時差は、いつも8時間ですか?
いつも8時間ではありません。日本はUTC+9時間、英国は夏時間のBSTでUTC+1時間、標準時のGMTでUTCとの差0時間です。そのため日本が進んでいる時間は夏8時間、冬9時間です。2026年は10月25日午前2時BSTに時計を戻します。切り替え当日は日付だけでなく、時刻とBST・GMTまで確認します。
時差を引いて−2になったら、何時ですか?
24時間制で6時から8時間を引いた−2は、基準にした日の0時より2時間前という途中の値です。24時間を足すと22時になり、日付は前日へ戻します。日本の2026年9月27日6時JSTなら、英国の9月26日22時BSTです。時計に負の時刻を表示するのではなく、日付と時刻の組で答えます。
配信案内が「UK time」だけでも換算できますか?
日付と時刻があり、英国の現地時刻を指すと確認できれば、その日の夏時間の適用を調べて換算します。ただし2026年10月25日の午前1時台は2回現れるため、BSTかGMTかの指定も必要です。日付がない案内や、日本向けの換算済み表示か分からない案内は、数字だけで決めず主催者の公式説明を確認します。
参考にした一次資料
- 英国政府 GOV.UK|When do the clocks change?
2025年11月24日更新。2026年9月27日確認。2026年の夏時間終了は10月25日、午前2時に1時間戻すこと、BSTとGMTの説明を確認。日本時刻への換算は本記事で計算。
- 情報通信研究機構(NICT)|日本標準時
公表日記載なし。2026年9月27日確認。日本標準時(JST)はUTC(NICT)を9時間進めた時刻であることを確認。配信日時は本記事の架空の設定。
資料確認日:2026-09-27。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。