大石浩之の数学ノート · 確率
この記事の単元:確率(⑧確率)
降水確率と降水量の違い、70%は大雨なの?

Q. 降水確率と降水量はどう違うの?70%なら大雨?
降水確率70%は、指定された時間帯に1mm以上の降水がある確率です。雨量が70mmという意味でも、大雨の強さでもありません。降水量はmmで表す水の量。外出前は、場所と時間帯をそろえ、%とmmを別々に読もう。
秋の外出前、天気予報に「降水確率70%」と出ています。傘を持つとして、長靴も必要なのかな。70という大きな数字を見ると、強い雨を思い浮かべるかもしれません。まず「何が70なのか」を確かめると、予報の読み方が変わります。
大石浩之(磐田市/不動産業)です。私は、数学を使って自分で選べる材料が増えることに面白さを感じます。この記事では実際の外出体験ではなく、架空の予報と観測例を使います。2026年9月26日に気象庁の説明と統計を確認しました。
1. 70%と70mmは、違う問いへの答え
降水確率は雨などの降りやすさ、降水量は降った水の量を表します。気象庁の「天気予報・天気図について」では、指定時間帯に1mm以上の降水がある確率を降水確率としています。70%という数字だけで、大雨になるとは判断できません。
架空の「ある地域の12時から18時まで、降水確率70%」を読んでみよう。その地域のある地点で、その6時間に合計1mm以上の降水となる確率が70%、という意味です。6時間ずっと降り続くとも、地域の面積の70%だけに降るとも読めません。
同じ説明で気象庁は、1mm以上である限り、降水確率は降水量の多少を示さないとしています。つまり、1mmの雨も20mmの雨も「1mm以上」という条件には当てはまります。細かい量をいったん分けず、有無に注目した数なのです。
一方、気象庁の「雨・雪について」によると、降水量は雨水が流れ去らずにたまったときの深さです。単位はmm(ミリメートル)。地面の水たまりの深さそのものではありません。実際の地面では、水は流れたり、土にしみ込んだりするからです。
予報の「%」を見たら起こりやすさ、「mm」を見たら水の量、と問いを分けます。数字の大小を比べる前に単位を見る習慣は、お米2kgと5kgの単価比較と共通です。袋の価格と1kgの価格を混ぜないのと同じく、確率と雨量も同じ物差しには載せません。
2. 100回の模式図で、分母を見る
降水確率70%の意味は、「70%という予報が100回出たとき、およそ70回で1mm以上の降水がある」と捉えられます。分母に置くのは、70%と予報された回数です。すべての天気予報100回を集めた割合ではありません。
図には10行10列、合計100マスあります。そのうち丸印が70マス、点印が30マスです。70+30=100で、全体の数と一致します。丸印の割合は70÷100×100=70%。最初の100は集めた予報の回数、掛ける100は割合を百分率で表すための数です。
点印は「1mm未満」を表し、雨が一滴も降らないとは限りません。この区別を抜かすと、少し雨に当たっただけで図と矛盾したように見えます。確率を読むときは、分母だけでなく、何を起きたこととして数えるかも決めておきます。
実際に100回を観測しても、必ず70回ぴったりになるわけではありません。図の70回は意味を見やすくした数です。明日から100日連続で必ず70日降る、という約束でもありません。くり返す回数と割合の章では、1回の結果と、回数を重ねた割合を分けて考えられます。
「雨が降る」「降らない」の2通りだから、半分ずつの50%になる、と考えてよいのかな。そう考えたくなるのは、硬貨の裏表を思い出すからかもしれません。でも、名前が2つあるだけでは起こりやすさが等しい根拠になりません。天気は観測や大気の予測などを使って見積もるものです。
場合の数から確率を求めるときには、数えた一つ一つが同じくらい起こりやすいことを確かめます。「同様に確からしい」を考える章で、この条件を確認できます。100マスの図も、空から無作為にマスを選んで天気が決まる仕組みを表しているわけではありません。
同じくらい起こりやすい場合を自分で数える例は、くじ引きの順番を3人で比較する記事で図解しています。引く前と結果を知った後を分けると、確率が答える問いの違いも確かめられます。
分母の違いを別の場面で考えるなら、交通事故の確率と10月の件数を読む記事で、事故記録から1件選ぶことと、自分の通行の確率を分けて図解しています。
3. 雨量の表は、時間をそろえて読む
降水量を比べるときは、mmの数字と、何時間に降った量かを一組で読みます。1時間の合計と6時間の合計では、同じmmでも降り方は異なります。次の表は、同じ地点の12時から18時までを想定した学習用の架空の観測例です。
| 観測例 | 6時間の合計 | 1mm以上? |
|---|---|---|
| A | 1mm | 当てはまる |
| B | 20mm | 当てはまる |
| C | 0.5mm | 当てはまらない |
AとBでは雨量に差があっても、「1mm以上だった回」を数えるときは、どちらも1回です。Cは雨が降っていますが、その条件では数えません。この表から、AやBになる確率そのものを計算することはできません。3つの例を等確率で抽出した設定ではないからです。
図の例Dは1時間ごとに1mmずつ降り、1+1+1+1+1+1=6mm。例Eは最初の1時間に6mm、残りは0mmなので、6+0+0+0+0+0=6mmです。合計は同じですが、外にいる時間と雨の重なり方は変わります。図は各時間内で一定の強さで降ったことまでは表しません。
例Dも例Eも、12時から18時までに1mm以上という条件を満たします。それでも、13時に出発する人にとっては違う状況です。降水確率の値から、この時間配分を取り出すことはできません。何時に降るかを知りたいときは、時間ごとの予報や雨雲の情報も見る必要があります。
ここまでの表と図は、確率と雨量を分けるために条件を絞ったモデルです。台風の雨の降り方を再現した記録ではなく、危険と安全の境界を示す表でもありません。70%を70mmに直す換算式は作れません。表している量が違うからです。
合計の量と、ある時間帯に起きる割合を分ける見方は、流星群が1時間に10個なら6分ごとなのかを考える記事でも、仮の観測記録と試行の図で確認できます。
4. 9月の台風3.3個は、何の数字?
気象庁の「台風の平年値」では、日本への9月の接近数は3.3個です。1991〜2020年の30年間を平均した値で、2026年9月の接近数や、今日の降水確率ではありません。秋の天気を読むときには、%やmmに加え、平均の個数も登場します。
同じ資料でいう「接近」は、台風の中心が国内のいずれかの気象官署から300km以内に入ることです。磐田市に3.3個来るという意味ではありません。台風が0.3個だけ存在するのでもなく、整数で数える接近数を平均したため小数になっています。
9月という季節を考える資料として平年値は使えます。しかし、30年間の平均から、ある土曜日の雨量までは決まりません。「どこの」「いつの」「何を数えた数字か」を添えて読む点は、100回の模式図と共通です。3.3個、70%、20mmを並べても、そのまま大小や危険度の順位にはできません。
5. 今日の予報を、外出の段取りへ
降水確率の良いところは、雨の有無についての不確かさを数字で比べられることです。同じ条件の30%と70%なら、70%のほうが1mm以上の降水になりやすい予報です。言葉だけの印象に頼らず、傘を持つか考える材料が一つ増えます。
ただし、予報を見る側への注文もあります。大きく表示された%だけで画面を閉じず、場所と対象時間を読んでほしいのです。午前中の値を夕方の帰り道に当てはめれば、数字を正しく読んでも判断の条件がずれます。雨量の欄では、1時間分なのか、数時間の合計なのかも確かめます。
私はこう考えます。70という数字だけでは、外出の段取りは決まらない。 不動産の金額を読むときと同じく、何を単位にした数字なのかをほどき、生活の負担に戻したい。雨なら困る荷物があるのか、外を歩く時間は何分か。数字を覚えるところで止めず、自分の予定と並べて初めて選ぶ材料になります。
私は「何%から必ず傘を持つ」と一つの答えにすることに迷います。荷物を減らしたい人と、ノートをぬらしたくない人では、気になる負担が違うからです。私なら、%を確認した後で雨量と時間帯を見て、移動方法まで考えます。これは私の考えであり、確率の定義から決まる唯一の答えではありません。
今日できる確認は、予報から「場所」「時間帯」「降水確率%」「降水量mmとその期間」を一行ずつ書くことです。雨量が載っていない画面なら「不明」と残して、時間別の情報を探します。確率を使って判断する章にも進むと、数字と選択をつなぐ練習ができます。
「70%は大雨なの?」への答えは、70%だけでは雨の強さは分からない、です。予報は更新されるため、出発前に最新情報を確認してください。この記事は数の読み方を学ぶもので、個別の外出の安全を保証しません。警報や地域の案内があるときはそちらを確認し、中学生は家族や引率者と行動を相談してください。
予報そのものの当たりやすさは、秋と夏の天気予報を10年平均で比べる記事で確認できます。降水確率と、過去の予報が観測と一致した適中率を分けて考えます。
よくある疑問
降水確率70%なら、必ず大雨になるの?
70%は大雨の強さを表しません。指定時間帯に合計1mm以上の降水がある確率です。1mmでも20mmでも、その条件には当てはまります。雨量を知りたいときは、mmで示された予想降水量と対象時間を別に確認します。この記事の数値例は学習用で、実際の外出では最新の予報や警報を確認してください。
雨は降る・降らないの2通りだから50%では?
結果を二つに分けただけでは、起こりやすさが半分ずつとは決まりません。場合の数から確率を求めるには、数えた各場合が同様に確からしいという条件が必要です。天気について、その条件は成り立つと決められません。降水確率は気象観測や大気の予測などを使うもので、選択肢が二つだから50%と計算するものではありません。
70%の日に雨が降らなかったら、予報は間違い?
1回降らなかっただけで、70%という見積もり全体の良し悪しは決められません。70%には1mm以上にならない可能性も含まれます。同じ70%の予報を集めて、実際に条件を満たした割合を見る考え方が必要です。100回なら必ず70回になるという約束ではなく、前に降らなかった分を次の雨で埋め合わせる決まりもありません。
参考にした一次資料
- 気象庁|天気予報・天気図について
公表日の記載なし。2026年9月26日確認。指定時間帯に1mm以上降る確率、70%と予報した100回中およそ70回という説明、雨量の多少を示さないことを確認。
- 気象庁|雨・雪について
公表日の記載なし。2026年9月26日確認。降水量は流出せずたまった水の深さで、単位がmmであること、観測期間を伴う量であることを確認。
- 気象庁|台風の平年値
公表日の記載なし。2026年9月26日確認。1991〜2020年平均、日本への9月の接近数3.3個、接近の定義が国内の気象官署から300km以内であることを確認。
資料確認日:2026-09-26。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。