大石浩之の数学ノート · 確率
この記事の単元:確率(⑧確率)
サイコロ2個の和、7が出やすいのはなぜ?

Q. サイコロ2個の和は、なぜ7がいちばん出やすいの?
各面が等確率で、2個が独立に出るとき、赤と青を区別した結果は36通りです。和7になる組は6通りで、どの和より多いため、いちばん出やすくなります。確率は6/36=1/6。ただし、6回振れば必ず1回出るという意味ではありません。
1. 和は11種類。でも、11等分にはできない
ボードゲームで2個のサイコロを振るとき、合計の7を待ったことはあるでしょうか。2から12までのどれかになるのだから、どの合計も同じくらい出そうにも見えます。まず紙に、出そうだと思う合計を一つ書いてみてください。その自分の予想を、目の組み合わせに戻して確かめます。
ドイツのボードゲーム見本市SPIEL Essenは、2026年10月22〜25日に開催予定です。主催者の「Tickets & Opening Hours」で日程を確認しました。開催を入口に、家でも考えられるサイコロの疑問を取り上げます。会場での実演や、特定の出展作品のルールを紹介する記事ではありません。
ここでは、1から6の目が一つずつあるサイコロを2個使います。どちらも各面が同じ確率で出て、一方の結果が他方の出やすさに影響しないと仮定します。この後者の条件を「独立」と呼びます。実物がその条件を完全に満たすと断定するのではなく、計算するためのモデルを先に決めています。
いちばん小さい和は1+1の2、いちばん大きい和は6+6の12です。その間も含めて和は11種類あります。しかし、和が11種類あることは、それぞれの確率が1/11である理由にはなりません。和2の作り方は1と1だけですが、和7には1と6のほか、2と5、3と4などもあるからです。
分けた箱の数を数える前に、その箱へ入る結果が同じくらい起こるかを確かめます。この見方は同様に確からしい場合の章につながります。和の名前だけ並べると隠れてしまう、箱の中身を次の表で開いてみます。
2. 赤と青を区別すると、分母は36通り
2個を赤と青で区別します。赤が1なら、青は1から6までの6通り。赤が2のときにも、青は1から6まであります。赤の6通りそれぞれに青の6通りが対応するので、全部で6×6=36通りです。2個を一緒に振った結果を、一つの組として数えています。
表では縦の見出しを赤の目、横の見出しを青の目にします。赤2・青5なら、赤2の行を横へたどり、青5の列との交点を探します。そこには和7があります。逆に赤5・青2を探すと、別のマスにも7があります。足し算の答えは同じでも、2個それぞれに何が出たかは違う結果です。
「2と5」とだけ書くと、この2マスを一つにまとめてしまいがちです。色は飾りではなく、区別を落とさないための印です。赤1・青1のように同じ目の組には、入れ替えて増える別のマスはありません。同じ目の組と違う目の組を一箱ずつに入れると、箱の出やすさがそろわなくなります。
各面が等確率で、2個が独立という条件なら、36マスは同じくらい起こりやすい結果です。だから分母を36にできます。マスの描き方は表で整理する章でも確かめられます。数字を先に公式へ入れるより、分母が指している全体を見える形にします。
3. 7になる6マスを数えて、6/36=1/6
和7になる組を、赤の目の小さい順に読みます。(1,6)、(2,5)、(3,4)、(4,3)、(5,2)、(6,1)の6通りです。括弧の左が赤、右が青です。順番を決めて並べると、同じ組の二重書きや、入れ替えた組の書き忘れを確かめられます。
全36通りのうち、求める結果は6通り。したがって、和7の確率は6/36=1/6です。6と36をともに6で割って約分しても、「全体のうちのどれだけか」という割合は変わりません。分母6はサイコロ1個の目を数え直したものではなく、36組中6組という比を短く表した結果です。
ケンブリッジ大学NRICHの「Two Dice」のStudent Solutions欄にも、2個をA・Bとして区別した組が列挙されています。和7の6組を、こちらの表の黄色いマスと一つずつ照合できます。資料の答えを写すだけで終わらず、なぜその6組で全部なのかを表の行から説明してみます。
では、なぜ7がいちばん出やすいのでしょう。赤の目がどれであっても、7に足りない青の目が1〜6の範囲にあります。赤1なら青6、赤6なら青1です。各行に一つずつ、合計6マスを取れます。和8では赤1に青7が必要ですが、青7の面はありません。ここで一つ減ります。
和ごとの組の数は、2から順に1、2、3、4、5、6、5、4、3、2、1通りです。すべてを足すと36に戻ります。これが数え漏れの確認にもなります。7の左右で同じ高さになるのも、目を1と6、2と5、3と4で置き換えると、和が対になって対応するためです。
ここで、表の1行だけを隠して確かめる方法もあります。例えば赤3の行には、和4から9までが一つずつ並びます。赤の目を固定して見ている間は、この6種類の和は同じくらい出ます。しかし赤の目も変わる全体では、別の行に同じ和が重なります。どの条件を固定した問いなのかによって、数える全体が違うのです。
4. いちばん出やすくても、次に出るとは限らない
7は、ほかの一つ一つの和より出やすい結果です。それでも、7以外のマスは36−6=30個あります。「7」と「7以外」の二つに分ければ、7以外になる確率は30/36=5/6です。最多の一種類を選ぶことと、それが全体の半分以上を占めることは別です。ここは意外に感じるかもしれません。
確率1/6を「6回振れば必ず1回は7」と読むこともできません。6回の短い記録では、7が一度も出ない場合も、何度か出る場合もあります。独立な試行なら、7が続かなかったという情報だけで次の7の確率が上がるわけでもありません。確率は、出る時刻や順番を予約する数ではありません。
この区別はコイントスで3回連続表になる確率の記事にも共通します。一方、3人のくじ引きの順番の記事では、引いたくじを戻さない条件を扱っています。道具の名前で決めず、1回ごとに何が変わるか、同じ条件で繰り返せるかを確かめます。
私、大石浩之(磐田市/不動産業)は、数字を読むとき、分母の中身まで見える状態にしたいと考えています。商売でも、合計だけでなく1件あたりへ戻すと判断が変わります。今回なら「11種類ある」では止めず、36組のどこに数が集まるかを見る。自分で選ぶ力は、割合の土台を確かめるところから育つと私は考えます。
ただ、私は「7を選べばよい」とだけ伝えることには迷いがあります。ゲームでは得点の付け方や、次に選べる手が異なるからです。この表が答えるのは、仮定の下での和の出やすさまで。どんなゲームでも7を選ぶのが最善だとは言えません。数学で分かった範囲と、まだ判断材料が要る範囲を分けておきたいと思います。
また、ゲームのルールが「2個の和」ではなく「大きいほうの目を使う」なら、同じ36マスから別の数を読み取ることになります。目の組の表は使えても、和7の6マスは答えになりません。遊びの説明書を読むときは、振る個数と、出た目をどう使うかの両方を見ます。式を使う前のこの確認も、自分で考える数学の一部です。
5. 今日、36マスと自分の記録をつなぐ
手元で試すなら、色か大きさで区別できる2個を用意します。机から落ちない箱などの中で振り、赤の目・青の目・和を毎回記録します。最初に30回などの回数を決め、7が出た回数を全試行回数で割ります。ここでの30回は試し方の例で、この記事の実測データではありません。
この実験の分母は、表の36ではなく実際に振った回数です。表は起こり得る組を数え、実験は起きた結果を数えます。同じ組が何度出ても、その都度1回として記録します。記録から得た割合は相対度数と呼び、理論上の1/6と照らして考えます。試行を重ねる見方は多数回の試行の章で学べます。
回数を増やしても、割合が毎回必ず1/6へ近づくわけではありません。また、短い記録が1/6から離れただけで、サイコロに偏りがあるとは決められません。特殊な面のサイコロや、片方の結果に合わせてもう片方を置く遊びなら、最初の条件も変わります。そのときは今回の36等分をそのまま使わず、条件に戻ります。
今日の一歩は、表の和7を塗り、「同じくらい起こりやすい36組のうち6組」と声に出して説明することです。もう一歩進むなら、和8のマスを別の印で数えます。出やすさの違いを、自分の指で追えるようになります。行事の日程は変更される場合があるため主催者の案内を確認してください。この記事は学習用で、賭け事をすすめるものではありません。
よくある疑問
和は11種類なのに、なぜ確率は1/11ではないのですか?
11種類の和は同じくらい起こりやすくないためです。和2は赤1・青1の1組、和7は6組あります。各面が等確率で2個が独立なら、等しく数えられるのは赤と青を区別した36組です。その中で目的の和になる組を数えて割ります。種類の数だけでは、確率を決められません。
同時に振っても、赤2・青5と赤5・青2を分けますか?
分けます。時間的な前後ではなく、どちらのサイコロにどの目が出たかを区別しているからです。同時に振っても、赤2・青5と赤5・青2は別の結果です。色が同じなら大小などの印で区別します。和が等しいことと、出た目の組が同じであることは別です。
7が続けて出なければ、次は出やすくなりますか?
各面が等確率で毎回独立という条件なら、次も和7の確率は1/6です。それまでの記録が次の結果を埋め合わせるわけではありません。実験の割合は短い間では揺れます。現物の偏りや投げ方に疑問があるときは条件を調べますが、短い外れ続きだけで偏りを断定しません。
参考にした一次資料
- SPIEL Essen|Tickets & Opening Hours
2026年10月16日確認。OPENING HOURS欄に2026年10月22〜25日開催予定と記載。公表日記載なし。
- ケンブリッジ大学NRICH|Two Dice
2026年10月16日確認。Student Solutions欄のA・Bの列挙で和2〜12と和7の6組を照合。公表日記載なし。
資料確認日:2026-10-16。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。