大石浩之の数学ノート · データの活用

この記事の単元:データの分布(⑨データの活用)

ヒストグラムと棒グラフの違い、2つの図で比較

· 8分で読める · 中学生向け

架空の食料品店のレジで買い物客が待ち、手前のノートと時計で待ち時間の読み方を考える生成イラスト。
記事内容をもとに生成したイメージ。実在の店や調査の様子ではありません。図の正確な数値は本文で示します。

Q. ヒストグラムと棒グラフは、どこを見れば違いが分かる?

横軸が何を表すかを見ます。棒グラフは店などの項目ごとの数量を比べ、ヒストグラムは待ち時間などの数値を区切り、分布を示します。今回は架空の20人を5分幅で数えます。柱の高さは人数で、待った分数ではありません。人数0の区間も残します。

1. 似た二つの図でも、答えている問いが違う

ヒストグラムと棒グラフの違いは、まず横軸を読むと見えてきます。店の名前を並べた図と、待ち時間を短い順に区切った図では、同じ「人」を数えていても、分ける基準が違います。柱の形だけで名前を当てるより、何を比べたい図なのかを確かめます。

たとえば、買い物のレジで待つ場面を考えます。「どの店で調べた人が多いか」と「何分くらい待った人が多いか」は、別の問いです。前者には店別の人数を表す棒グラフ、後者には待ち時間の分布を表すヒストグラムが使えます。店の名前と分数を、一つの横軸へ混ぜないことから始めます。

2026年10月18日の今日は、統計の日です。総務省統計局「統計Today No.13」(2009年10月6日掲載)は、毎年10月18日が統計の日で、1973年7月3日に制定されたと説明しています。新しい決まりの紹介ではなく、ふだん見る図の意味を自分で確かめるきっかけにします。

総務省統計局「グラフ作成の基本」では、棒グラフは数量の大小を比べ、ヒストグラムは値の分布をつかむ図とされています。ここから使う店と人数、待ち時間は、すべて学習用の架空データです。実在の店の混雑状況や、実際に行った調査ではありません。出典は2026年10月18日に確認しました。

私、大石浩之(磐田市/不動産業)は、数字を暮らしの段取りへ戻して読む姿勢を伝えたいと考えています。「人数が多い」という言葉だけでは、買い物に何分を見込むかは決まりません。図にできることと、図だけでは決められないことを分けて見ます。

2. 棒グラフは、店という項目ごとの人数を比べる

店別人数の棒グラフでは、横軸はA店・B店・C店という項目です。今回は、3店で調べたことにした20人を、A店8人、B店7人、C店5人に分けます。縦軸は人数で、どの棒も0人から同じ目盛りで描きます。

調べた20人の店別内訳(学習用の架空データ)
店人数
A店8人
B店7人
C店5人
合計20人

8+7+5=20なので、合計は調べた人数と一致します。最も多いのはA店の8人。A店とC店の差は8−5=3人です。棒の高さを読み、同じ単位の数を引くことで、図から受けた印象を数量で説明できます。縦軸が売上額なら答えの単位も変わるので、人数という表示を読み飛ばしません。

ここでの8人は、A店の全来店者数ではありません。「この例で調べた人」が8人いるという意味です。調べる時間帯や人数の選び方は、実際の調査では別に確認する必要があります。棒が高いからといって、A店が一番人気、あるいは一番待たされる店とは言えません。

A店とC店の並びを入れ替えても、それぞれの店の人数は変わりません。名前で分けた項目なので、人数順など目的に合う順番に整理できます。同じ考え方は、磐田市の5地区の人口を比べる記事でも使っています。地区名も、長さや時間を区切った区間ではありません。

上は店別人数の棒グラフでA店8人、B店7人、C店5人。下は同じ20人の待ち時間を5分幅に分けたヒストグラムで、0分以上5分未満から順に5人、7人、5人、0人、3人。15分以上20分未満の区間も空けて残している。
学習用の架空データ。同じ20人でも、店で分けるか、待ち時間で分けるかによって答えられる問いが変わります。

3. ヒストグラムは、待ち時間を5分幅に分ける

待ち時間のヒストグラムでは、横軸を分数の区間にします。数値を区切った一つ一つの区間を「階級」、その中に入るデータの個数を「度数」と呼びます。今回は1人につき1回、列に並んでから会計が始まるまでの分数を記録した設定です。

20人分を小さい順に並べると、0、1、2、3、4、5、5、6、7、8、9、9、10、11、12、13、14、20、21、24分です。教材として整数の分数で作りました。実際には秒単位の記録もあり、切り捨てるか四捨五入するかでも境界付近の扱いが変わります。ここでは書かれた整数をそのまま数えます。

待ち時間の度数分布表(階級の幅はすべて5分)
待ち時間度数
0分以上5分未満5人
5分以上10分未満7人
10分以上15分未満5人
15分以上20分未満0人
20分以上25分未満3人
合計20人

各階級の人数は、5+7+5+0+3=20人です。元のデータの数と合うかを確かめます。5分の人が2人いますが、二つの階級へ1人ずつ分けるのではありません。2人とも「5分以上10分未満」に入ります。「5分未満」は5分を含まず、「5分以上」は5分を含むからです。

総務省統計局「ヒストグラム」も、境界で重複や脱落が起きないよう、以上・未満などで区切ると説明しています。図では0、5、10、15、20、25分の目盛りを等間隔に置きます。柱の高さは順に5、7、5、0、3人。人数の多い順へ柱を並べ替えると、時間が短い順という横軸の意味が壊れてしまいます。

階級の幅が同じ今回は、柱の高さで人数を比べられます。ヒストグラムでは面積が度数に比例するため、幅が違う図では高さだけを比べられません。この記事では5分幅にそろえます。まずは等しい幅で、データの分布の問題集にある表とヒストグラムの読み方へつなげてください。

0分以上5分未満の区間は0分を含み5分を含まない。5分以上10分未満の区間は5分を含み10分を含まない。5分の記録2人分はいずれも後者に入ることを、端点の白丸と黒丸、矢印で示す。
黒丸はその値を含み、白丸は含まない印。5分の記録を、二重に数えたり取り落としたりしないための図です。

4. 人数0の区間にも、読むべき意味がある

待ち時間が15分以上20分未満の人は、この20人にはいません。だからといって、その区間を消して左右の柱を詰めてはいけません。消すと、10分以上15分未満の隣に20分以上25分未満が来て、横軸の時間が途中で飛んでしまいます。柱のない場所も、分布の情報です。

最も人数が多いのは、5分以上10分未満の7人です。しかし「7分待った人が最多」とは読めません。元の記録では、7分は1人です。階級へまとめた後の高さ7は、時間ではなく人数。横軸の分と縦軸の人を言い分けると、この取り違えを防げます。

7人を全体に対する割合で表すと、7÷20=0.35、つまり35%です。こうして度数を全体の個数で割った値を「相対度数」と呼びます。一番高い柱でも、この例では半数に届いていません。「一番多い」と「大半を占める」は同じ意味ではないのです。分母の20人を一緒に書けば、印象だけで多数派を作らずに済みます。

別の調査で同じ階級が14人いたとしても、調べた人数が違えば、そのまま7人と比べられません。たとえば全体が40人なら14÷40=0.35で、割合は同じです。人数を比べたいのか、全体の中での位置を比べたいのかを先に決めます。ここでの40人も説明用の仮の例で、別の実測結果ではありません。

また、表だけを見ても、最長の待ち時間が24分とは分かりません。最後の階級に3人いることまでは分かりますが、その3人が20分・21分・24分なのか、別の組み合わせなのかは残っていません。元データを階級別に整理すれば全体像が見やすくなる一方、個々の値は隠れます。

棒グラフのA店8人と、ヒストグラムの5分以上10分未満7人を見比べても、A店で何分待ったかは分かりません。この二つの表には、店と待ち時間の対応を載せていないからです。店ごとの待ち時間を比べるには、対応が分かる元の記録へ戻る必要があります。

分布の別の示し方は、50m走の記録を箱ひげ図で比べる記事でも扱っています。箱ひげ図は次の学年の内容なので、ここでは計算を増やしません。同じデータでも、図によって見える特徴が変わるというつながりを覚えておけば十分です。

5. 今日の確認は、横軸を言葉にすること

ヒストグラムと棒グラフを読むときは、最初に「横軸で何を分け、縦軸で何を数えたか」を一文にします。店別人数なら「店で分けて人を数えた」、待ち時間なら「5分幅の時間で分けて人を数えた」です。図の名前を忘れても、この説明から読み直せます。

私は、図を見る前に何を知りたいかを一行書く方法を選びます。買い物の段取りを考えるなら、店の人数の大小だけで終えず、待ち時間の幅に目を向けたいからです。ただ、5分幅がいつも最適なのかは迷います。短い待ち時間を詳しく知りたい場合と、長く待つ人がいるかを知りたい場合では、見たい細かさが違います。

今日試すなら、この20個の数を紙へ写し、5分以上10分未満の数に印を付けてみます。7個あることを確かめ、次に15分以上20分未満が0個であることも調べます。単元の全体像はデータの分布の目次、区切り方を変えて確かめる場所はデータ実験室です。

説明を誰かに伝えるなら、最も高い柱を指すだけでなく、「5分以上10分未満の人が20人中7人」と言ってみます。店別の図では「A店で調べた人が20人中8人」です。同じ言い方の型へ戻すと、比べる項目、数える対象、全体の人数がそろいます。図の見た目から離れて言葉にできたところが、今回確かめられたことです。

この架空の20人から、次の買い物で何分待つかは決まりません。実際の判断には日時、会計の台数、調べた範囲なども必要です。数字や混雑状況は条件で変わります。まず図が答えている問いを確かめる。それが、見た目の印象に任せず、自分で選ぶための一歩だと私は考えます。

よくある疑問

柱のすき間があるかどうかだけで見分けられますか?

すき間だけでは決めず、横軸の意味を確かめます。棒グラフは店名などの項目ごとに数量を示し、ヒストグラムは時間などの数値を連続する区間に分けます。人数0の階級は柱が見えませんが、その区間自体は残ります。隣の柱と離れて見えても、それだけで棒グラフとは判断できません。

5分ちょうどの記録は、どちらの階級に入りますか?

この記事では「5分以上10分未満」に入ります。「0分以上5分未満」は5分を含みません。以上は境界の値を含み、未満は含まないので、どの記録も一つの階級に数えられます。秒単位の実測値を整数へ丸める場合は、丸め方によって所属が変わることもあるため、記録方法も明記します。

人数が最も多い階級なら、次もその時間だけ待ちますか?

次の待ち時間の保証にはなりません。今回は架空の20人の分布です。実測でも、調べた日時や会計の台数などが変われば、待ち時間は変わり得ます。多い階級を全員の待ち時間に置き換えず、長く待った記録や調査の範囲も確かめます。店別の人数だけから店ごとの待ち時間を決めることもできません。

参考にした一次資料

  • 総務省統計局|統計Today No.13

    2026年10月18日確認。2009年10月6日掲載。冒頭・第1節で統計の日が10月18日、制定が1973年7月3日であることを確認。

  • 総務省統計局|ヒストグラム

    2026年10月18日確認。「特徴」「ヒストグラムの作り方」で階級・度数・以上と未満による境界を確認。公表日の記載なし。本記事の20人は架空。

  • 総務省統計局|グラフ作成の基本

    2026年10月18日確認。「グラフの種類」で棒グラフの数量比較とヒストグラムの分布表示を確認。公表日の記載なし。

資料確認日:2026-10-18。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。