大石浩之の数学ノート · 確率

この記事の単元:確率(⑧確率)

コイントスで3回連続表の確率は?8通りで考える

· 8分で読める · 中学生向け

秋のサッカー場で審判の手からコインが宙に上がり、両チームの選手が結果を見守る、コイントスを題材にしたイラスト
記事内容をもとに生成したイメージ。実在の試合や人物を描いたものではありません。

Q. コイントスで3回続けて表が出るのは珍しい?

各回の表裏がそれぞれ1/2で独立なら、先に決めた3回がすべて表になる確率は1/8(12.5%)です。8通りの列のうち、表表表は1通り。起こり得る結果であり、8組に1組必ず出る約束ではありません。すでに2回表が出た後の次の表は1/2です。

1. スポーツのコイントスから、3回の問いへ

コイントスで表が3回続いても、それだけで特別な力や不正があるとは決まりません。まずは「どの3回を見るのか」と「表と裏の出やすさ」を決め、起こり得る結果を数えます。部活の試合前に見たコインを思い浮かべてみよう。

内閣府の「国民の祝日について」では、2026年のスポーツの日は10月12日です。国際サッカー評議会(IFAB)の競技規則第8条には、審判がコインを投げる手順があります。トスに勝ったチームは、前半に攻めるゴールかキックオフかを選びます。どちらも2026年9月30日に確認しました。

ただし、競技規則にコイントスがあることと、数学で表裏を半々と考えることは別です。規則の記述だけで、実際の硬貨の表裏が正確に同じ確率だと証明されたわけではありません。また、1試合の開始時に3回投げるという規則でもありません。ここからは、3回のトスを観察する学習用の設定です。

この記事では、投げる前に決めた3回を調べます。各回で表と裏が出る確率はそれぞれ1/2で、前の結果によって次の表裏の確率は変わらないと仮定します。このように、前の結果が次の確率に影響しない関係を「独立」と呼びます。縁で立つ場合は扱わず、結果は表か裏の2つです。

この仮定の良い点は、投げる人への好き嫌いや、直前の印象を外して考えられることです。一方で、実際の決め方には注文もあります。どの面を表と呼ぶか、落としたコインをどう判定するかを先にそろえたい。数学上の条件と、現場で守る手順は、両方あってこそ説明できます。

2. 樹形図の枝をたどると、同様に確からしい8通り

公平で独立なコイントスを3回行うと、順番を区別した結果は8通りです。1回目には表・裏の2本の枝が出ます。各枝から2回目の表・裏へ分かれ、その先でも3回目の表・裏へ分かれます。最後の枝まで、同じ道を二度数えずにたどります。

3回のコイントスの樹形図。1回目と2回目と3回目の順に表か裏へ分かれ、表表表、表表裏、表裏表、表裏裏、裏表表、裏表裏、裏裏表、裏裏裏の8通り。表表表だけを枠で示す。
各回の表裏が半々で独立なら、末端の8通りは同じ確率。表表表はそのうち1通りです。

1回目で2通り、2回目までなら各々に2通り、3回目でも各々に2通りが続きます。全体は2×2×2=8通り。「表表裏」と「表裏表」は表が出た回数こそ同じですが、出た順番が違うため別の道です。ここで数える1通りは、1回の表裏ではなく、3回分をまとめた列です。

8通りを数えただけでは、まだ分母を8にする根拠が足りません。各枝で表裏の確率が等しく、前の結果によって変わらないからこそ、最後の8本の道も同じくらい起こりやすくなります。この状態を「同様に確からしい」といいます。言葉を確かめたいときは、同様に確からしい場合の章に戻れます。

3回すべて表になる道は「表表表」の1通りです。したがって、求める確率は1/8。百分率では12.5%です。分母は同様に確からしい列の総数、分子は条件に合う列の数。同じ1/8でも、何を数えたかを添えると、答えの意味が見えてきます。

「表が0回・1回・2回・3回」の4種類に分け、全部同じ確率として1/4にする数え方には注意が必要です。表が1回の列は「表裏裏・裏表裏・裏裏表」の3通りですが、表が3回の列は1通りしかありません。種類の名前を4つ付けても、起こりやすさはそろいません。数え漏れを防ぐ手順は、樹形図の章でも確認できます。

3. 表が2回出た後、次も表になる確率は1/2

すでに表が2回出たと分かっているなら、3回目も表になる確率は1/2です。最初から3回すべて表になる確率の1/8とは、答えている問いが違います。まだ一度も投げていない時点と、2回分の結果を知った時点を分けてみよう。

投げる前は8通りのうち表表表が1通りで1/8。表表まで確定した後は表表表と表表裏の2通りが残り、次が表の1通りを数えるため1/2になる比較図。
結果を知った後は、条件に合う枝だけを見る。次の表と裏の起こりやすさは半々のままです。

樹形図で最初の2回が「表表」の枝へ進むと、残る列は「表表表」「表表裏」の2通りです。この条件の下でも2本は等しい確率なので、次も表になるのは2通り中1通り、1/2です。最初の2回を今から当て直す必要はありません。

「表が続いたから、そろそろ裏が出て帳尻を合わせる」と思うことはありませんか。けれども、独立という仮定には、その帳尻合わせの仕組みはありません。前の表が、次の裏を予約するわけではありません。 表が3回続いた後の4回目も、同じ仮定なら表の確率は1/2です。

対照になるのが、引いたくじを戻さない3人のくじ引きです。くじでは、当たりを引いたと分かると、残る中身が変わります。コインは表が出ても「表の面を取り除く」操作をしません。前の結果で条件が変わるかどうかを見れば、同じ「続けて行う」話でも、図を使い分けられます。

意外に感じるのは、「表表表」も「表裏表」も、投げる前にその順番を指定すれば同じ1/8だということです。交互の並びだけが、偶然らしくて出やすいわけではありません。目に留まる並びと、数学で出やすい並びは分けて考えられます。

4. 1/8は「8組に1組必ず」という約束ではない

3回連続の表の確率1/8は、3回を1組とする試行を繰り返したときの割合を考える数です。8組やれば必ず1組が表表表になる、という予定表ではありません。8組の中に表表表がない場合も、2組以上ある場合もあります。

「表か裏のどちらでもよいので3回同じ」という問いなら、表表表に裏裏裏も加えます。8通り中2通りなので2/8=1/4です。「表が続く」と「同じ面が続く」は、似た言い方でも分子が違います。結果を見てから目立つ特徴を選ぶと、最初に尋ねた出来事とずれることがあります。

観察する範囲もそろえます。「先に決めた3回が表表表」と、「何十回も投げて、どこかに表表表が現れる」は別の問いです。長い記録では連続する3回を探す場所が増えます。今回の1/8を、そのまま長い記録全体の確率として使うことはできません。まず区切る場所を紙に書くのが確実です。

私、大石浩之(磐田市/不動産業)は、数字を読むとき、何をひとまとまりにした数字なのかまで確かめたいと考えます。商売の数字も、総額だけと1件あたりでは受け止め方が変わります。確率でも、12.5%という見た目で止まらず、「3回分の列8通りのうち1通り」まで戻したい。分母を省くと、自分で判断する足場がなくなるからです。

私は、1/8を一言で「珍しい」と呼ぶかには迷いがあります。驚く気持ちまで数字で取り消す必要はないと思う一方、3回の連続だけで「おかしい」と決めるのも早い。私なら、起きる余地のある結果として受け止め、疑問が残れば投げ方や記録の範囲を確かめます。確率は、相手を言い負かす言葉にせず、問いをそろえるために使いたい。

割合が何を表すかに戻る姿勢は、降水確率と降水量の違いにもつながります。70%を雨の量だと読まないように、1/8も次の1回の予言だと読まない。数字の横に問いを一文添えるだけで、取り違えを見つけやすくなります。

5. 今日、3回ずつ区切って記録してみる

コイントスを手元で試すなら、投げる前に記録用紙を3回ずつの組に分けます。例えば8組分の欄を作り、各欄に1回目・2回目・3回目の表裏を書きます。3回を1組にするので、投げる回数は全部で24回です。これは試し方の提案で、実測データではありません。

コインを低く安全な場所で投げ、表表表になった組に丸を付けます。8組終わったら、丸の数を組数の8で割れば、その実験で表表表になった割合が出ます。投げた回数の24で割ると、調べたい「3回1組のうちの割合」と分母がずれてしまいます。途中で都合よく区切りを動かさず、表裏を全部残します。

実験の割合と、8通りを数えて出した確率は、同じものを別の方法で調べています。実験の割合は記録によって揺れます。回数を重ねる見方は、多数回の試行の章で試せます。毎回必ず1/8に近づくわけではなく、離れる区間もあるため、一組ごとの上下だけで結論を急がなくてかまいません。

現実の硬貨や投げ方が仮定に合うかは、今回の図だけでは分かりません。表裏の出やすさに偏りがある場合や、前の結果と次の投げ方が結び付く場合には、8通りを等しく数える計算をそのまま適用できません。8組の短い記録だけで公平・不公平を断定することも避けます。

最初の問いへの答えは、公平で独立な3回なら、表が3回続く確率は1/8です。今日の確認は、樹形図から表表表を指さし、「全8通りのうちの1通り」と説明すること。次に「もう表が2回出ていたら?」と問い直せば、1/2との違いも自分で確かめられます。競技規則は更新されるため、大会での運用は主催者・審判へ確認してください。この記事は数学の学習用で、賭け事をすすめるものではありません。

結果の分け方をさらに確かめるなら、サイコロ2個の和で7が出やすい理由へ。和の11種類と、同様に確からしい36組を区別して考えます。

よくある疑問

3回とも表と、3回とも同じ面は同じ確率?

違います。各回の表裏が半々で独立なら、3回とも表は8通り中の表表表だけで1/8です。3回とも同じ面なら裏裏裏も含むため2/8=1/4です。投げる前に、表だけを調べるのか、裏の連続も含めるのかを決めます。結果を見てから条件を変えると、比べる出来事が変わります。

表が3回続いたら、4回目は裏が出やすい?

公平で独立という仮定なら、4回目の表も裏も確率は1/2です。独立とは、前の結果で次の確率が変わらないことです。表が続いた分を次の裏が埋め合わせる仕組みはありません。ただし、実際の硬貨や投げ方がこの仮定に合うかは、連続した3回の結果だけでは判断できません。

8組試して表表表が出なかったら計算が間違い?

出なかっただけでは計算が間違いとはいえません。1/8は、同様に確からしい8通りの列のうち1通りという確率であり、8組ごとの出現回数を保証しません。3回を1組として全結果を記録し、表表表の組数を全組数で割って比べます。短い実験の割合にはばらつきがあります。

参考にした一次資料

資料確認日:2026-09-30。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。