考え方 / 調べる → 整理する → 推定する

一部から全体を考えよう

600人全員に聞かないと、分からない?

全校生徒の通学時間を知りたい。でも、全員に聞く時間がない。60人だけに聞くとしたら、どう選ぶ?

考え方を見てみる

友だちだけでは、住む地域や学年が偏るかもしれないね。全校からくじや乱数で選び、その人たちの通学時間を手がかりに、全体の傾向を見積もる方法があるよ。

1. 全体と、調べた一部を区別しよう

母集団:全校600人標本:選んだ60人

知りたい対象全体を母集団、そこから取り出して調べる一部を標本というよ。取り出した人数や個数が標本の大きさ。ここでは60だね。

全数調査

対象を全部調べる方法。遠足の参加者全員のアレルギーなど、一人ひとりの情報が必要なときに使うよ。

標本調査

一部を調べ、全体の傾向を推定する方法。全部調べると時間や費用がかかったり、製品を使い切ってしまったりするときに役立つよ。

問題1〜6で確かめる →

2. 「適当に選ぶ」と「無作為」は違うよ

全員に番号を付け、くじや乱数で選ぼう。調べる人の好みを入れず、どの対象にも等しい選ばれやすさをつくる方法が無作為抽出だよ。

  1. 母集団の全員に番号を1つずつ付ける。
  2. 同じ形の番号札をよく混ぜて引く、またはコンピュータの乱数を使う。
  3. 同じ人を2回選ばない調査では、重複する番号を除く。範囲外の番号も飛ばす。
  4. 選んだ人に同じ条件・質問で調査する。回答がなかった人数も記録する。

無作為に選んでも、全体と同じ割合になるとは限らないよ。偶然によるずれは残るんだ。

問題7〜12で選び方を考える →

3. 標本を表や数で整理しよう

60人に「朝に読書するか」を聞いて全員が答えた、という学習用の例を考えるよ。

選んだ60人の回答
回答人数(度数)割合(相対度数)
する24人24÷60=0.4
しない36人36÷60=0.6
合計60人1

標本の中で「する」と答えた割合は40%。調べる人数が違うときは、人数だけでなく割合で比べよう。

時間や長さを調べた場合は、合計を標本の大きさで割った平均も手がかりになるよ。平均だけでなく、値の散らばりにも目を向けよう。

問題13〜18で整理する →

4. 標本の割合を、全体に広げよう

60人のうち24人なら、標本では40%。全校600人でも割合がほぼ同じだと考えると、約何人になりそう?

図と式で考えよう
標本60人中24人全体600人中 約240人

600 × (24 ÷ 60) = 240 → 約240人

人数は10倍なので、24人を10倍しても同じ結果になるよ。「標本と母集団の割合が近い」と見ているんだね。

平均で全体の合計を見積もるとき

本文100ページから選んだ5ページの写真が、3、5、4、6、2枚なら、1ページ平均は4枚。本文全体では、4×100=約400枚と推定できるよ。

推定には「約」「およそ」を付けよう。標本で分かった値と、全体について推定した値を区別することが大切だよ。

問題19〜24で推定する →

5. 方法と結果を、立ち止まって確かめよう

数学ではどう考える?

無作為に抽出された標本は、母集団の傾向を考えるための手がかりになるよ。同じ母集団・同じ抽出方法なら、標本を大きくすると、繰り返し調べたときの推定のばらつきは小さくなる傾向がある。でも、1回ごとに必ず全体の値へ近づくわけではないよ。

選び方の偏りや未回答の問題は、人数を増やすだけでは解決できない。標本調査の結論は確定ではないことも、説明に含めよう。

問題25〜30で結果を読み取る →

もう一度、最初の問いへ

「一部を調べただけで、全体のことが分かるの?」
今なら、どんな条件や注意を付けて答えられるかな?

前の単元・次の単元

  1. 前に学ぶ単元箱ひげ図
  2. いまの単元標本調査(中3)
  3. 次に学ぶ単元高校の数学へ

関連する単元

分野のつながりは ⑨データの活用 のページで見られるよ。