大石浩之の数学ノート · 図形の基本

この記事の単元:平面図形(⑤図形の基本)

ピザのMとLの大きさ比較、直径5cmで面積は?

· 8分で読める · 中学生向け

木の食卓に大小二つの丸いピザと方眼ノート、鉛筆を置いた生成イラスト。家族で注文するサイズの違いを考える場面。
記事内容をもとに生成したイメージ。実際の商品写真ではなく、寸法と面積の関係は本文の図で示します。

Q. ピザのMとLは、直径が5cm違うと広さはどれくらい変わる?

ドミノ・ピザの公表寸法、M約27cmとL約32cmを円として比べると、Lの面積はMの約1.40倍です。直径の差は5cmでも、面積は約40%増えます。面積だけでは厚さや具材、食べ切れる量は決まりません。サイズ名や寸法は店によって違うため、注文先の表示を確かめます。

ピザのメニューにMとLが並んでいるとき、大きさの違いをどう見ますか。直径が27cmと32cmなら、差は5cm。「少し大きいだけ」と感じるかもしれません。でも、食べる部分の広さを比べたいなら、長さの引き算だけでは答えになりません。

大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)です。私は、数字を選択の材料にするには、何を測った数字かまで戻る必要があると考えています。今回は円の面積を使い、ピザのMとLを比べます。実際に注文した体験ではなく、公表寸法を使った数学のモデルです。

1. MとLは、店の寸法を確かめてから比べる

ドミノ・ピザの公表寸法では、Mは約27cm、Lは約32cmです。同社の「ピザサイズ表記変更のお知らせ」は2023年2月13日付で、旧RをMに変更し、大きさは変えていないと説明しています。2026年10月20日に確認しました。別のお店のMやLまで、この寸法だと決めることはできません。

消費者庁の「食品ロス削減に向けた取組について」は、10月を食品ロス削減月間と案内し、令和8年度のポスターを掲載しています。こちらも2026年10月20日に確認しました。食べ残しを減らす場面では、注文前にサイズの違いを見積もることが、一つの判断材料になります。

この記事では、公表された約27cmと約32cmを、それぞれ円の直径として計算します。ピザを真上から見た輪郭が円であると仮定し、焼き上がりのゆがみや寸法のばらつきは扱いません。実物を測定した結果でも、具材の量を調べた結果でもありません。

先に予想を一つ置いてみます。直径は5cm増えるので、面積も5だけ増えるのでしょうか。それとも、32÷27で求める長さの倍率と同じでしょうか。ここで答えを急がず、円に直径と半径を書き込むと、どの数を公式へ入れるかが見えてきます。

2. 直径を半分にして、半径を図に書く

円の面積は、半径×半径×円周率で求めます。円周率をπと書けば、半径rの円の面積はπr²です。r²はrを2倍することではなく、rを自分自身に掛けることを表します。直径の数をそのままrへ入れないように、図の中心を確かめます。

同じ縮尺で描いたMとLの円。Mは直径27cmで半径13.5cm、Lは直径32cmで半径16cm。中心を通る横線が直径、中心から円周への縦線が半径。
直径は中心を通って端から端まで、半径は中心から円周まで。二つの円は同じ縮尺です。

Mの半径は27÷2=13.5cm、Lは32÷2=16cmです。直径は円の中心を通る端から端までの長さで、半径二つ分に当たります。半径の差は16−13.5=2.5cm。直径の差5cmと取り違えないよう、線の両端がどこにあるかを見ます。

Mの面積はπ×13.5×13.5=182.25πcm²です。Lの面積はπ×16×16=256πcm²になります。「cm²」は面積の単位で、1辺1cmの正方形の広さが基準です。半径の単位cmと、面積の単位cm²は同じではありません。

円周を求める式は2πrで、面積のπr²とは別です。縁の長さを知りたいのか、表面の広さを知りたいのかで、使う式が変わります。図から量を読み取る練習は、平面図形の「図で学ぶ」で、円や扇形の説明とつなげて確かめられます。

計算後は、半径を2倍して元の直径へ戻してみます。13.5×2=27、16×2=32なので、最初の寸法と一致します。もし27を半径にしていたら直径は54cmとなり、選んだMとは別の円です。公式を覚えることと、何の長さを入れたかを確かめることは、どちらも欠かせません。

3. 直径5cmの差は、面積で約40%の差になる

Lの面積をMの面積で割ると、LがMの何倍かを求められます。今回の円のモデルでは、256π÷182.25π=256÷182.25=1024÷729で、約1.40倍です。同じπが分子と分母にあるため、πを3.14へ置き換えなくても比を計算できます。

Mの面積を1とした棒と、Lの面積が約1.40になる棒。同じ目盛りで長さを比較し、Mの182.25π平方センチメートルとLの256π平方センチメートルを示す。棒の長さは面積を表し、直径を表すものではない。
Mの面積を1とするとLは約1.40。棒の長さで、円の面積の比を表しています。

面積が約1.40倍というのは、元の100%に約40%を足した広さという意味です。「140%増える」ではありません。また、LがMより約40%広いというとき、比較の基準はMです。割合を読むときは、どちらを1や100%にしているかを言葉で添えます。

直径の比だけなら32÷27で、約1.19倍です。面積の比は、その倍率を2回掛けたものになります。式で確認すると、π×(32÷2)²をπ×(27÷2)²で割り、共通のπと半分にする計算が消えて、(32÷27)²が残ります。長さの倍率をそのまま面積へ移すことはできません。

円を真上から見て大きくすると、横にも縦にも広がります。直径が2倍の円なら、半径も2倍なので面積は4倍です。円の公式に戻れば確かめられる関係です。A4をA3に拡大するときの長さと面積も、長さの倍率と広さの倍率を区別する話につながります。

ここまでの182.25πや256πは、27と32を正確な直径としたモデルの値です。元の表示には「約」が付いています。計算機で比を細かく表示できても、実物をその桁まで測ったことにはなりません。食卓で大きさを話し合う材料なら、約1.40倍という見通しと前提をセットで伝えます。

「何cm²広いか」と「何倍広いか」も違う問いです。面積の差なら、256π−182.25π=73.75πcm²と引き算します。倍率なら割り算です。差にはcm²が付きますが、比では同じ面積の単位が消えます。式を選ぶ前に、欲しい答えを言葉で書いておくと、二つを混同しにくくなります。

4. 面積が分かっても、何人分かは決まらない

面積の比から、重さやカロリー、満腹感の比まで決めることはできません。生地の厚さ、耳の形、具材の種類や盛り付けは、円の図には入っていない条件です。今回計算したのは、真上から見た円の広さだけです。

仮に両方のピザを、中心から同じ大きさの8切れに分けるとします。このとき1切れの面積も、LがMの約1.40倍になります。両方の面積を同じ8で割るからです。これは仮の切り分け方で、実際の商品がどちらも8切れという案内ではありません。

同じ8切れでも、1切れの広さは同じとは限りません。逆に、切れ数が違う場合は、全体の面積と切れ数を別々に確かめる必要があります。円の一部分を考える入り口は扇形です。平面図形の問題で、円全体に対する割合から面積を考える練習ができます。

値段も別の条件です。面積が約1.40倍でも、価格が何倍かは商品や注文方法によって変わります。この記事では価格を調べて安い方を決めることはしません。注文先の最新メニューで、サイズ、内容、必要な枚数を確かめてから選ぶための、広さの比較です。

食べ残しを減らしたいときも、面積だけで「この人数なら必ず食べ切れる」と決めるのは無理があります。計算が間違っているのではなく、人数と食欲を結ぶ条件が足りないのです。分からないことを残したままでも、MとLの広さの違いが分かれば、選ぶ前の会話に使えます。

5. 今日の確認は、二つの円と条件を一枚に書く

サイズを比べるときは、まず店の名前と公表寸法を書き、直径を半径へ直します。次に円の面積を求め、比べたい方の面積を基準の面積で割ります。最後に、面積では分からない条件を一行添えれば、数字だけが独り歩きするのを防げます。

私は、大きさを計算できたからといって、すぐ大きい方へ決めなくてよいと考えます。家族の食欲や、ほかに食べる料理まで数式だけで読み切れるのか、私には迷いがあります。だからこそ、数学で分かる広さと、その日に確かめることを分けておきたいのです。

紙に二つの円を描いて、直径、半径、面積の順に記入してみてください。フリーハンドの絵は正確な縮尺でなくても構いません。その場合は「模式図」と添え、絵を測った長さで計算しないようにします。今日の一歩は、注文することではなく、比較の基準を一つ説明できることです。

式を自分で言い直せるかは、平面図形のたしかめで振り返れます。また、家にある食べ物との組み合わせを考えるなら、残りの食品を使い切る日数の記事がつながります。今回は広さ、そちらは個数と日数。問いに合わせて量を選ぶことが、暮らしで数学を使う出発点です。

もう一度試すなら、直径の数字を隠して、半径と面積だけから説明してみます。「Mを基準にしたのでLの面積をMで割った」と言えれば、答えの約1.40だけを覚えるより、別の寸法にも考え方を持ち運べます。違う店を比べる場合も、まず同じ単位の直径をそろえるところからです。

公表寸法や商品の仕様は変わることがあります。購入前は注文先の最新表示を確認してください。円の計算は実物の測定や栄養の評価を代わりに行うものではありません。

よくある疑問

直径の比だけで、ピザの面積を比べられますか?

円として比べるなら、直径の比を2乗すると面積の比になります。Mを27cm、Lを32cmとするモデルでは、(32÷27)²で約1.40倍です。直径の比の約1.19倍とは違います。同じ円の形を仮定した計算であり、元の寸法が概数なら、実物の面積比も厳密に確定した値ではありません。

どちらも8切れなら、1切れは同じ量ですか?

切れ数が同じでも、1切れの面積が同じとは限りません。仮に両方を等しい8切れに分けるなら、全体を同じ8で割るため、1切れの面積比も約1.40倍です。実際の切れ数を示した例ではありません。また、面積から厚さや具材の重さまでは分からないため、食べる量が同じとは判断できません。

面積が約1.40倍なら、食べられる人数も1.40倍ですか?

人数へそのまま置き換えることはできません。今回の計算は真上から見た円の広さだけを比べています。生地の厚さ、具材、ほかの料理、一人ひとりの食欲は式に含まれていません。サイズの違いをつかむ材料にし、実際の注文では商品説明と食卓の条件を確かめて、食べ切れる量を選びます。

参考にした一次資料

資料確認日:2026-10-20。例題の金額・人数・場面は学習用の設定です。実際の価格や学校の決まりは、それぞれの条件を確認してください。